2006年分


12/22(土)

 須河さん、三橋さん、東浦さんの参加でした。

 今日のメニューは、

・ウエイトとレーニング
・ボールゲーム
・補強

 残念ながら雨で、トレーニングが限られてしまいました。自重を使った補強をもう少ししっかりとこなしていきたいですね。まだまだ鍛える余地がたくさんあります! 


12/20(木)

 須河さん、三橋さん、東浦さん、谷岡さんの参加でした。

 今日のメニューは、

・流し
・ダッシュ
・投てき練習
・ボール投げ
・マット運動

 マット運動をしました。みんなもう少し体を自由に操れた方が良いですね。成長期にしっかりと運動神経を刺激しておかないと、大人になるに連れて新しい運動の習得が難しくなってきます。何度も反復練習することが大切ですね。


12/18(火)

 須河さん、三橋さん、東浦さん、谷岡さん、能瀬さん、小山さんの参加でした。

 今日のメニューは、

・流し
・ダッシュ
・投てき練習
・補強
・ウエイトトレーニング
・300m走
・ストレッチ

 今日もしっかりと走りました。谷岡さんはボール投げを中心に行いました。やり投げとボール投げは投げ方が異なりますが、投力をつけるのに良い練習になります。やり投げよりも肩や肘にかかる負担も少ないです。肩をしっかりと鍛えておきましょう。


12/13(木)

 須河さん、三橋さんの参加でした。

 今日のメニューは、

・流し
・ダッシュ
・投てき練習
・補強
・ウエイトトレーニング
・200m走
・ストレッチ

 今日の須河さんは4kgの砲丸をしっかりと押し出せる感触があったようです。ポイントは左腕の使い方です。右腕だけでは速い突き出しはできません。今日の感触を忘れないようにしましょう。


12/11(火)

 須河さん、三橋さん、東浦さん、小山さんの参加でした。

 今日のメニューは、

・流し
・ダッシュ
・投てき練習
・補強
・ウエイトトレーニング
・300m走
・ストレッチ

 小山さんは初参加でした。2年間ぐらいブランクがあるようなので、少しずつ体を戻していきましょう。ちょうどオフシーズンなので、来シーズンには試合に復帰できるようにトレーニングを進めていきましょう。


12/6(木)

 須河さん、三橋さんの参加でした。

 今日のメニューは、

・流
・ダッシュ
・投てき練習
・ウエイトトレーニング
・200m走
・ストレッチ

 久しぶりにサークルに入って砲丸を投げました。二人とも高校に備えて4kgの砲丸で練習をしました。中学用の重さは筋力よりもスピードが重視されますが、高校用では筋力をつけて体重を増やさなければ砲丸は遠くへ投げられません。高校生になるまでにしっかりと基礎を築いていきましょう。


12/4(火)

 須河さん、三橋さん、東浦さん、能瀬さんの参加でした。

 今日のメニューは、

・流し
・ダッシュ
・投てき練習
・ウエイトトレーニング
・300m走
・ストレッチ

  トレーニングの最後に300m走を入れました。期末試験などでトレーニングができなかった分、体力を戻すために少し長めの距離を走りました。これからも少しずつとり入れていこうと思います。しっかり走りましょう!


12/1(土)

 須河さん、三橋さん、東浦さんの参加でした。

 今日のメニューは、

・流し
・ダッシュ
・ボール投げ
・補強
・ウエイトトレーニング
・ストレッチ

 期末試験が終わったようです。みんな少し体力が落ちているようなので、すばらくは体力トレーニング中心で練習していきます。


11/27(木)

 東浦さん1名だけでした。

 今日のメニューは、

・投てき練習

 東浦さんは試験疲れのようです。今日の練習は軽めで終わりました。少しずつ体力を戻していきましょう。


11/20(火)

 西川君1名の参加でした。

 今日のメニューは、

・投てき練習
・補強
・ダッシュ

 西川君はやり投げで痛めていた肘にまだ違和感があるようです。本人が一番良くわかっていると思うのですが、無理は禁物です。時間をかけて肘に負担がかからない投げ方を身につけていくことが大切ですね。


11/15(木)

 東浦さん1名だけでした。

 今日のメニューは、

・投てき練習

 今日は東浦さんの疲れがたまっているということで、ハンマーのターン練習のみでした。ターン中に右足の接地が遅れているので、回りすぎ傾向にあります。右足は左足に擦るぐらいの最短距離で動かして、できるだけすばやく接地をさせましょう。


11/13(火)

 谷岡さん、能瀬さん、西川君に参加でした。

 今日のメニューは、

・流し
・ダッシュ
・投てき練習
・補強
・ウエイトトレーニング
・ストレッチ

 谷岡さんはやりを投げ出す角度が少し低いです。上半身のしなりをうまく使って、もう少し角度をつけていきましょう。能瀬さんはひたすら基礎練習です。今のうちにしっかり身につけていきましょう。


11/10(土)

 東浦さん1名だけでした。

 今日のメニューは、

・流し
・ダッシュ
・投てき練習
・補強
・ウエイトトレーニング
・ストレッチ

 今日も高校用の砲丸を投げました。投げる角度が少し低いです。左腕でしっかりとリードして高さのある砲丸を投げましょう。


11/8(木)

 東浦さんと和田君の参加でした。

 今日のメニューは、

・流し
・ダッシュ
・投てき練習
・補強
・ウエイトトレーニング
・ストレッチ

 和田君は2週間ぶりの練習だったようです。大学の勉強が忙しいようですね。少しでも時間を作って体を動かしましょう。東浦さんは高校用の砲丸を投げています。しばらくは立ち投げを続けていきます。徐々にグライドも入れていきましょう。


11/6(火)

 須河さん、東浦さん、谷岡さん、西川君、能瀬さん、さんの参加でした。

 今日のメニューは、

・流し
・ダッシュ
・投てき練習
・補強
・ウエイトトレーニング
・ストレッチ

 3種競技に出場するさんが初参加でした。私が少し遅れて行ったので、すでに投てき練習が始まっていましたが、須河さんがさんに指導してくれていました。他人に指導するというのは自分が競技をするよりも難しいです。その点、須河さんは基礎的な技術をしっかりと理解しているのでさんに的確に指導できていました。他の人もしっかりと時間をかけて身につけていきましょう。


11/3(土)

 須河さん、東浦さん、谷岡さんの参加でした。

 今日のメニューは、

・流し
・ダッシュ
・投てき練習
・補強
・ウエイトトレーニング
・ストレッチ

 須河さんは記録会に出場しました。ケガをしていたわりにはなかなかの記録だったと思います。総合的なレベルが上がっているということでしょう。能勢さんも出場しました。砲丸は初めての試合だったので、今日の記録が今後基準となってきます。砲丸を始めてからまだ日が浅いので、これからどんどん記録が伸びていくでしょう。


11/1(木)

 今日は西川君1名だけでした。

 今日のメニューは、

・投てき練習
・補強

 今日は投げ中心の練習でした。やりの突き刺しと、ひも付きハンマーでターン練習をしました。西川君は今シーズンの試合はすべて終えているので、今は冬期トレーニングへ移行していく時期ですね。基本的には学校での練習が中心になると思いますが、全身をバランスよく鍛えて一回り大きくなって来シーズンを迎えたいですね。


10/30(火)

 須河さん、東浦さん、能勢さん、西川君の参加でした。

 今日のメニューは、

・流し
・ダッシュ
・投てき練習
・補強
・ウエイトトレーニング
・ストレッチ

 西川君がたまにしか投げないという砲丸を投げにきました。たまにしか投げないといっても、基本動作がしっかりと身に付いているようです。特に下半身の使い方が上手いです。他の中学生は良い見本が近くにあるので、しっかりと観察して学んでいってもらいたいですね。


10/27(土)

 今日は須河さんと東浦さんの参加でした。

 今日のメニューは、

・流し
・ダッシュ
・投てき練習
・補強
・ウエイトトレーニング
・ストレッチ

 須河さんはまだ肩に痛みがあるようです。ストレッチやマッサージをして患部をいたわりましょう。東浦さんはハンマーのターン練習に取り組んでいます。少しずつ安定感が出てきました。繰り返しの練習が大切です。しっかり継続していきましょう。


10/25(木)

 今日は須河さん1名の参加でした。

 今日のメニューは、

・流し
・ダッシュ
・投てき練習
・補強
・ウエイトトレーニング
・ストレッチ

 砲丸で新しい技術に挑戦してみました。最初はバランスがうまくとれず、投げにくいと思います。何度が練習していって、うまくいけそうであれば今後も取り入れていきます。しばらく様子を見ましょう。


10/23(火)

 久しぶりに登場の丹羽です。これまでは仕事の都合上週に1回程度しか参加できなかったのですが、これからは仕事に支障が無い限り参加していきます。

 今日の参加者は、和田君、須河さん、東浦さん、能瀬さんでした。

 この数ヶ月、練習メニューが決まっているようで決まっていない状況が続いていました。もう一度練習メニューを熟考して、立て直しを図っていきます。しばらくは基礎的なトレーニングで体を作っていくことにします。

 今日のメニューは、

・流し
・ダッシュ
・投てき練習
・補強
・ウエイトトレーニング
・ストレッチ

 今日は2時間しっかりとトレーニングできました。明日は筋肉痛になる人が多そうですね。中学生は専門的なトレーニングよりも、全身をバランスよく鍛えていきましょう。大学生の和田君は自分でもアレンジを加えてプラスアルファの効果を上げていけたらいいですね。


10/21(日)

 20日は須河さんと和田君が来て、21日はその2人に加えて東浦さんが来ました。宮井さんとか東浦父とか、その辺りはいつ来て練習してたかわからなくなってます。

 須河さんの砲丸は、体が前に泳いでいる状態は相変わらずなのですが、21日は右足が重心の真下に引き込めてます。久々に高く飛ぶ砲丸を見ました。和田君は20日は調子が良かったように見えました・・・がグライドをつけても1mしか伸びません。腰高です。21日はなぜか動きが重い。東浦さんは今日もシュロイダーバルを回しています。

 中学時代から知っている女子大生が来てました。「ウェルカム40代♪」というのはやめてくれ。彼女の出身高校は大阪のK高校。何気に女子陸上部が強いところです。私はここも選択肢としては悪くないと思いますが、問題は大阪府ということですね。

 須河さんが小さなフットボールをうまく投げられるようになっているのですが、それが結構角度をつけるとできるのです。どうも、野球のボールを真上に投げる練習をしてから、いい感じになったらしい。まず、肩が痛い原因は間違いなくこれです。にしても、真上に投げるだけでこうもしっくりくるのか。ふーん。う〜ん。

 最近、やりを地面と平行のイメージでライナーに投げる、というのに、少し疑問を感じています。体幹に垂直に、というのにも。このイメージが「初心者には厳しくても最後まで追及すべきもの」であると言い切れないのです。私は体幹の後傾を認めません。でもそれは、体幹をしならせ起こし回転させる、という前提があるから。うまく説明できませんね、これは。

 というわけで、今日で(ひとまず)最後です。


10/18(木)

 今日は須河さんしかいませんでした。また足首を痛めなおしています。わからん人です。砲丸は12m飛んでますが。

 スポーツの語源には確かに「遊び」という意味はあるのですが、この「遊び」の対義語は「真剣」「真面目」ではありません。競技スポーツを否定し、わいわい楽しくやらなければスポーツとはいえない、と主張する人間には、「真剣に、真面目に遊ぶ」ということが理解できまい。

 逆に、何事にもオン、オフをつけたがる人間にも、真剣に遊べないから、このことが理解できまい。「遊び」とは、「手抜き」「だらだら」と同義語ではありません。

 「遊び」のない取り組みは、単に余裕がないだけか、100%力を出さずに手を抜いてるかのどちらかに過ぎません。どんなことでもですね、キツいことを楽しむ余裕のない者に「遊び」など口にする資格が無いと思うのです。誰が言い出したんでしょうか。手抜きして楽をすることを楽しいなどと。それが「遊びの本質だ」などと。


10/16(火)

 27、28日の記録会にエントリーするのを忘れた。それにも関係したお知らせです。仕事のシフトが来週から変わって、23日からは火、木、土すべて私は来れません。代わりに丹羽コーチがすべて来ます。日曜と水曜が全日、その他の平日の朝から午後2時まで、予定が空くことになりました。最近疲れてるから休もうか。それとも来年に備えてがっちり練習するか。・・・現実的な話、誰かこの時間にできる仕事をくれませんか。

 須河さん、東浦さん、能瀬さん、西川君、和田君、なぜか塚本君。久々に、メニューAの流れです。さて何だったでしょう。

 須河さんは砲丸の突き出しが最初のうちはうまく出てませんでした。肩の疲労は、いいストレートを投げていた時に溜まったみたいです。西川君の調子がいいです。なぜかな。東浦さん、能瀬さん、和田君は普通に練習をこなしています。塚本君は最後のWTでいなくなりました。

 後3回。


10/13(土)

 かつて私と少しでも関わった方々。お互い名前も忘れているだろうが、私の記憶の片隅に残っている方々。私が記憶の片隅に残っている方々。日本全国に、世界の片隅に、意外とたくさん散らばっている、そんな奇特なありがたい方々。

 お元気ですか。

 須河さんと東浦さんと谷岡さんと和田君。須河さんと谷岡さんはボールでやりの練習。東浦さんと和田君は砲丸を投げてます。谷岡さん以外は14日の試合に出ます。

 須河さんは肩が痛い。多分投げすぎ。和田君には明日のことなど何の考慮もしないメニューを与えました。

 で、14日。須河さんはやりで自己ベスト10cmほど更新。35mが遠い。砲丸2人は・・・普通です。

 以前、自分にとっての競技を、別れた女性になぞらえたことがあります。未練残して、また逢いに行っちゃ駄目だ、と。一度は完全にやめたはずなのに、どうしてまた関わってるんだろう。挙句の果てに、どうして試合になんか出てしまったんだろう。


10/11(木)

 後日書きます、が多すぎます。

 そのひとつ、10/9の分を書いておきましょう。砲丸投げの相談をしにきた大学生は、中2のころからそこそこ強く、スピード豊かで最近は体も大きくなっているのですが、何か投げが前に流れます。ためがなくて身体が前に流れて、砲丸を押し始めるタイミングが前過ぎる感じ。そういう印象であることを伝えたんですが、さてどうしましょう?問題はシンプルで、グライドの引き込みをもっと積極的にサークルの中央まで持ってくれば済むことなんでしょう。でも実際には、そうしても前により大きく流れる者が多い。自分ではわかっているはずなのに。で、その人の持ち味であるスピードを殺して対処することになる。・・・何か根本的に間違ってる気がするんですね。相談しに来た彼は、グライドで加速するときに、上半身を少し起こして、そしてまた深く倒し直す。彼はそうしてスピードをつけています。大学の後輩で、グライド時に左腕を後ろに大きく引き出す動作をする者がいて、やはりその後構え直していました。両者に共通することは「グライドでのスピードを稼ぐために、ひとつ余分な動作が入っていて、それが後の動作に多大な影響を及ぼしている」ということです。多分、いじるとしたらここです。スピードの出し方を根本から変える必要。具体的な方法は思うところがあるんですが、そこは砲丸専門の方々、自分で考えてください。

 東浦さん、須河さん。須河さん、テストはどうしたんだい。

 投げました。東浦さんシュロイダーバル投げました。須河さんチューブ引きました。ボックスジャンプを少し教えました。

 デプスジャンプと総称される練習は、プライオメトリックスな筋収縮を起こす練習手段です。こもち”おめでとう”田中君(何がおめでたいのかは本人に訊いて下さい)が、「この練習はわからない」と言ってます。そんなあなたのために、次のようなことを勧めます。まず、台から飛び降りて、体操選手のフィニッシュのようにピタッと止まる。膝を曲げずに。人体は軟らかく、ありとあらゆる箇所で衝撃を吸収します。飛び降りて着地したとき、どこで吸収されているか実感できるはずです。実感できたら、次はその衝撃を感じた直後に跳ぶ、ということを繰り返してみる。重みは感じるが痛みにならないうちに。

 私もあまり上手くないんですが。


10/9(火)

 週末からの動き。

 金曜日に練習した人たちは、ジャンプ系の新たな補強を教わったようです。

 土曜。谷岡さん、須河さん、東浦さん、和田君。須河さんはマイペースなアップ。谷岡さんが前日の疲労を少し残しています。「やり投げの助走はタータンで練習しないとタイミングが変わってしまわないか?」という話になりました。その通りだと思います。谷岡さんにその傾向が強く、試合では常に体が浮いてしまっています。

 私の体調が崖っぷちで、次の日の日曜は久しぶりに一歩も外に出ずに過ごしました。で、夕食を摂るのを忘れました。すさまじいまでの敗北感です。

 月曜。谷岡さんのやりが30mまであと50cm。うまくなりました。国体4位の西川君がやりに出ました。先日高1ながら57m投げたあの人も、持ち記録60mオーバーの大学生も、50mほどの大学生も。今回のやりは低調と断言しますが、発見は多かったです。そしてなぜか、中2から知っている今は大学生の砲丸投げ選手から、技術について質問されました。この話は考えさせられるものがあったので、後日必ず述べます。

 火曜。須河さん、東浦さん、能瀬さん、西川君。能瀬さんの練習を須河さんに丸投げ。西川君の膝の使い方をヒントにしてください。須河さんはやりを投げたくて仕方ない、といった風情です。最後はバウンディングと腹筋で締めて終わり。

 基本練習、と呼ばれるものは、その人の技術に対するアプローチの深さ、習熟差が顕著に出ます。競技者同士が練習をするとき、上級者は初心者に対して、自分のレベルを見せつけるくらいでないと困ります。教えられるか、教えられないかじゃなくて、説明できなくとも存在する明らかな「差」。一人で練習していたから・・・とかは何の関係もなく、初心者の目からは「?」としか見えない「技」。それがないうちは、甘いんですよ。練習年月とか、全然関係ありません。


10/4(木)

 中学女子やり最高記録は、日本記録保持者若かりし頃の42m04。こんなもんだったけか。45mだと思っていた。この人は高1で45m56投げてます。高2では51m。高3は52mですが、その後62mまで伸びます。ちなみに、新規格(私は女子のやり規格変更を"変更"だとは認めない)では、今や幅跳びをしている人の40m28。中学時代は、3種AB両方で中学記録を出し、やりも40m超えて、まあ話題にはなりましたが。

 意外と低いんだね。須河さん、ひょっとすると・・・かもしれないよ。

 その須河さんは、試しに砲丸を投げましたが、動きに切れがなさ過ぎて飛びません。やりは後ろに体重を残して投げるのが好みだそうですが、やりを長く押してみようとすると、ブロックする左膝が崩れて重心が前に流れて、やりが上に抜ける、と。練習中はうまく説明できませんでしたが、まだ右肩を中心とした円運動にとどまっているのだと思います。対処法は・・・まだまとまってません。正解がまだ見えません。人間の動きはどれをとっても「円」には帰着しない。「円」に理想を求める姿勢は、安易な原点回帰主義というか、早々な思考停止というか。固定された中心が存在する。これが動作の理想型を「円」にすることの最大の問題点です。じゃあ右肩を中心とした回転「円」運動を完全に否定して違うことをするのか?そうじゃない。

 「ひねらない」とか「ねじらない」とか「蹴らない」とか、昨今ブームにはなっておりますが、そういうことを主張する人ってのは、かつてそのような動きを散々して、その無駄に気付いて、そんな結論に到った・・・ということになってますね。スポーツジャーナリズムでも、とにかく旧来の方法を感情的に否定して、全て「精神論の弊害」で括って、科学的に、合理的に、人道的に・・・などの戯言を並べたがる人がいまだにたくさんいます。少なくとも、科学とは何か、ということをしっかり考えてから言ってくれ。この2000年にわたるキリスト教文明下では、科学と科学技術は別物である、という当たり前のことは当然わかってるんだろうな?話を戻しますが、「ひねらない」「ねじらない」「蹴らない」動きは、「ひねる」「ねじる」「蹴る」動きを習熟させて初めて可能になっているのではないか。そのように感じることがあります。あることを否定して次の段階に行く前提として、まずは肯定して行き詰る、という経験が必要なのではないか。発達とはそもそもそういう極端なリバウンドの繰り返しを指すんじゃないだろうか。結果としてそのリバウンドから螺旋階段のような上昇を描く。遠回りの連続ではなく、密度の濃い上昇だと。

 続きはまたの機会に。


10/2(火)

 アル・オーター氏が亡くなってしまった。

 須河さん、谷岡さん、東浦さん、能瀬さん、和田君、丹羽コーチ須河さんはいいストレートを投げます。谷岡さんは動きに切れがありません。土踏まずが落ちている感じがあるようなので、疲労が抜けずシンスプリント再発寸前でしょう。東浦さんと能瀬さんの投げは見てません。丹羽コーチがいろいろ教えてたみたいです。和田君、40kgのスナッチは軽いです。

 やりを構えますね。少し横を向いた姿勢のまま、「前足に」加重していきます。さらに前足の膝を加重する進行方向に抜く。重心ラインである、大腿の真下に足はもはやない。横に崩れようとしている身体。後ろ足(右利きだと右足)は地面から離れる寸前。もう耐えられない、という寸前で、前足(右利きだと左足)を地面から離す。重心ラインは既に左足の上にはなかったので、重力に引っ張られるように左足は地面の上を滑るように前方へ運ばれる。後ろ足は遅れて前に運ばれるが、接地点が既に重心ラインより後方。もう前足方向に加重してるわけだが、まだ前足は地面に着いていない。あたかも底のない穴に前足を「落としている」。この深い穴に、後ろ足の膝も落とし、体幹を思いっきり起こし回転することで、体全体を「ダイブさせる」。するといきなり地面にぶつかる(実際にぶつかっているのは前足だけ)。その衝撃を両足で受け止めて、背中から利き腕に抜けさせて、投げる・・・わけだ。私が考える、「軸の上に居付かない投げ」のイメージです。肘も肩も痛めてしまってから至った方法。往年の溝口大先生ほどではないですが、「急停車、衝突事故」な投げではありますね。全然肩には優しくありません。これも前足に居付いている瞬間があって、まだまだだめな投げではあります。でも、今うっすらと思い描いている理想の投げは、恐ろしいとしか表現できない。失敗すると一瞬で地面が目前に迫るような。

 最近読んだ本の中で、フルマラソンの世界記録をはるかに上回る速さで「歩けた」昔の日本人の速歩術が、どうもこの動きを連続で循環運動にしているんじゃないか、と思えてなりません。だとすれば、ちょっと分不相応な領域に足を突っ込んでますね。今は理想とは程遠いところにいます。あちこち痛くて仕方ない。今日動いてみて、以上のようなことを考えました。私はどこに向かいたいんでしょうか。

 PCが壊れて2週間、3万円+αで、中古ベースからWindowsVistaも動くであろう環境を整えました。ジャンクマニア魂全開だ。この3万円のおかげで私は今年いっぱいしんどい目に遭います。


9/29(土)

 どうしたらいいのかわかりません。

 練習前に、久々に三橋さんを見ました。元気そうです。本当に今日は好調だったようです。でも何を言っていいのかわかりません。そういうわけで、特に会話もなく。最近最初の一言が「しんどい」の谷岡さんもいました。今日は練習には来ません。やっぱり話題もなく。

 須河さんと東浦さんと西川君。後者2人は放置状態です。須河さんには今日もやり投げの感覚面での話。チューブ引きは、導入時の練習だと私は思います。下手に経験積んでしまうと、もう時間つぶし以外の何ものでもなくなるというか。

 気分転換もうまくできません。1週間くらい目を覚ましたくないです。


9/27(木)

 『身体から革命を起こす』甲野善紀・田中聡(新潮文庫)より

 「・・・・・構造として鍛錬されるのは、時間が止まっている身体なのだ。・・・・・」

 そう、陸上競技は所詮スポーツに過ぎない。あらゆることを考え、試みようとも、どうしても乗り越えられない白々しさ。古武術や格闘技からヒントを得るとき、いつもそれを感じる。「真剣」という言葉にリアリティがなさ過ぎる。ここを克服したとき、もはや陸上競技ではないところにいるのではないか。

 さて、須河さんと谷岡さんと東浦さんです。須河さんはプルオーバー系のWT・補強と、ラグビーボールでのやりのイメージ。久しぶりにちょっとヒントを出して見ました。谷岡さんは体育祭帰り。シンスプリントが再発しない範囲で。東浦さんは4kgで。無理せずあせらずじっくりと。

 絶望する恐怖から目をそむける者。幻滅する虚しさを認めようとしない者。楽しい思いだけ積み重ねて、心地よさ、快さにどっぷりつかって、なおかつ希望も持ちたいか?そんな資格、権利があると思うのか?そう考えるすべての世代の人間に私は言い放つ。「図々しいんだ。」


9/25(火)

 古武術に興味がある方なら聞いたことがあるであろう『木鶏』の逸話、『猫の妙術』。日本レスリングが強かったころの八田イズムの数多くの伝説。アルミン・ハリーのスタート反応が0.08秒だったこと。ワレリー・ボルゾフの練習には全力でのタイムトライアルが少なかったこと。スキーのターンは谷側に体重を乗せていくことで自然に曲がること。蹴上がりは鉄棒に足首を近づけることで回るが、膝まで上げると回りにくくなること。

・・・・・

 これらのことが、すべて1冊の本に載っているという情況を、信じることができるでしょうか。ほかにも、「こうすれば速く走れる」とか、「逆上がりの仕方」とか。小学生の運動会レベルから、名選手の逸話まで満載。『木鶏』とか『猫の妙術』なんて、今でも知っている人には滅多に会えません。著者は何とあの千葉真一。タイトルは『千葉ちゃんのスポーツ特訓』。大人向けと子供向けの2種類がありました。読んだのは小6で、母が暇つぶしに自分で読むために買ったもので、一緒にビートたけしの本を買ってました。今考えたら、すごい出会い。今の私はこの本と共にあるといっても過言ではない。でもその本はどこにいったかわからないが。ありがとう、千葉真一。

 今日も外周だ。連休明けはまた外周だ。西川君、須河さん、谷岡さん。メインは、無為にやりを突き刺し続ける練習。私はアップのキャッチボールに付き合って、右腕の感覚が指先まで鈍いです。女子2人は軸足に体重を乗せるところから。須河さんはまだ右足首が完治してませんので、すぐに力が上に抜けます。西川君はスプリットレッグのスナッチを連続でしています。50kg程度とはいえ、たいしたものです。秋田コーチがその場でしてみたスナッチは、スプリンターらしく重心の沈み込みが高いポイントでぐ、っと食い止められていて、丹羽コーチはもぐりこんでスクワットで上げます。がすると骨盤〜上体を起こす・返す動作で引き上げます。全然違います。こういうのは、どれもすべて試してみるべきでしょうね。

 補強。ベンチにうつぶせになって、軽いプレートを持って平泳ぎのように腕を動かす。このときに、腕の通過するレベルを体側の真横よりも下にならないようにする。肩甲骨周りの柔軟性と筋力が要求される。私はこの練習できついと思ったことがあまりないのですが、女子2人には意外ときついみたいで。その代わり私は、腕が体の前に来てからが弱いです。投擲としてはだめじゃないか。全部強けりゃそれでいい、というわけじゃなくて、自分の傾向・癖を見分けて、今の自分を見極めることが大事です。


9/22(土)

 映画『炎のランナー(原題:Chariots of Fire '81 アカデミー賞作品賞受賞)』の2人の主人公の1人、Harold Abrahamsは、実際に'24五輪パリ大会で10"6で100mを制していますが、そんな彼の走りは、当時作られた『あなたもこうすれば速く走れる』みたいなフィルムで見ることができます。目にする機会があるなら一度は見たほうがいいです。10年ほど前にNHKで流れました。びっくりするから。自分のしている練習が最先端な、効率のいいものだとは、とても思えなくなるから。

 20日は須河さんと東浦さんが投げました。須河さんはまだ万全ではありません。学年別は5人の出場者中、最下位候補ぶっちぎり1番手です。22日も状況はそんなに変わりません。それよりも、ラグビーボールをオーバースローで投げてみると、まだまだ未熟ですね、この人。それは谷岡さんも同じ。少しほっとする。最小限の力の投げでも、長軸周りの回転がビュンビュンしてないと。野球で言う、「いい回転の球」ってやつですか。ある程度力いっぱい投げないとそれが出てこない、という点が、未熟の根拠です。和田君には重めのバックプレスから、体幹・甲骨周りの背筋の使い方と投げとの類似性をわかってもらって。東浦親子はリラックスして練習。西川君は後ろに重心を残しつつスピードを上げる矛盾、やりの穂先を目の横に維持しつつ投射角を上げなければならない"矛盾"との戦い。

 前者はリリース前の左足接地(右利き)の瞬間に肩を入れ、体幹をしならせることで、重心の並進移動を一瞬遅らせ、急激に加速することができるのではないかと。要するに、楽な姿勢でクロスして、投げる寸前にためをつくるのですね。最初から弓を引き絞るようだと疲れます。後者は、実は矛盾などありません。やりを体軸に対して垂直に、低く水平に構えるのは、フィンランド人が好きな構えですが、この人たちは「まっすぐ投げる≠やりの穂先の方向に投げる」ですから。肩、体幹を柔軟に使えるようになると、柔らかい分だけ上に弾くことができるようになります。そこら辺の動きは自分で意識して作るのではなく、メディシンボールなどの練習の積み重ねで、無意識に「上に弾く肩」を作り上げる。自分では単にまっすぐ投げているつもりでも、うまい具合に上に弾けてきれいな放物線を描く。多分、フィンランドのやりはこんな感じです。言い換えれば、肩や体幹が柔らかくない者は、フィンランドの投げ方は窮屈なだけ。オリンピックや世界選手権で、フィンランドの混成選手を見るたびにそう思います。やりを構えた方向そのままに投げることにこだわるなら、結局はドイツ人のように、大きい後傾からバタンと倒れこむようにしないと、投射角を作れない。肩と体幹を柔らかくするのは、この場合やりに対して「前に」長く力を加え続ける方向に作用する。印象に過ぎないのですが、ドイツ人の投げって、体幹が起こせずに前に流れるようだと、高さのない"だらっと流れた"投げに見えます。参考に・・・ならんな。印象では。


9/18(火)

 実は体の中が腐っているのではないかと思うほど、体調がすぐれない。7年使ったPCも壊れて、ダメージは計り知れない。

 須河さんと東浦さんと和田君。今日は外周。そんな日の私の練習は、疲れる補強。須河さんは、ボール投げと背筋・体幹のWT。東浦さんと和田君は、メディシンボールと体幹・体側のWT。軸を意識してもらいます。

 須河さんは良い球を投げるのですが、地面にたたきつけるように投げるとき、少し遠めに投げるとき、速い球を投げるとき・・・これらの投げ分けをテイクバックの大きさでしています。野球のピッチャーだったらこれは致命的です。球種ばればれ。フォームが固まっていない典型例だと思います。さらに、やり投げではテイクバックの動作が固定・制限されるため、このタイプは「思い切って投げられない」という事態に直面します。本当に投げる能力がある者とは、テイクバックからリリースまでの動作がしっかり固まっている者のことなんじゃないだろうか。野球でもピッチャーになる者とそうでない者との間には、越えられない壁、埋められない溝がありますが、まさしくこの点なんじゃないかと。確かにやり投げとボール投げはテイクバックが違うのですが、フォームが固まっていると、投げに於けるアクセラレーション期のスクラッチ動作を「イメージはそのままに」わずかな動作修正だけで乗り越えることができるんじゃなかろうか。じゃあ今、投げが固まっていない場合は?どんなものでもいいから、「投げ込み」をしてテイクバックからリリースまでの動作を固めるべきだと思います。この話はいずれまた。

 東浦さんは風邪の病み上がり。和田君も補強は久し振り。たまにはいいでしょう。


9/15(土)

 車の中に蚊がいる。

 金曜日も懲りずに練習していた須河さんが今日もWT。バックプレスやベントローやプルオーバーをしている女子中学生。金曜に思わぬ所で会った和田君は来てません。

 須河さんとは、全日中前後では遠慮していた技術・練習の話をまたしています。


9/13(木)

 日曜日は和田君と西川君と谷岡さん。丹羽コーチも。所用で若干遅れて行ったので、何したか覚えてません。最近はのんびりやり投げを見てることが多いですかね。

 火曜日は西川君と谷岡さん、能瀬雅美さんが試しで。丹羽コーチも。雨の中やり投げの助走をしていましたが、一向に雨は止みませんでした。谷岡さんはこけました。西川君は世界選手権の印象が鮮烈なのか、すばらしく良いイメージでイミテーションスローをしています。ただしやりは持ってません。こんな初心者、なかなかいません。

 木曜は誰も来ないかと思いきや、ひどい捻挫に見舞われた須河さんがWTをしに来ました。私がこの類の怪我をしょっちゅうしてたので、どれだけ深刻なのか、正直さっぱりわからない。で、進路の話をするわけですね。最近は。

 週末の三連休が3週にわたって続く、と。どこの国の話だ。


9/8(土)

 そもそも人体には"スピード"を知覚する器官はあるのでしょうか。筋には緊張を測る筋紡錘があります。四肢の位置は・・・何で知覚するんだっけか。でもボディイメージは存在します。自分がどんな姿勢かは、目を閉じてもわかるわけですし。でもスピードはどうだ?きちんと調べたわけではないのですが、「スピード感」ってのは、筋緊張と姿勢、そして所要時間の感覚からかたちづくられる「加速度感」ではないか、と思うのです。疾走速度とかは、加えて地面からの反発、空気抵抗といった外部情報も加わると思いますけど。とにかく、我々が速度、スピードと称している感覚は、実は諸々の情報から推測・学習された加速度を指しているのではないか。

 こんなことを考えたのはあるきっかけがありまして。昔、ある人が主観的に「スピードがない」と思っている動作と、「スピードがある」と思っている動作を映像から比較・分析したとき、最高速度には有意差が認められなかったことがあるのです。具体的な話は端折りますが、瞬間の末端の速度は差が出ない。差があるのは、動作そのものの所要時間と、動作の立ち上がりの加速度。わずかな事例で一般論を導き出そうとするのは唾棄すべき過ちではありますが、それ以来、スピード感=加速度、しかもそれは後天的に学習されるもの、という仮説を抱いています。

 学習であるなら、誤った学習の可能性もあるわけで。投擲は投擲物の速度を、観察する以外に知覚できません。知覚できるスピード感はリリースまでで、飛んでいく投擲物は目で見るか、飛んでいく音を聞くか、落ちたときの地面の音を聞くか・・・という、観察以外に何もわかるはずがありません。どれくらいのスピード感で、投擲物にどれだけのスピードを与えられるのか。多分、少なからずの人数の競技者が、初心者の時点で誤った学習をしている。大半が、修正することもできずにやめていく。

 今日来たのは和田君。疲労があるのか、スピードが上げられない感覚があったようで、何か落ち着きのない投げを最初してたので、上記のような話をしました。おそらく初速には、自分が思っているほどの差はない。無理に末端の速度を上げる努力をしない。動作の立ち上がりのとろさには手を加えず、所要時間が増えそうでもスムーズに力を加え続ける時間が途切れないことに主眼を置く。具体的には、グライドから投げに入るときの体重移動を確実に。

 後は円盤ターンの練習。スムーズな動作と加速するリズム。

 中学生相手ではまずできない指導方法。


9/6(木)

 須河さんは4kgの砲丸を投げてイメージがずれています。あぁ、今日の練習内容が一言で済んでしまった。

 ところで男女問わず、スナッチは自分の体重くらいは挙げたいですね。体重くらいの負荷をコントロールできて初めて、体の重さ”そのもの”を武器にできると思いますから。そういう意味では、鉄棒や逆立ちなどはできなければいけないものでしょう(できて当たり前、とは言わないでおいてあげよう)。

 自分の体が不自由な状態から自由に使いこなせるようになるまでの期間は、記録・パフォーマンスがぐいぐい伸びると思うのです。でもある程度までいくと、今度は”いかに”自由に使いこなせるか、という、質的なコントロールの向上が要求されるようになって、記録が一時低迷する。それを乗り越えたとき、別人になっている、と。


9/4(火)

 投擲の間で、 Petra Lammert の不思議な投げが話題となっております。当初、回転投法からの再転向?という情報を拾ってきましたが、どうも裏が取れないので保留。久しぶりに気合を入れて、ドイツ語文献の情報を漁ってみました(関係ないですが、今日仕事場にスペイン人が来たらしい)。キーワードは、Wechselschritttechnik 。英語だと change step technology 。初心者向けの技術とみなされていて、位置づけは日本で言うところのステップ投法とほぼ同じです。本国でも話題になってるようです。現時点でわかったのはここまで。最先端技術、というわけではなさそうですね。陸連バイオメカニクス研究班はどのような評価を下すのでしょう。

 蒸し暑い中、まったり練習。丹羽コーチも来ていることなので、須河さんはまかせて、谷岡さん、西川君のやりの練習の横にいることにします。そこで私がしていたのは、やりを平行に投げ上げる"突き刺し"。去年の日本100傑で私より年齢を重ねている人は一人しかいませんが、その方が陸マガだか月陸だかに連載していたときに紹介されていた練習法の一つです。アレンジは加えてます。投げの局面の初期段階を強調するものですが、奈良に戻ってからこのタイプの投げの練習をする人をあまり見かけません。良い意味でも悪い意味でも、人を選ぶ練習手段だと思います。私の中では重要度がかなり高い練習法なんですが。当然のことながら、谷岡さん、西川君にはさせてません。後半は、西川君と助走談義。


8/30(木)

 毎日がキツ過ぎます。でも世界選手権、見に行ってきました。S席で、女子やりの予選を。周りは諸外国コーチばかりです。やりという種目柄、飛び交う言葉がどれも英語ではありません。何言ってるかわからん。某国の選手&コーチ&応援は、日本人にはわからんと高をくくってるのか、スタンドからフィールドからまあよくしゃべる。その選手にいたっては競技中もテンション高過ぎ。どこの国にもいるんですね、こんなやかましい人。皆さん、決勝で確認してください。オリーブオイルが特産品のこの国の選手を。

 まったりと明日に備える中学生4人。東浦さんは出ませんが。谷岡さんのピークが1週間早かった、と本人も自覚しています。今体調がよろしい須河さんが、悪魔のような微笑みで谷岡さんを挑発します。三橋さんは円盤が立ちます。丹羽コーチも、結局気になるのはここです。本当、ここだけです。

 明日も世界選手権を見に行く予定でしたが、キャンセルになりました。午前の男子やり予選が楽しみだったのですが。自分も競技をしていて、参考になるかな、というのりで観戦する人は、予選こそ見に行くべきだと思いますよ。


8/28(火)

 村上龍『半島を出よ』を読みながら世界選手権を見ていたせいでしょうか、今回の日本選手団の成績にはこれっぽちも同情できません。でも考え直してみる。私は、自分が一生懸命取り組んでいることで他人の期待を一身に背負ったことは全くない。逆に、自分ではどうでもいいと思っていることで期待されていたことはある。本当に不愉快な思い出だ。応援で背中を後押しされるって、何のことだかわからない。だから、ホームタウンディシジョンとか地元開催だから有利だとか、全然理解できない。経験したこともないし、想像もできない。緊張感がなさ過ぎてアドレナリンが出ない、というデメリットしか感じない。そう考えると、あまり責める理由はないな。

 それでも、自国開催で「暑さに負けた」は絶対言ってはならない一言ではないか?

 雨が降っても蒸し暑い。例のごとく中学生4人。今日のトピックスは、三橋さんのポテンシャルの想像以上の高さ、です。あくまでも「ポテンシャル」だからな。私は、あなたには「自分には何が手っ取り早いか」ではなく、「何にじっくり取り組んでみようか」という発想をいつの日か持つことを期待するだけです。谷岡さんはそんな人です。須河さん、東浦さんはどっちでしょう?

 三橋さんは、円盤の投射角と姿勢角を一致させて、その上で投射角をあげること。谷岡さんは、体が重いときには腕の振りを速めて辻褄を合わせるのではなく、体を動かすことを主眼において全体のバランスを崩さないこと。

 村上龍『半島を出よ』は、中学生の読書感想文課題図書にはまずならないであろう内容です。でも私が村上龍の初期の傑作『コインロッカー・ベイビーズ』を読んだのは中1の4月。


8/25(土)

 須河さんと三橋さんと谷岡さんと西川君なんですが、何か全員こう、しっかりしたと言うか、子供じゃなくなったというか、そんな感じの練習です。須河さんの砲丸が今、何を課題にしてるのか、私には正直わかりません。ジャベリックは左足への体重の乗せ方が一流です。左足裏からいい音がします。でも円盤は下手です。悲しくなるくらい。谷岡さんは今日は腕がよく振れています。投げに入るとき、少し肩が余分に入る動きがあるときはぶれますが、動き出しがスムーズなので修正ができます。あと、いつの間にか左足へ鋭く体重が乗せられるようになってます。ここが鋭く、強くできるようになると、投げが”加速”されます。本人も手応えありのようです。三橋さんの円盤は全体的に良いです。すごく良い投擲がたまに混じります。失敗も極端なものは減りました。円盤の飛ぶ方向と面のずれが少なくなってます。ターンも荒削りながらはまります。少し角度を上げると若干精度が下がりますが、修正にはそんなに時間を必要とはしない気がします。

 3人は昨日の試合後の練習で何を教わったのでしょうか。

 西川君はやりの持ち方でいろいろ試しています。ところで、えらく真上から振り下ろすイメージになってます。最初はそれくらいのほうがいい・・・のかな。

 小島よしおの真似は恥ずかしくてできません。


8/24(金)

 某バラエティ番組で、お笑い芸人が「中年組」と「初老組」に分かれて運動会をしてました。私の年齢は「初老組」です。

 初老、、。

 23日は朝から雨が降って、気温激減です。明日の試合に向けて、中学生2人はほとんど調整です。三橋さんは、斜面を見上げる位置から投げると、その角度がいい塩梅です。西川君はすっかり疲れています。

 24日は奈良市記録会です。

 三橋さん27m。谷岡さん30m。種目はそれぞれ円盤とジャベリック。この2人は何気にハイレベルだったりします。試合のときに思い出します。

 書きたいことや話のネタはいっぱいあるのですが、今日はここで終わり。なぜならば、私の体調がどうも限界ぎりぎりだからです。

 今日試合に出た2人と全日中に出た1人、大成功とは言えないが自己新が出て、ささやかではあるが嬉しかったと思います。そういうことの一つ一つが大事です。


8/18(土)

 お盆の少し前から、おそらく仕事が休みなのか、真昼間の炎天下でジョギングをする人をよく見かけます。どういう事情かは存じませんが、率直に言わせてもらえば、狂っているとしか思えません。散歩して帰って自宅で熱中症で死んでしまう人の報道を聞くと、もはやその思いは確信に変わります。

 中学生4人と宮井さんが各々別々の目的で練習。全日中は炎天下、ではなさそうです。須河さんは自分が仙台まで一体何で行くことになるのか、わけのわからない心配をしています。東浦さんは4kg砲丸で練習。遥か遠くに目線が。谷岡さんは今日も熟考中。三橋さんは今日はターンをしません。ところで、自分が考えて工夫したことは、自分の言葉で指導者に言ったほうがいいと思います。そのほうがより良い答えが返ってくると思うので。

 今から中・高生にはわかりづらい話をしましょう。まじめに書きますよ。

 学問は突き詰めていくと、「自分は何者であるのか」という、きわめて個人的なテーマに到達します。そこで、自分の足場をしっかり見極めておかないと、知識が単なる情報の群れでしかなくなってしまいます。具体的に言いますと、たとえば短距離を愛して止まない人がいるとする。その愛ゆえに自分の短距離を極めんとして、いろいろ考える。フォームを変えようとすることで、彼には運動生理学、バイオメカニクス、解剖学などの扉が開かれることになり、それらの分野と有機的につながることになる。食事に気を使うことで、栄養学、運動生化学と関わることになるだろう。気持ちのありようを考えてみたら、心理学も登場することになるかもしれない。他人と自分を比較することで、その違いを生む原因に興味がわけば、対象となる分野は恐ろしく広がる。それこそ教育学、哲学、思想、歴史・・・そういった人文系も総出演となる。要は、自分を取り巻く「世界」が「何」なのかをはっきりさせるために、まずは自分の中のさらに原点まで目を向け、それを基準に「世界」と有機的につながっていく。学問(別に「人生」と言ってもいいですが)とはそういうものだと思います。で、人間は思索だけで存在しているわけではなく、自由・不自由あれど、自らの「身体」、こいつからは死以外では解き放たれることはない、と思うのです。つまり、原点は自らの「身体」そのものにあるのではないか。「世界」と自らの「身体」でつながる。それが理想なのではないか、と。数学のような抽象的な分野でも、自らの「身体」で関わっていく。身体運動(あえてスポーツとは書かない)の意義は、「世界」と有機的にかかわるための最低条件を提供すること、だと私は思ってます。

 私にとっての「身体」性の根源は、やり投げにあります、残念ながら。やり投げから得られた「身体」を通して、私は「世界」を見、再構築しています。原点がお粗末だと「世界」もお粗末にしか見えません。だから私はやり投げを愛し続けることができます。でも、「身体」のリアルな部分、つまり肉体は、確実に衰え、穢れ、どうしようにもない有様になっていく。私が自らの「身体」を磨き、「世界」を詳細に再構築する努力を続けられる時間はあとわずかです。過去に、正確には5年前に、一度すべてリセットしてしまおうとしたことがあります。でもその後実生活でも生きながら死んでいるような状態になって、去年の2月あたりから、どういう因果かここに関わるようになって今に至ります。当時中学生は私を見て「この年齢不祥なおっさんは40代?」と思っていたようですね。

 長くなりましたが、以上が今日の練習の後半の雑談の答えです。ついでだから意思表示しておきましょう。私は「中・高齢者がスポーツで豊かな生活を送れる」という類の考えは一切持っておりません。「健全な精神は健全な肉体に宿る」という言葉が、ありもしない因果関係をさもあるかのように表現した誤訳であることは結構有名な話だと思いますが、それと同類の胡散臭さを感じています。


8/16(木)

 世の中お盆休暇なのか。コンビニの雑誌で曜日を判断している身にはつらい時期である。

8/12
 何をしたか忘れました。まさかこの日が開放日だとは思いませんでした(毎月言ってる)。和田君が明日から連戦・転戦です。

8/13
 奈良市記録会。私が坊主頭になっているのを、多くの先生方がこの日初めて知りました。

 この日は谷岡さん、三橋さん、和田君、東浦親子が出場しています。コンディションは最悪です。記録なんか絶対でません。

8/14
 私は仕事をしてましたので、行ってません。

8/16
 腰痛になりました。

 中学生4人。動きはみんな悪くないです。谷岡さんがいいです。三橋さんの円盤を見てましたが、立ち投げがまあまあ見れるようになりました。でも練習が進むにつれ、体が開き、ターンをつけると元に戻ってしまいます。この練習の流れは、砲丸と全く同じです。何を示唆しているのでしょう。後は丹羽コーチに任せましょう。

 国体選考の結果を知った全国津々浦々の知り合い、先輩、後輩「全員」から、鼻でせせら笑われる夢を見ました。正夢でしょう。


8/11(土)

 暑いのはわかってるが、直射日光の下で運動をするのは絶対にいけない。そんな悪習がはびこっているのは、高校野球のせいだ、と言いがかりをつけてみる。

 谷岡さんは月曜の試合前。見てると熟考しながら投げてます。東浦さんは父親と円盤三昧。丹羽コーチとも新村君とも違う投げ方です。和田君は24日の駒沢での試合に向けて疲労困憊。グライドの引き込みは鋭いですが、上半身がばててます。須河さんは試行錯誤。西川君と見ていて、「今のは・・・」「ここが・・・」と話題になったことは、須河さん本人も把握しています。練習はお盆モードです。30分残してリラックスタイムです。ちなみに西川君は、今日は国体選考に出た後で、来ただけです。くつろいでいます。

 で、私も5年ぶりに試合に出たわけですが、45m07でした。ちなみにやりです。円盤の記録ではありません。よくもまあ、投練習を全くせずに、このぼろぼろの体で投げられたものだと思います。相変わらず高校生から「独特の投げですね」とか「コンパクトでスムーズな投げですね」とか、不思議なことを言われてます。印象は詳細な分析を時として凌駕しますから、これらの感想は大きなヒントになります。いろんなことを思い、考えましたが、そのうちまとめて述べましょう。が、炎天下の昼1時から10時間経過した今感じること。こんな状態でも投げられる45mは所詮45m。やっぱり低レベル。無性に腹が立ってきました。「40歳で60m投げる計画」は継続します。


8/9(木)

 まじめに書こうと思った事があったんですが、書いてみたらとてつもなくヘビーかつ攻撃的な内容になったので、やめました。しばらくは、これまでどおりぬるくマニアックな内容で続けます。でも一言だけ。

「必死な人間は、他人の指示を待たない。」

 モノレールに乗りに、近畿中学を見に行きました。そもそも誰もが疑問に思う、この大会の位置づけ。勝っても上にはつながらない。おそらくそんなに思い入れがなかったんじゃないかと思われる須河さん、東浦さん。出たかったに違いない三橋さん。通信も含め、本当にどうでもよかったんじゃないかと思われる谷岡さん。去年の西川君も、特に集中して出てなかったように思われます。出たのは須河さんだけ。現在の練習経過を考えると、記録が出る要素はほとんどありませんね。新しいこと試してる真っ最中で。それでも、W-upで13m50ほど飛んだそうです。暑いから練習量を抑えていたせいかな、くらいしか思いつきません。実際の試合は、2投ファールで、3投目は11m52。2投目は12mを超えていますが、それでもたぶんベスト8には残ってません。今季初のベスト8落ち。上位入賞者以外は、似たり寄ったりな動きでした。入場してから開始まで1時間、その間に練習は3投だけだったのが原因なのか、想像以上に強かった向かい風が原因なのか。いろいろ考えられます。練習で13mを超えていてその結果なのだとしたら、原因をしっかり考える価値はあると思います。

 今日も須河さんは練習しています。疲れているようにしか見えません。和田君も試合明けです。11m後半はまだでないようです。確かまだ試合が続くはずなので、そこでいっそのこと12mを超えてもらいたいです。それ以上でもいいです。三橋さんと東浦さんは新村君に円盤のターンを教わっています。三橋さんはスムーズに回るようになりました。谷岡さんは腕の振りが少し鈍いです。おそらく、身体の動きを速くしたものの、腕の振りが追いついていないようです。「投げきっている感じがしない」らしいです。

 楽しいだけじゃ、だめです。


8/7(火)

 万博記念競技場に電車で行くなら、最後は大阪モノレール。どぅだい、乗ってみたいかい?今日、少なくとも一人、「モノレール」にくらいついている人がいました。モノレールに乗りたいから、近畿中学を見に行く。それもいいじゃないか。

 円盤の練習をする三橋さんと、練習するつもりもないはずだったのになぜか来てしまった西川くんを、ただ見てる私。砲丸の様子は知りません。相変わらず不安丸出しの三橋さんには、それなりにいろんな話をしました。記憶にとどまることは覚えておいてください。結構、まじめに、アツく話しているつもりです。でも、すべてが伝わってるとは思ってません。技術の話は、「ゆっくり始めて止まらずに」、です。順調で絶好調、などと褒めちぎりはしませんが、間違ったことは今のところしていない、と思います。中指に引っかかっている、というのが、その証です。

 私は自分の身の上や心情などをここで赤裸々に書いてますし、話してもいます。私の出身高校・大学くらいなら、直接話したことのない人でも十分推測可能でしょう。それでもなお、話す度に「この人には私はどのように見えているのだろう?」と、本当に疑問に思える人がいます。ちなみにその人の親は、私のことを「クラブで一番人相が悪い、アブナイ人」と認識しているらしいです。そんな話を聞くたびに、イケメンで「とりあえずかっこいい」と言われるようなルックスであればよかったのにな、と思います。


8/4(土)

 昔フルタイムに練習していたころ、どんなに疲れていても練習の格好に着替えると、明らかに疲労の一部がすっと消えました。今でも、仕事が無いときに十分な空調と食事と睡眠をとって休むと、起きたときになぜか疲労が100倍増しています。これらの事例が示しているのは2つ。疲労は肉体そのもののダメージよりもアドレナリンの分泌量で決定されるということ。もう一つ、そのせいで案外サイレントオーバーワーカーになっている危険性があるということ。もしかして俺だけかな。

 堀田さんと天理高校の溝内さんが久しぶりに参加しましたので、今日はそっちを中心に。堀田さんは谷岡さんと同じメニューで始めましたが、腰が痛いとかで、肩甲骨周りの補強とできる範囲で背筋補強に切り替えです。去年の私といい、今年の秋田コーチといい、夏の暑さが厳しくなると腰痛を訴える人が出てくるのはなぜなんでしょうか。世間的には「冷房に浸ってるから」という答えが返ってきそうですが、違うと思います。ちなみに、今年の私は先週から左手の小指・薬指がしびれています。思い当たることは何もありませんが、いつ四肢に不具合が出てもおかしくない状態であることに変わりは無いので、深く考えてません。

 溝内さんは腰痛が完治したわけではありません。今の、体幹を後方からしならせつつ投げる持ち味を崩したくないので、腰だけでしならせるイメージだけをどうにかしようとおもいます。まぁ、重心を落として後方の右脚から動きを始動させるように指導しただけです。あまりこれまでと違ったことはしてませんが、右脚の負担を増やしてます。最初、単に地面を平行移動させて、リリース後のリバースを一歩積極的に踏み出すような突き刺しをさせてみたら、堀田さん曰く「手投げだわ」な投げになってしまうので、砲丸投げみたいに後ろに重心をかけつつ投げる角度を高く構えた姿勢で、右足から始動させ、体幹を大きく前に倒して、やりは空中で半円を描くように飛び、やりの尻が向こう側に行くようにさせる、ってなことをさせてみました。あくまでも力の加え方の矯正が目的の練習です。右膝・右脚が疲れるようだったら正解。

 個人の持っている身体能力のバランスは、驚くほど人それぞれに異なります。溝内さんは相対的に脚筋力が弱く、投げるときに体幹のみ(腰周辺だけ)に依存しているので、こんな極端な練習になります。本当のところを言うと、長所を伸ばすような方向で行きたいのですが、その長所が破綻している場合(溝内さんの場合は腰を痛めて体幹のしなりと倒しが使えなくなっている)、破綻の原因となった短所をいじらざるを得ません。

 ライナーで直線的な投げをしていた私が、現役末期に体幹の倒しを導入したのとは逆の流れです。溝内さんの試みはうまくいくのでしょうか。

 で、自分で練習を組むからって言うんで、教えたこと。

投、専門的補強(メディシンボール)、走、跳、WTをメインメニューとし、それをさらに投+専門的補強、走+WTの2グループに大別する(練習の専門性は前者が後者より大きくなる)。週6日の練習で、それらを3日ずつ配置。3日サイクルで1日練習量を増やす日を設け、そこに跳を追加。W-up、補強は当然毎日。補強は毎日できるメニューにするのが、飽きないコツ。事前に決めるのはここまで。具体的な練習メニューは体調やスケジュールに柔軟に対応できるように、あまりがっちり決めない。練習に飽きてしまわないのが第一で、飽きてしまうようだったら最初のメインメニューの組み合わせも変える。こんな感じが、「自分で」練習を考える秘訣でしょうか。強制する者が誰もいなくて、なおかつハードな練習をしようと思うなら・・・参考になればいいな。

 投げ込んでるわけでもないのに、体重が激増しているわけでもないのに、背中が再び張ってきました。脇の下の張りが戻ったら万全なんですがね。試合に出るのが怖いです。


8/2(木)

 夏の夜の恐怖。

 先日深夜2時に、サイドブレーキとフロアの隙間にクルマのキーを落とした。だめもとで隙間に指を突っ込むと、わずかな手ごたえを感じる。「このつながりを失ってしまうと、一生逢えない」という、5年前の身を焦がす想いを思い出しながら、そのときと同じ集中力でキーを拾い上げた。拾い上げた後、5年前と同じように「もう絶対離さない」と強く思った。5年たった今、手の中には車のキーしかないわけだな。何でそんなことを思い出しながら拾う羽目になったのだろう。きっとそれが夏の丑三つ時の恐怖。

 須河さんと和田君がそれぞれ動きがよくて、おのおの明らかに動きが変わったところが見受けられます。2人とも、動きがどのように変わったのかという自覚は無く、イメージの修正くらいにしか感じてなかったようです。須河さんは左腕の新しい使い方でさらに工夫を加え、コンパクトにまとめた印象を受けます。和田君はリリース時における身体の「Cカーブ」ができています。

 意図して生じる動きの形と、結果として生じる動きの形は、見た目が同じでも意味が全く違います。結果として生じる動きは、指導者が決して一番最初に教えてはいけないことであり、学習者は意識の表面にとどめておくのもはばかられる類のものだと思います。自分以外の何者かに導かれるように現れる。そういうものでなくてはならないと。

 西川君と三橋さんが跳躍練習をしています。、と書きたくなったので書きました。終わり。


7/31(火)

 今日終わるはずだった仕事が、自分のミスで木曜に持ち越しになって鬱陶しいです。帰宅すると、2ヶ月分滞っていた国民年金の支払い催促があって本当に鬱陶しいです。

 いっぱい来ました。中・高・大生レギュラーフルメンバーです。来ていない"こもち"田中君は投擲にはカウントされてません。円盤・砲丸・やりに分かれて、丹羽コーチがSサイズのポロシャツを着て見ています。学校の練習みたいです。

 私がフルタイムでの練習をやめたのが'99年2月。完全にやめたのが'02年12月。どうしよう、今の練習で飛ぶわけない。


7/28(土)

 1週間に3回、徹夜をしてもいいことはありません。今日が何曜日なのか、本当にわからないのです。

 須河さんが、たっぷりある時間を利用して、新しいことに挑戦しようとしています。大変なことになっています。すごく繊細なレベルの問題で、そこは本人もわかっています。第三者が口を出すべきではない次元です。技術の確認は、丹羽コーチとしっかり詰めておいてください。

 和田君がわずかな時間でアップもそこそこに投げたら絶好調でした。ゆっくりアップをしても良いわけじゃない好例です。個人的には、負荷の少ないアップを時間をかけてすることには共感できません。

 私が中学生の練習から距離をおくようにしたのは、各コーチが各々別のことを言うことの弊害を避けるためですが、実はほかの会員様からも同様のことを指摘されております。いろんな意見が存在することは別に悪いことではないと思うのですが、教わる側にそれらを別々に賞味する余裕が無ければ、厳しいものがあります。教える側は、自分の言ってることこそが基本であると信じてますからね。万人に受け入れられないものはもはや基本じゃないんですけど。だから、不器用に、一途に指導者の言うことを一心不乱に聞いて信じるような人は、何がなんだかわからなくなると思います。逆に、とりあえず器用に、どんな人の言うことも無難にこなすような人は、指導者側から見れば、教え甲斐の無い人です。一番周囲に波風立たせずに、誰の顔もつぶさずに、穏便に済ませようとするには、「誰の言うことも素直に聞く振りをする」ということになります。それが好ましいことかどうかは、評価の分かれるところです。そもそも、そこまで自分をしっかり持っている人が、ちょっとしたアドバイス以上の指導を必要としているのか、という疑問にもなりますが。

 他の指導者に接する機会のある人、練習中に他の指導者に口出しされる人、いろいろあるとはおもいますが、最優先すべきことは「自滅しない」ことです。人の言うことにも優先順位をつける。順位に迷いが生じたとき、そんなときこそ第三者の出番です。そんな人に相談しましょう。今の私の立場がまさにそれで、調整者を控えめながらつとめさせております。どんなことを考えているか、どんな感じになっているか、ただ話す。練習に対する戸惑い、不安をただ話す。そういう相手として。私のも自分の考え・好みはあります。それと折り合いをつけるのは結構至難の業ですけどね。ここ数日、中学生にはやり投げの投げ方で、それぞれの技術の特徴と指導方法の方向性の話を少ししました。どの投げ方も「完全には」否定も肯定もしてません。そこんところよろしく、谷岡さん、須河さん。


7/24(火)

 いやぁ、やり投げ楽しいっすわ。突き刺し楽しい。疲労が残っていても練習に来る須河さん。夏休みになって練習時間が少し増えた和田君。ひたすら褒め倒してもリアクションの薄い中学生に悩む"こもち"田中秋田コーチ丹羽コーチまで、なぜか砲丸を投げています。"こもち"田中はこけています。楽しそうです。いつもと同じ谷岡さん。密かに何かをつかんだようです。ジュニアオリンピックに向けて、クラブ内での熾烈な争いに一番恐れおののいているのはこの人かもしれません。

 今日練習に見えなかった2人が、今日はどのように過ごしているのか、少し気になります。


7/23(月)

 空が澄み渡っています。上弦の月の程よい明るさで、星もよく見えます。

 コーチを代表してではなく、個人的な意思表示です。全国出場が決まった人、おめでとうございます。それはあなたの力です。喜びはあなただけのものです。何もしていないのに感謝することを強要する説経臭い連中は無視して、本当に力になってくれた人に感謝し、次のことを考えてください。残念ながら全国への道が途絶えた人。具体的には2人。力になれず申し訳ありませんでした。

 おそらく今、「孤独」という言葉の意味を噛み締めているときかもしれません。立場は違えど、私も自らの無力感を独りで噛み締めることにします。


7/21(土)

 精神的余裕は3人とも全く無い。誰も平静ではありません。でも自覚してりゃ良しとしましょう。さらに、それが自分だけではないことにも気づいていたらさらに良し。どこまで対処できてどこから対処できないかをわかっていたらさらに良し。後は刻一刻と過ぎる時間の重みと戦ってください。およそ後48時間です。

 近畿はこの際考えない。


7/19(木)

 午前2時を過ぎると、どんな天気でも連日とても涼しいんだよ。

 通信陸上前から当日、そして今日に至るまで、徐々に中学生のテンションが張り詰めてきて、言動が明らかにハイになっています。台風が上陸する前にハイになってそのまま持続している感じです。誰も自分で気付いてないと思いますが。体力、メンタル面での不安はこの際無視。そのハイテンションで乗り切る。

 技術の修正は、金曜に練習する者は金曜に。ポテンシャルは3人とも12m50なんてものではありません。男子と比べて脚筋力・スピードがない中学女子でも、立ち投げで11m半ばを投げる者が 12m50を投げられないわけがない。


7/8(日)

 連絡が間に合わなかったのか、須河さんだけです。あまり無理をせず、そこそこに練習を終えます。今週はどのように練習するかを、多分火曜に決めます。後はコンディションが悪くならないことを祈るだけです。

 3人とも一発で超えてくれると万々歳なんですが。

 余裕のある人は自分も他人も客観的に見ることができて、余裕のない人は自分も他人も見えていないものなのか、と、ちょっとしたことで思いました。どちらかだけというのは、案外ないもんだと。

 早々に夏バテしそうです。どうしたものかな。今月無事に過ごせるのだろうか。ところで私は、鰻がこの世の食べ物で一番嫌いです。カラオケと同じくらい嫌いです。何が旨いのかさっぱりわかりません。そもそも照り焼き系はどれも好きではありませんが、食えないことはない。でも鰻はだめです。負の要素がすべて詰まっています。アナゴは大丈夫ですから、素材・調理法その他すべての見事なコラボで、こんなもん食えるかナンバー1 に君臨してるのだと思います。何でこんなこと書いてるのかというと、「スタミナ」という概念が未だに全くわからないのです。夏の滋養強壮といえば鰻。そこら辺に問題を解く鍵でもあるのだろうか。誰かわかりますか?


7/7(土)

 やっぱり運動中に水を飲みすぎるのはよくない、という研究結果が「SportsMedicine誌」で発表されました。雑誌名、合ってるのか。まあ、メジャーどころです。5日にも少し触れましたが、利に敏いアメリカスポーツ"科学"界がどのように反応し、アメリカに感化されすぎている日本がどれだけ過剰反応するか、ホント楽しみですね。

 さて、中学生はおのおの不安要素があるようです。気楽なのは全日中に何の関係もない谷岡さんだけです。正念場です。


7/5(木)

 中学生くらいの時期には、一般的な『常識』を学校や塾以外で覚えます。知らないことがあっても当然。そういうとこまで学校や塾に期待するのは、天井の低い日本の教育を過信しすぎだよ。

 一般に、感情の起伏が少ない者、感情を表に出さない者は、それだけで「落ち着いている」と評価されます。その逆の者は、「落ち着きがない」だけでなく、「精神が弱い」と言われがちです。嘘八百です。気にしないようにしましょう。逆手に取るなら、騒がしい人が少し黙るだけで「精神的に成長したな」などと褒められることもある、ということです。そんなもんです。

 メンタル強化とは、一言で言ってしまえば「思い込み」です。自分が望む他人になりきる。自分を脇から客観的に眺める第三者にもならない。普段はそんな自分が頭の中にもう一人いるくらいがちょうどいいんですけど、その存在を自由自在に消せるくらいにはしたい。「考えずに感じる」、つまりそれは世間で流布しているところの「右脳優位」な状態になることで、だったら、頭の中で言語で考えている存在も邪魔になるはずです(言語は左脳が司ると考えられているから)。頭の中でさえも、言語を遠ざける。空を見て「青い」という言葉が浮かんでもダメ。水に触れて「冷たい」という言葉が浮かんだ時点でダメ。”感覚”のままとどめておく。言葉を消すことは無理だと思うので「目をそむける」というか。これは訓練がいる、と思います。

 運動の場面での具体例を考えると、動作を全て「反射」にしてしまう。考える自分を一時だけ捨てて、後は体がどれだけ覚えているかに賭ける。運動を日常的にしている人は、案外当たり前にしている人が多いようには思います。では、どうやってそんな境地に行くのか?「思い込み」以外にありませんね。

 ところで、そんな類の話をさも重大な発見みたいに、固有名詞までつけて発表している輩がいます。ZONEとか言って(栄養学のZONE理論とは別ですし、その昔『TRICK』で佐野史郎が叫んでいた言葉でもないです、念のため)。間違っているわけではないが、今さらな話を寄せ集めて再構築したつもりになって、「理論」と名付ける図々しさが私は大嫌いです。こういうのも似非科学と言ってよいと思います。ほぼ同様の理由で、○フェトン理論も認めません。あれはただのプログラムだ。何かと商売に結び付けたがるアメリカ人のスポーツ”科学”に対する不満は、そのうちまとめてぶちまけます。

 以上の話は、今日の練習中の会話に対する返答です。今日も中学生はいつもの3人が元気です。+谷岡さんも元気、でしょう。ここでの練習は週3回しかないので、その日の出来に一喜一憂してもしすぎることはないです。ガンガン攻めていきましょう。

 で、日曜日「私は試合になど出ていなかった」と思い込む。


7/3(火)

 やり投げの投げ時の左脚を「突っ張り型」と「引っかき型」に分類した研究がありまして、結構市民権を得ているようですが、個人的にはいまいちしっくり来ないものがあります。その原因は、ここで用いられている「突っ張り」と「引っかき」という言葉で、イメージがあらかじめ与えられてしまう、ということにあると思います。言語が認識に逆に作用して、認識を限定させてしまう。そのあたりを解明したくて、言語学を結構マジで独学しました。それでも豪華な雑学レベルですが。そこら辺はまたの機会に述べるとして、私が考えている左脚の使い方がどのようなものなのか、どのように思い込んでいたのか、「突っ張り」と「引っかき」との関わりはどのようなものだったのか、その辺でここ数日、発見がありました。いやぁ、怪我の功名って、こういうことを言うんですね・・・って、痛えんだよ、まだ右足首がよぅ。6時間単位で劇的に症状が変わって、ホント人間の体って不思議・・・って、要するに、まだ痛みが取れないところがあるんだよぅ。鬱陶しくって仕方ない。試合の結果?誰が教えてやるものか。今が江戸時代で自分が武士だったら、有無を言わず切腹ものだ。

 中学生は試合はいまいちのようでしたが、今日は須河三橋東浦三者とも見違えるほど好調です。和田君も元気です。

 しないでおこうと思っていた個人向けのメッセージですが、三橋さんにひとつだけ。「全日中に本当に行けるだろうか」と「なぜ自分が須河さんや東浦さんよりも話題の中心にされているのか」に対する答え。自分が投げている映像を、半年前と今とで見比べてください。投げの技術だけでなく、自分自身の外見も。思い出せるなら、自分がどんな指導をされていたかも。どんなことを考えて練習していたかも。赤の他人に過ぎない我々の驚きと期待が想像できるはずです。


6/30(土)

 右足首が象のように腫れている。痛いとかどうでもよくなって、純粋に好奇心が涌く。足首を冷やして二晩ほぼ徹夜になってます。夜は涼しいです。この時期、涼しい時間帯に如何に快適に眠れるかが、夏バテを回避する鍵だと思います。

 かなり大雑把な話をします。レベルの高い集団にいて得することは何かと言うと、「謙虚になれる」ということです。自分を高めることは、極論を言うと、一人でも出来ます。しかし、高いレベルの場所にいる(競争が激しいという意味ではない)と、「自分がしてきたこと、考えたことは、過去にも誰かが通過してきている」という当たり前の事実に、頼んでもないのに常に直面します。その事実に打ちのめされ、幻滅し、個性とか独自性とかいう幻想から醒めてしまい、落ち込んで嫌になるのは勝手です。でもいずれ、普遍性という道に自分がいて、今いる位置から歴史性の存在に気付く。自分の前には険しいながらも既に道があって、一筋の光までさしていることにも気付く。それから改めて思い知らされる。世界は曼荼羅のごとく細部まで極彩色に満ちている。自分独りでどこまで見ることが出来るのかわからないくらいに。その世界に向けて一歩踏み出す。自分が何者であるかという自己主張ではなく、人類の叡智に対する感謝にも似た一歩として。だから、足を進めるなら、常に上を目指せと私は言いたいです。謙虚に、素直に人生に感謝できますから。ただし、足を進めるのをやめた途端、激しい後悔に襲われます。最初から足を進めないことを後悔するのと、どちらがいいですか?

 中学生は、この話から何かつかんでください。

 で、明日、中学生二人が試合に出ます。二人ともコンディションはよくなさそうですが、そういう状況下を想定した練習、というつもりで。よく寝ましょう。私は別の試合で、専門でも何でもない種目に、生涯3度目か4度目の出場をします。ちなみに過去の出場は全て人生の汚点です。汚点追加。恥の上塗り。右足首が絶対に運動してはいけないような色をしています。


6/28(木)

 少年チャンピオン連載中の『刃牙』ネタが通用するのは、秋田栗原両コーチだけです。オリバのモデルは1967年のミスターオリンピア、上腕54.6cmの「伝説の腕」ことセルジオ・オリバーであると知ってる私に、誰かついて来い。

 やり投げ馬鹿一代の私の目にとまったのは、どうも見覚えのある女性。むこうは私を知ってるはずもありません。奈良から埼玉の高校に進学し、愛知県の大学に進んだ有名選手でした。いつの間にか子持ちだ。

 少しくらい砲丸投げの準備をしようと思いましたが、投げ方がどうもわかりません。3投ノーグライドで投げたらこけました。もともと下肢のアライメントがずれ気味である上に、左右方向の体重移動で足を「崩していく」(つま先方向だけに蹴らない、母指球で回転することを強調しない・・・)技術を試みて見事に未完成なまま現役を退いた私は、とりあえずよくこけます。大怪我しないように、大袈裟にこけて、今は熱を持って腫れてます。右足の甲が。どうやってこけたのでしょう。土曜日も斜面でクロスをして左下腿がつってまだ痛い。もうだめだ、日曜日は。

 「その場に居つくのではなく、こけてしまうくらい体を預ける」気軽にそんな指導をしてはいけないのだろうか。


6/26(火)

 やりピットのトラック縁石は外れたままでした。いいのかそれで。

 心身ともぼろぼろです。土曜の夜からです。どうしたらいいのかわかりません。今日は完全に自分の練習だけでしたが、練習になりません。

 参加していた須河さん、東浦さん、和田君は、動き自体はいい感じだったようです。でも須河さんはテストを機に、今週は少し休養をとります。木曜は誰もいないかもしれません。

 宮井さんとやり投げについて話す機会がありました。有名な名前、少し懐かしい名前が出てきて、やり投げファンには楽しい時間でした。技術についての話も面白かったです。某大学の新しい施設については、私も一緒に拝見できれば、と思います。


6/23(土)

 男子円盤で61m53の高校記録が出ました。全米選手権の男子100mで9.84(-0.5)が出ました。だがそれよりも、全米選手権男子やりで、Breaux Greerが91m29出してるのが驚きだ。よりによってGreerだぞ。90m越えだぞ。この驚きを共感できる者が日本に何人いるのだろうか。

 参加者はバリエーション豊かで、中学生は最近自分でいろいろ考えたり、家でもいろんなことしてみたり、なかなか活気にあふれています。自分では気付いてないだろうが、中学生は体が大きくなり、締まってきています。それを指摘した西川君も例外ではありません。しかしまあ、半年や1年で、この世代は当たり前のように精神的にも成長します。学校の先生はそういうのがたまらんのでしょう。でも、成長ホルモンの分泌を促すために、夜はよく寝てください。

 いつもこちらの臓腑をえぐるようなコメントを投げかけてくる堀田さんが、今日も痛いところを突いてきました。内容は、これまでのも今回のも、書けません。今回ので一つだけ書けそうなこと。私は、「自分が」練習するときに、一緒に練習している者も含め、他人と関わるのは基本的に嫌いです。

 やりピットのトラック縁石を外して、元に戻すのを忘れました。


6/21(木)

 適当に書くことにしますが、これまでにないマニアックなものにします。

 小中学生は、陸上競技を始めるにあたって、「これが陸上競技だ」という、雰囲気なり世界観なりを、練習から得るのだと思います。具体的には、「陸上競技はこんなアップをするものだ」とか、「こういう順番で練習をするものだ」とか。「これくらい疲れていても陸上競技ではがんばらなければならない」とか、「これくらい疲れたら陸上競技では休んだ方がいいようだ」とか。最初はそれが新鮮で、自分が陸上競技に染まっていくことに、何か素人から脱却していく自分、みたいな喜びがあったりして。「こんなの、まだまだ走ったうちにも入らない」なんて言う自分が嬉しくて。

 ある程度の規範をただ上から無条件に提示し、それに従うことを要求する。これは、伝統芸能とか古武術とかの習得に見られる仕組みです。技術習得というものが単なる動作の継承にとどまらず、技術を取り巻く世界観や雰囲気、一言で言うところの「伝統」をも身に着けないことには始まらないことを表す事例です。

 この「伝統」、こいつが影響する範囲は多岐にわたります。「陸上競技」という伝統。「関西の陸上競技」という伝統。「○○高校」という伝統・・・それまで生きてきた自分の身体に刻まれた伝統。大抵は、超自我であるとかメタ認識であるとか、普段意識して考えないところにそいつは潜んでいます。

 でも残念ながら陸上競技は、技をひたすら守る伝統芸能ではないのですね。古武術のように、「生き残っているうちは修行」なんて時代ではない状況下で、実戦もせず、人も殺めず、そんな矛盾の中で技を極める矛盾に浸るものでもない。何が言いたいのかと言いますと、自分の競技パフォーマンスのピークが見えてくるくらい続けると、今まで述べた数々の「伝統」、こいつらが実はかなり足かせになっていることに気付きます。で、先へ進むために、それらを自らの手で叩き壊すことを強いられるのです。一番安易な方向性は、「スポーツは楽しむことに意義がある」という考え方にシフトして、それまでの自分を部分否定しかしない、っていうものだと思います。悪いことではないですが。

 近年の古武術ブームや、「日本人に合った〜」とかいう理論が涌いて出てくるたびに、いろいろ考えてしまいます。南郷継正や初期の高岡英夫、甲野善紀に、自分の「伝統」を揺さぶられ続けた自分には、最近の流行はどうも納得できないものがあります。これくらいでやめときましょう。

 ちなみに、上に述べたようなことは、認知心理学の分野で学べます。大学によって学部が異なると思いますが。そういうことを真剣に考えたかったから、大阪の某大学を1週間で辞めて、北関東のハイテク大学を受験しなおしたのは、他ならぬ私。


6/19(火)

 痛みに鈍感と言うか、我慢強いと言うか、思わぬところでタフな人間がいます。そういう人間は、足の指を骨折していても3日間普通に走り続けたり、膝の内側側副靱帯と後十字靱帯を切っても脂汗をかきながらジャンプ練習したりします。いつの間にか肺炎になっていたり、知らないうちに鼻が曲がっていたり、体調が悪くて病院に行ったら謎の食中毒で、いきなり点滴を1リットルされたり。大概、周りの者が先に心配になります。本人は事の重大さに気付かないのです。

 打撲は、痛めている深部を活性化させるために、0℃前後の氷水で時間をかけて冷やしたほうがいいです。体表を急激に冷やしても、深いところの患部の炎症にまで作用しないことが多いですから。脛に痣が残るのは、女性にはちょっとかわいそうです。早く治したいですね。風呂につけるのはもっといけません。痛みがあるうちは厳禁です。

 どうか耳を傾けてくれますように。


6/14(木)

 情報過多による混乱を防ぐべく、練習中に何もしない、言わないことを選択したわけですが、何もすることがありません。できることも思いつきません。

 私は何をしに来てるんでしょう。辞めるというのも選択肢なんでしょうかね。

 須河さん、三橋さん、東浦さん。

 嫌々競技を続けている奴に、「試合に出られない者の気持ちを考えたことがあるのか」などと説教するのはありがちなシチュエーションですが、今の私にはそんなこと絶対に言えません。嫌なものは嫌。今ならわかるその気持ち。はっきり言っておく。今練習しているのは、8月の国体選考に備えてだ。結果がどうとかいうんじゃない。出たいのはそっちだけだからだ。


6/12(火)

 練習中に話題になったのは、ビリーズブートキャンプ。

 奈良市中学総体の結果はリンクから参照のこと。そこそこ良い結果が出ています。今年はラニャーニャの影響で梅雨も短く猛暑になる予報が出ているので、6月は心置きなく練習してください。

 須河さん、三橋さん、東浦さん、谷岡さん、宮井氏。

 私の練習中の雰囲気は昔からあんなものです。


6/9(土)

 須河さん、三橋さん、東浦さん、宮井氏、野村夫人

 和田君11m24。


6/7(木)

 須河さん、三橋さん、東浦さん、谷岡さん。

 自分の練習を始めました。砲丸投げの準備などでは天地神明に誓ってありません。


6/5(火)

 前回を最後に、自分の考える陸上競技を語るのはもうやめようと思います。中学生には練習中に指示も出しませんし、ここでもコメントしません。雨の日や外周での練習も考えません。怪我をしたときの対処法も教えません。その理由は、私の陸上競技に対する考え方がどうしても現れてしまうからです。

 一般の方や、たまに来る高校生には、これまで通りの対処をすると思います。でも練習内容はここでは一切述べません。練習中の質問には答える努力をしますが、ここではその内容を明かしません。

 一部のご愛読、ありがとうございました。

 参加者は須河さん、東浦さん、西川君、谷岡さん、宮井氏。今後、この程度の更新しかしません。


6/2(土)

 前回の話の続きをします。長くなりますが書きます。でも誰が読むのか。

 単純なモデルを作って、それを目標に一途に邁進する、ってのは、飲み込みの早い、デキる奴の練習方法だと思うのですね。だが実際は、思惑に反して目標に向かって一直線には進まない。また、同じ環境で同じことをしている者が他にもいるのに、各々で結果は微妙に異なって現れる。それを努力だとか根性だとかで片付けるのは、言葉を使う状況を間違ってるだろ、と思います。ですから、壁にぶつかったとき、そこで一休みしてから体当たりを繰り返す、のではなく、少しアプローチを変えてみる。迂回してみるとか、飛び越えるために少し準備してみるとか。ここで重要なのは、その「少し変えたアプローチ」が、遠回りな、無駄な、間違った方法に見えることもある、っていうことです。

 実例を挙げてみましょうか。谷岡さんがやりを始めたのは去年。肩の柔軟性がないので、やりを構えて前に投げることそのものが大変でした。そこで、腕を頭上に構えた状態から、腕を下に振り下ろすだけから始めました。慣れてきたら、後ろで構えて耳の横でやりを固定して投げる方法に変えました。前に力を加えられるようにするために、メディシンボールは2kgで、前に力を加えるメニューで与えられました。すると肩がとてつもなく痛くなりました。休んでもいまいちです。で、メディシンボールを1kgにして、しなる動作で上に力を加える方法を教えました。後傾を大きくして斜め上に投げ上げる、というのもしています。今、肩の痛みはかなり治まりましたが、投げると上にぬける傾向があるそうで。だからまた前に力を加えて投げています。

 私が直接メニューを出したのは「腕を下に振り下ろす投げ」と「しなる動作で上に抜ける投げ」です。これには狙いがあります。慣れて上手く出来るようになったら、既に教わっていること(耳の横でやりを構えるとか、前に力を加えるとか)が質的に異なったものとして出来るようになる、はず。最初からやりを「正しい」位置で構えて、肩を入れて腕を残して、「前に力を加えよ」と言われて、できりゃ何の苦労もないんですよ。出来ないから、今出来ないことの準備を、あえて抜き出して強調してみるんですね。だから、それは「正しい動き」を分解写真のごとく抜き出したものにはならない。「してみたい動き」の意味を強調した、としか言いようのないものになるんです。分習法って、本来こういうものだと思います。武術の型の習得も、そういうものだと思います。型なんかいくら覚えても実戦では役に立たない。それは型の動きを実戦で実際にする、までしかしていないから。型に込められた意味を実戦で自由に使いこなせていないから。

 三橋さんの投げの構えのスタンスにも触れておきましょう。須河さんと違うことに本人が映像で気付いた。さあどうする?スタンスを広くする指導はされている。でも現実問題、目の前に自分よりも広いスタンスを取って、遠くまで投げる者がいる。今すぐまねをしてみるか、それとも、いまできることで現在の差を埋めるかもしれないことを試してみるか。同時進行でやってみる価値はあると思うんですよ。その中には、直接「スタンスを広げる」努力をするよりも、「〜なことを試していたら、スタンスがいつの間にか広がっていた」みたいなこともあるかもしれない。私は、その可能性があるものとして、「グライドのスピードを上げること」と「左脚の回外」を挙げます。前者は、右足で地面を蹴りながらスタンスを広げていくのではなく、右足が接地したとき、左足をストンと地面に落としたら既に広いスタンスが完成している、という風にしたいからです。後者は、両足で地面に力を加えるためには、さらに、股関節を柔軟に、絞るように使うためには、必須だと思うのです。ここで須河さんの真似をするという選択肢もあるが、そうすると三橋さんは須河さんとの違いを実感しつつ、後を追うことになりますね。そこで前回の話につながります。「いつも負ける」という経験を積み重ねる。それは嫌だろう?まあ、実際その点では負けているのかもしれないが。だから、違ったアプローチを示してみた。すぐできそうなこととして、グライドを目いっぱい速く大きく。そんな按配なのですね。

 谷岡さんがそんなことを質問しに来ました。話したらそれなりに納得。私はしばしばこんな指導をします。少し遠回りなやり方で、気付いたら他のところに効果が出ていた、というようなことを狙う。こういうことはあらかじめ一から言っておいた方がいいのだろうか?和田君曰く、「その方がわかりやすいですね。」谷岡さん曰く、「言われないとわからない。」そうかい。確かに今までほとんど事前に言った事ないからな。

 今日見えたのは和田君と堀田さん。和田君は試合1週間前です。まさに体を振り絞る状態。よく練習してますね。後はいつ疲労を抜くタイミングに入るか。堀田さんは、頭が痛いそうです。我々中年は、「頭が痛い」と風邪以外の心配もしなければいけません。ところで堀田さんのやりも、さまざまな狙いを込めた、マニアックな練習メニューばかりです。次からは走る量を増やして、スピード豊かな投げを取り戻そうと思います。今日はその初日。

 中・高生の試合結果はまた改めて。


5/31(木)

 今の私がここで出来ることは、大きなサイクルでの調子の波、技術を習得するきっかけを予想して教えてあげることです。日々是成長、とか何とか言って、常に右上がりに成長していくつもりで毎日を過ごすのは、攻めの姿勢でいいとは思うのですが、現状の自分をあまりにも過小評価して、高い理想を掲げ続けると、ある落とし穴にはまる。それは何か。毎日毎日、負ける経験を積み重ねる、ということです。そしてほぼ間違いなく、敗北に慣れる。失敗し、「今日も自分はだめだった」と思うことが普通になる。うまくいってしまう自分が不安になる。断言しましょう。そうなってしまったら、無意識に最後の最後で失敗して悲劇の主人公になることを選ぶようになる。案外周りに普通にいませんか、そんな人?自分じゃわからないです。しかし、傍観者の目線で見ると、その人の必死さとは裏腹に、滑稽なまでに哀れに見えます。だから、そんな傍観者が大事だと私は思います。競技においては、自分と競争相手以外の誰か。私に与えられている役割は、おそらくそれなのでしょう。

 メニューA。須河さん、三橋さん、東浦さん、和田君。宮井さん走ってます。谷岡さんは1kgメディシンボール壁メニューのみ。悲観するような要素は特にありません。須河さんは普通に今日も修正三昧。東浦さんは自分で気付いているでしょうか、グライドが、と言うよりは全身の動きがすごくとろいです。多分病み上がりだからです。そういう時は、今一番動くところに調子を合わせて、全体のバランスをあえて崩す。そうしないと、動かない今の自分がデフォルトになってしまうから。今の体調に合わせてはいけないのです。そのうち体調も上向きになって気にもならなくなるでしょうけど。和田君は今追い込んでいるのでしょう、途中で力尽きました。三橋さんはもともと脚筋力が須河さんより強いわけではないので、投げるときの両足のスタンスは須河さんより狭めです。投げるときの右足→左足接地のタイミングも遅れる傾向にあったので、スタンスを広げるよりも接地のタイミングを早くすることが主眼に置かれていました。つまり、グライドするスペースは須河さんよりもあります。今の須河さんのグライドは上体を起こさないことに主眼が置かれていて、そのために左脚を大きく高く振り出すようにしています。そのせいかどうかは知りませんが、須河さんはサークル中央までグライドするのに結構苦労しています。三橋さんはかなり余裕を持ってグライドが出来るはずです。さらに、左足接地で上手く左脚が回外できたら、高い重心でスピードで持っていくタイプの投げが完成する、と思うのです。

 土曜日はどうしようかと思ってましたが、私が見に行くことを中学生が望んでいないようなので、行きません。練習だけです。冒頭にも述べましたが、私の役割はそこにはないようです。今後、通信陸上、全日中も含め、見に行くことはしない方向で考えていきます。


5/29(火)

 食欲もあるし、体温も特に変わりないのですが、変な咳が出て苦しい。しんどい。頭も痛い。力も出ない。何でしょうこれは。ここ3日くらいそんな感じです。人生初めての経験。いや、ほんとにね、すごくしんどいんです。眠いんだが寝ても疲れが全然取れないし。風邪薬も頭痛薬もほとんど効かないし。

 須河さん、三橋さん。誰がどういう理由でいないのかさっぱりわからない。須河さんは昨日も練習しています。内容を訊くのを忘れた。三橋さんはおなかが痛くなってます。病院に行ったほうがいいです。心配だから。それが余計なお世話だったら「試合のときのおなかが痛くなったら悔やみきれないだろ?」と言っておきましょう。でも行きたくない気持ちはわかります。どう冷静に考えても、今一番病院に行った方がいいのは他ならぬ私。でも行かない。なぜか?さまざまな理由を一言で言い表すなら、

「どうでもいいから」。

 この話は置いといて、メニューC。

 須河さんは、「右肩を上げよ」という丹羽コーチの指示で突き出しがスムーズになり、「グライド時に蹴りだす左脚を高く」、という指示で力の流れが一直線になってます。「日曜にあんなに苦労したのに・・・」と本人は不満そうですが、今回の不調は体が動くようになると自然に消える程度のものでしょう。ただし、左脚に注意が向いているとグライド時に左腕を使うのを忘れ、右肩に注意を向けるとやはり投げのときに左腕を使うのを忘れます。結果、リバースをつけると全部忘れて大変。苦労は尽きない。三橋さんは11m30。おなかが痛くなければもっといっていたと思います。この人もそろそろ左大腿の回外を利用した投げをしていかないといけない段階にあります。グライドが終わった時点で「左つま先は斜め後ろを向いているが、右つま先は投擲方向を向いている」いわゆる丹羽コーチの教える投げです。左脚は突っ張るのではなく、股割りのように膝を少し抜いて、重心を大きく投擲方向に平行移動させながら左足に乗って、で、リバース。これが無意識に自然に出来るほど、彼女は股関節が柔らかくはありません(そんな人は滅多にいない)。が、意識すれば出来るレベルにいる・・・のではないか。そろそろ12mいくかもしれない根拠の一つです。根拠と言うより予想。

 体調が悪くてもハイテンションに楽しく(?)練習するのは一種の才能なのかと思いました(俺には絶対できねぇ)。断っておきますが、2人ともです。須河さんは日曜のどん底をそれなりにブーたれながらこなしてましたし(ぼろぼろだったのは私)、三橋さんは言わずもがなの今日の練習。可能性は、意外なところで目にするものです。前回述べましたように、須河さんは欠点を克服する度に全体のスケールがアップしていく感じなんですが、三橋さんはまだ開花してない蕾やらまだ葉の開かない芽やら開けたことのない引き出しやらがいっぱいある、そんな印象を受けます。褒めすぎかしら。


5/27(日)

 PCの熱暴走を防ぐべく冷却対策を始めて、夏の到来を予感する私。いいよ誰もついてこなくて。

26日(土)

 東浦さん、和田君、堀田さん、中森さん。谷岡さん後半。東浦さん病み上がり。6時半に帰りました。精一杯動いていたと思います。和田君は試行錯誤。悪い方向には行ってません。たまに突き出しが低く短く見えることがありますが、これは気にしない方がよさそうです。そこに意識が行ってしまうと悪くなってしまいそうだから。中森さんは中学用砲丸での開始です。久しぶりに砲丸経験者の動きを見たような気がします。中学生は、いくら現役でも「初心者」なんですよ。この感じ、わかります?堀田さんの練習はいつもその場で考えながらです。最近のテーマは「後ろに大きく残しつつ積極的に前へ移動」。1kgメディシンボールと軽いボールでの練習が主です。テーマ、練習メニューは谷岡さんともかぶります。ただし、堀田さんにこれまで導入しなかったのは体力面での不安、谷岡さんにこれまで導入しなかったのは技術面での不安からです。去年の堀田さんは走ってばかりでした。今は負荷が軽いとは言え、かなり専門的なものになっています。これで投げれたら。谷岡さんは動きがかなりいいです。この人の特徴を一言で説明すると「強い」。器用ではなく、出来ないことはかなり多いんですが、出来ることはとにかく強い。

27日(日)

 目を開けてられません。個人的に、すごくしんどいです。水ばかり飲んでます。須河さんと和田君。谷岡さん後半。もっと来ると聞いてたんですが。須河さんは体がなまってます。ちょっと絞り込む練習をしたら感覚は戻るでしょう。この人が極端に調子悪いとき、なぜか他の中学生がいません。和田君はいい感じです。6月は今度こそ普通に11mを大きく越えるでしょう。昨日と今日、彼にはきつめの補強メニューを与えました。横方向の動きと大腿回外、回内をさせるようなこと。動きの大きさを維持させる目的で。

 谷岡さんにもシャフトを担いでの股割り伸脚(この説明で通じるのか)をさせました。その後、膝リードでのシャフトを担いだツイスト。この人は下半身リードで上半身を動かすイメージが極端に薄い。少し不思議。須河さんの特徴は「丈夫」、もしくは「頑丈」。変に自分の身体を精密機械みたいにしていない。どこか欠点を修正するたびに、全てが一皮向けてスケールアップしていく感じ。なまじ競技力が上がると、感覚とかイメージとかが精緻になって、自分の身体を精密機械、あるいは人間国宝が作った伝統工芸品みたいに仕上げたがる人がいますが、それはだめだと思うのです。もろいと言うか、壊れやすいと言うか、競技人生の終焉と言うか。自己愛の裏返しにしか見えない。

 須河さんと谷岡さんは、共通点のない対極にいる2人に見えます。つい比較してみたくなります。どうしたらいいんだろうか、って、誰にも何のことだかわからないでしょうけど、そんな気分です。


5/24(木)

 誰もいません。宮井さんは自分で練習。掲示板に書き込んでいた中森さん(?)は今日初めてこちらにいらっしゃいました。谷岡さんは短距離の練習をある程度してから来ます。軽くWTなんぞしてみましょうか。3月以来でしょうか。スナッチが60kg、ベンチプレスが80kg。スクワットは腰痛全快ではないので、 30kg〜50kgでフルで骨盤の前傾と腰椎の湾曲を意識しながら。膝の調子もよくないし。・・・手抜きしすぎ。こんなの練習にならない。筋肉痛にさえならない。って言うか、WTって本当に面白くないし、楽しくない。効果が出るような負荷になるとただしんどい。

 谷岡さんは肩前面の痛みが取れません。肩甲骨周りを柔軟にして、腕の動き=肩甲骨の動きにしないと、いつまでたっても肩前面ばかりに負担がきます。そんなこんなで、メディシンボール1kg真上投げ、ベンチを利用した肩周りの柔軟2種目。まだまだ伸びシロがたくさんある人です。動きを大きくして須河さんを追い詰めましょうか。夏に35m投げて、年を越えて40m投げて。

 私は自分が出来てしまったこと、初めから簡単に出来ることには興味が涌きません。因果な性格です。苦労して叱られることを運命付けられているようなものです。人の上にも立てませんね。


5/22(火)

 さて関西インカレ報告。奈良教育大田中君は、10種でほぼ自己ベスト並に得点を重ね、ポールでも無得点に終わらず、彼にしてはまずまずの成績を残したのでした。投擲三種目は合格点です。15日に書いた記録にはどれも届いてませんが。そして単独種目でハードル(なぜ!?)と砲丸に出た彼は、予想に違わず風に吹き飛ばされて埃となって散っていったのでした。終わり。

 須河さん、三橋さん、和田君、谷岡さん。メニューA。今日も宮井さんが見えています。

 砲丸3人はどうも課題をつめ切れていない・・・という感じ。須河さんの突き出しは相変わらずだが、13m手前までは飛ぶ。和田君は後方に体重を残すように指摘される。三橋さんは今日も11m手前くらい。3月初頭に10mを越えるようになって、22日に10m60をファール。4月に11m手前まで飛ぶようになり、5月 11日に11m40。公認でも13日に11m突破。冷静に考えてみよう。記録は常に段階的に(直線的に、ではない)伸びる。5月の最終週前後、練習で12mを大きく越える日が来るはずだ。リバースをつけて公認でも12m台を残すだけの力をつけるのに必要な時間が6月。すると、7月に勝負をかけられる(中学生のみの話で進める)。これが、全日中に間に合うと考えている根拠。このタイムテーブルでもかなり余裕がある。仮に12m越えが少々遅れても、6月をいかに有効に使えるかが勝負、というわけだ。その点は、須河さんも東浦さんも変わらない。

 谷岡さんは今日も肩が痛いので、ボールのロングトスが中心のメニュー。1kgメディシンボールで壁相手のメニューと真上投げ。そのあとボールの片手真上投げからロングトス。1kgメディシンボール両手投げクロス付き。メニューの合間に1kgメディシンボールの両手振り下ろしと片手肩弾きをいれます。練習の組み立ては土曜の堀田さんのとほぼ同じです。リリースまでのやりの残しを大きくする方向で。しかしなんてわかりづらい言葉の羅列。試合がないのでまったりとした練習になってます。この緊張感の少なさは如何ともしがたい。須河さんの中2のときの練習の雰囲気を思い出させます。


5/19(土)

 17日に更新しなかったのは投擲だけである。そんな珍しいことが。

 17日は、須河さんと三橋さんだけ。2人とも、少し調子が下り坂に入ってます。三橋さんは体がやたら開く。須河さんは左腕の使い方に混乱。そろそろ来るとは思ってました。そのタイミングで、大崩れしないように工夫する。いかにして「休む」か。いい具合にテストがあるようなので、5月第4〜5週は少し落とし気味の練習でちょうどいいでしょう。しかし三橋さんは納得してません。

 18日は須河さん、三橋さん、谷岡さんが奈良教育大へ投げに行く。谷岡さんが投げる腕の使い方をいじりまくっています。いろんなところがしばらく痛むことになるでしょう。後の2人は疲れに行ったような有様です。須河さんの話を聞いていると、三橋さんはやっぱり全日中出場決定まで右上がりな上り調子を維持しないことには納得できない・・・ようです。

 19日(今日)は、須河さん、東浦さん、和田君、堀田さん。谷岡さんは1kgメディシンで後半。外周で練習を開始したので、コーンジャンプ2種類(いつものに加えて、幅を半分にして上方向のリバウンドを強調した1セットを追加)と、メディシンボール真上投げと、WTサーキット(ベンチプレスの代わりにフレンチプレス)をします。後は3人とも投げのイメージが良くないようなので最後まで投げ。堀田さんは、普通のボールでまずキャッチボール10本、遠投10本、45度以上の高い角度で投げるのを10本、真下に叩きつけるのを10本、またキャッチボール10本。1kgの円盤をてのひらに乗せて、そのまま投げの構えに入って、腰と肩を入れる練習。5回を5セット。上半身の補強2種類。名前が思い出せないのと、説明がまどろっこしいので書きません。どうってこたぁないメニューです。

 堀田さんは投げるのが上手いです。断言しましょう。奈良県でやり投げしてる女子高生相手なら、80%には技術でも飛距離でも勝てます。ただし、堀田さんのコンディションが良い時という制限はありますが。

 関西インカレを連日見に行ってます。おっさんなのでちょっとした同窓会状態です。でも関西学生陸上界には競技者として関わったことなど全くないんですけどね。私はインカレには出たことがありません。おそらく、どこのインカレも「陸上人生、これが最後だ」みたいな、ハイテンションな明るさでとても華やかなのだろうと思います。しかしその一方で、応援している連中の「人を差し置いて出場して、へらへら笑いながら下らねえ記録で負けて帰って来んじゃねえ、この能天気野郎」という言葉を押さえ込んだ緊張感。これぞインカレ。て言うか、そういう雰囲気を感じさせない楽しそうな応援は、むしろ痛い。やり投げを見てると、他の投擲種目に比べて、スタンドでやりの投げの姿勢をイミテーションしてたり、技術論議をしてる者をよく見かけるんですね。私がやり投げ経験者だからそう思うのでしょうけど。お前ら、なぜ今スタンドにいるんだ。そんなことをしていて、そんなことを話していて、恥ずかしくならないか?悔しくならないか?惨めにならないか?今ここにいるということは、同じ学校から出ている選手よりも、お前たちは間違いなく弱いんだろう?楽しいか?楽しいと言えるのは、出ている奴らだけの特権だとは思わないか?

 インカレ帰りの車中で全員無言になって、誰かが「今から少し練習しましょうか」と言う。私にとってインカレとはそんなイメージです。出場さえしていたら、私の競技人生は違ったものになったのでしょうか。

 関西インカレは奈良教育大田中君が10種で本当に奮闘しています。詳細を述べる機会はあるでしょうからそのときに。さらに明日、既に燃え尽きて真白な灰になった彼が、私とは長い付き合いになる同学年のおっさん選手と砲丸投げで対決します。灰は風で飛ばされて埃と化すかもしれません。お楽しみに。


5/15(火)

 日本全国津々浦々記録ラッシュ。

 身近なところは褒めよう。先に言っておく。おめでとう。三橋さん、11m突破。東浦さん、12m目前。須河さん、12m51。西川君、円盤42m&やり46m。

 思うところもいっぱいあるし、発見もたくさんある。各々の話も興味深いこと満載だ。特に須河さんの「発見」はなかなか。だが今日はその話はしない。なぜか?私が疲れているからです。頭の中のもやが晴れないからです。どうしたものでしょう。誰か助けてください。

 参加者は多く、須河さん、三橋さん、東浦さん、谷岡さん、和田君、田中君、宮井氏。宮井氏が一人で練習。谷岡さんはやり。残り砲丸。砲丸はいい感じでしょ。見ている限りは全員。大学生2人には、三橋さんが大化けしたように見えてるようです。その通りです。私は三橋さんの大化けのきっかけが県選手権の4kgでの経験と踏んでいるのですが、そう思ってるのは私だけかもしれません。

 谷岡さんのやりは、後傾と腕の残し、前への体重移動と大きな腕振り。ここら辺を一気にしようとして、身体前面の疲労がピークに達したのでした。キャッチボールをして、ここで後傾を意識させます。メディシンボールのメニューを1kgの軽量なものに変えて、さらに、半身からのメディシンボール両手投げ(1kg)、回旋投げの導入(1kg)。下半身→体幹→腕の順序で動くことを身につけさせる。負荷が軽く、地味な練習になるかもしれませんが、次に試合に出るときには、・・・大きく言っておこうか・・・、32〜35m。出してもらたいんですよね。動きの質をがらっと変えて。

 ここまで書いて疲労困憊で、もう限界です。あとは和田君と田中君が12mくらい砲丸を投げて、田中君が円盤を35mくらい投げて、田中君がやりを50mくらい投げてくれたら、何の問題もないんだよ。


5/12(土)

 車で帰宅途中、信号で止まったら、横の歯医者から子供の断末魔の叫びが断続的に聞こえて、ただでさえへこんでブルーな気分に拍車をかける。

 ちなみに、昨日の練習で三橋さんが11m40を「唐突に(須河談)」投げてます。今日は来てません。明日は何m投げるでしょう。

 須河さんと東浦さん。メニューC。須河さんは奈良市民ではないので、明日は県強化記録会に出ます。

 須河さん、左腕の使い方を修正されていい感じ。下から大きく左腕を使うようにしただけで、右肘が上がりすぎる欠点が解消されています。東浦さんは左利きの下半身の使い方で右腕で投げていることがほぼ判明。ただし、これは私の判断。通常、グライドをして右脚を回内しながら行う動きを、左脚の回外で行う。左足は当然母指球でのピボットターンなので、爪先接地になる。右足に体重が残っている限り、身体のターンは開始できない。突き出しは、右半身を足から指先まで全て押し出す形になるので、右足の踏み出しは直線的になる。つまり、リバースは突き出しの制限にしかならない。short-long glideしか方法がないのだろうか。

 実は私のやり投げのイメージがこれに近い。体重は前足、つまり左足にかけ、後ろにある右足は投擲方向に力を加えるだけ。「軸」と「ブロック」の概念が1つにまとまっている。その代わり、腰から上を全て腕のように使うので、突っ込んでいるくらいに上半身を前に持っていかないといけない。ただし、これも投げ腕をフルに使えて初めて機能する。

 また明日。


5/10(木)

 左膝が1年半ぶりに痛いだけでなく、左アキレス腱が腫れています。何をしたのでしょう。思い当たることが全くありません。

メニューB。須河さん、三橋さん、東浦さん。

 須河さんの突き出しの混迷が続きます。距離はそれなりに安定しているのですが、決して安全という距離ではないので、本人の不安は増すばかりです。東浦さんは少し重心が高い。突き切れずに右に抜ける、上に抜ける・・・重心の前後配分は悪くないのですが、両膝に余裕がないので、突き出しの所要時間が短く、淡白な投げになっている。グライドをつけると砲丸に高さが出ないことからも、特に左膝がへたっているのが感じられます。そんな2人を差し置いて、三橋さんの調子がいいのでした。ノーグライドがいい。途中、グライドでのイメージが悪くなりましたが、ノーグライドを2本投げさせるだけでイメージが回復します。今日は腰が引けることがほとんどなかったことで合格点。

 野球でキャッチャーがぼそぼそ呟いてバッターの調子を狂わせるわざがありますが、ありもしない打者の癖をいかにも「ついしゃべってしまった」かのように言うと、打者が勝手に自滅してくれるときがありますね。自覚できていないことを指摘される。自分の動きを改めて客観視して、意識しながら動かすから、指摘のあとはほぼ間違いなく動きが悪くなります。欠点を矯正するにも、意識してそれまでより動きが悪くなることがある。仕方ない。でも、練習中にどうでもいい癖を指摘するのは、ただの嫌がらせです。いちいち気にするな、としか言えませんが。

 東浦さんがメディシンボールの両手投げ(壁当て)をしているとき、右足が前になっています。自分で気付け。頼むから自分で気付け。

 まぁ、いい練習。


5/8(火)

 心に引っ掛るニュースが連日続きます。GWの合間の晴れた日の痛ましい事故、激しい憤りを禁じえない凶悪事件の数々、わけのわからない某スポーツ界の特待生の吊るし上げ・・・しかしそんなものを一掃する衝撃を私に与えたもの。朝日新聞の夕刊スポーツ欄に、「よりによって越中詩郎が井川マイナー落ちと同格の扱いで掲載されていた」ことです。

 すごく久しぶりな気がするのはなぜでしょうか。

 メニューA。須河さん、三橋さん、東浦さん、西川君、田中君。宮井さんが一人で練習しています。日曜の奈良市記録会には誰も出てません。一日中雨で、結果的に県選手権に出ていた方が良いコンディションとなりました。雨のせいで靴がすさまじく臭い。

 気温も高く、全員それなりにいい感じ。須河さんは両目のコンタクトを落として、集中できません。東浦さんはいい角度で飛んでいきます。私が提案したことを試してくれているのか、正直わからない。西川君は顔をそむける癖をどうにかしようとしていますが、しんどい。田中君はグライドして突き出すまでに、足をどのようにサークルにこすり付けてるのか、足元から「?」な音がします。三橋さんは、私の目には砲丸投げらしくなっているように見えます。でも低い。「東浦さんの砲丸は角度がついている」と言うと、敵意としか言いようのない対抗心を燃やします。いい感じの話ではどれもないですね。今日は小ネタ満載なのですが、またの機会にします。気持ちよく練習した日、ということで。

 やり投げの肩の使い方でひらめくものがあって、先日久々に2.7kgの砲丸を1-hand overthrowで投げてみました。1クロスで18mは越えました。これなら多分20mはすぐ飛びます。25m越えたら、普通に競技を再開したい・・・というのは言い過ぎ。調子に乗り過ぎ。でも、このひらめきが正しいなら、「肩が緩む」というのは克服できるはずだ。


5/5(土)

 奈良県選手権がありました。自分が少しでも関わった出場者が多くて、全員についてのコメントは出来ません。さらっと。

 女子砲丸は、中学生3人。練習の一環です。砲丸が重くなることで、各々の狙いが見えてきます。須河さんは突き出しの動作。東浦さんはグライドの勢い。三橋さんはリバース。詳細はそのうちに。男子砲丸は和田君と彼を狙う2人の男のベスト8ライン上での争い。何とか勝てたものの、記録は11mに届かず。女子やりは谷岡さんが「やりを後方に残して投げられるか」という課題に挑戦しましたが、まだできませんでした。

 試合に出なかったがスローイングシューズを持って来損ねた西川君も含め、あえて普通の練習(C)。ダウンみたいなものです。疲れ果てていても和田君はきびきび動きます。なぜ11m飛ばないんでしょう。力んでいるから?力むって何だ。リラックスって?よく言われることですが、明確な説明できる人、いますか。実はすごく主観的な言葉に思えませんか。

 「ブロック」する左脚は、突っ張るのではなく、膝でワンクッションおいて跳ね返す。厳密に言うと膝ではなく、少し曲げた膝は「これ以上つぶれなてはいけないストッパー」みたいなもので、力は股関節で跳ね返すのが正解なんでしょう。身体の左半分(右利きの場合)を突っ張り棒のように使い、右半身(利き腕側)を母指球のピボットターンで動かすのは、一見上手く動いているように見えて、実は右半身が地面に根を張って居ついてしまっているにすぎない。右脚だけで全身を動かそうとする無謀な試み。だから、右半身に重心の「大半(すべてではない)」をかけつつ、左足は接地して、投げるときは「左足でも」蹴る。リリースの瞬間は両脚をフルに使うことになる。ただし、身体後方にある左脚の力の発揮方向は投擲方向に水平になされる要素が強いが、右脚は身体の姿勢制御、投擲物への垂直方向への力の発揮に使われる。つまり、左脚と同じのりで使うと、身体が「流れる」。左膝のワンクッションをうまく使うこと。すなわちこれが「リバース動作」。理屈はこんな感じだ。で、具体的には8:2の割合で右足、左足に重心を配置し、2しかない左足はしっかり接地するために、爪先方向を投擲方向に開いて着くようにする(そうしないと足裏全体で地面を捉えられず、爪先接地になってしまう)。ただし、右足の爪先が投擲方向を向く必要は特にない(左膝でワンクッションおく間に右脚が回内しながら腰を入れられたら問題ないから)。あとは、左脚で「上に」跳ね返した力で脚を入れ替えたら、それがリバース(砲丸での)。ちなみに、この2の割合の左足への加重は、グライドの勢いでつける。グライドがないときは1未満(でも0ではない)。

 東浦さんに欠けているのは左足への加重。きわどいところです。この方は左膝がへたってすぐ流れます。でも、左脚を突っ張りすぎているときは、いくらグライドで蹴っても利き腕が動きません。三橋さんに欠けているのは右足への加重。重い砲丸での投げはこのイメージをシミュレーションしてくれるか・・・という期待がありました。4kgでは出来ているように感じられます。今日は来てませんので、軽い砲丸でも出来るかは今のところ未知数。

 やりの加重のイメージはまた違います。その最大の要因は「助走の存在」です。その話はまたの機会に。谷岡さんのやりの練習の頻度をどのようにしましょうか。


5/3(木)

 田舎は、春もかなり暖かくなったこの季節、それまで自分の足音しか聞こえなかった夜が、茂み・せせらぎから聞こえる生き物の鳴き声、明かりに飛び交う生き物の羽音で、それはそれはにぎやかになります。

 今日は奈良マスターズ、明日明後日は奈良県選手権。須河さん、三橋さん、東浦さんが奈良県選手権で明日の砲丸に出ます。谷岡さんが明後日のやり。和田君が明後日の砲丸。西川君は何も出ません。

でも、全員調整練習です。のんびり投げてそれで終わり。明日のやりに中田周作氏、明日からの十種と明後日の砲丸に奈良教育大田中君(通称こもち田中)、東浦父も明後日の砲丸。高校生にいたっては把握しきれてません。今日のマスターズには宮井さん(思わず宮井父と呼びたくなるが、息子さんと面識があるわけではないです)がやりに出てました。

 和田君絶好調。さあどうする?11m投げないと言い訳できない状況が出来てしまったぞ。須河さんは砲丸の大きさに苦戦。個人的には考え過ぎな気もしますが、納得いくまで砲丸の保持を試します。ちなみに今日も食べすぎでおなかが痛い。以前から言ってますが、東浦さんは4kgでそれなりの結果は出すでしょう。室内用4kg砲丸忘れて帰りましたけど。三橋さんは今日は近寄りがたいです。よく動けているんですが、納得できないようです。谷岡さんは今日は体がよく動く、らしい。西川君は、まったりしています。やりだけがどうも飛ばない、と。

 全員が調子いいというのは、天候のコンディションによるところが考えられます。つまり、自分以外の要因があるかもしれない。それをどうにかこうにかするのが調整です。あと12時間、たったそれだけしかない女子砲丸までの時間。あと36時間、男子砲丸までの時間。今の調子の良さを身体に刻んで、どんなコンディションになろうとも今の好調さを本番で出したい。そう考えると、今日帰宅してからの時間の使い方も気になりませんか?直前のアップなんて高が知れてると思うんですよ。なぜかと言うと、練習していない時間の方が大抵の人間は長いから。だから、体調を左右しているのは僅かな練習時間の内容ではなく、それ以外の時間の過ごし方が大きいはずだ。食事なんかすごく大きな要因だろう。精神状態もそうだろう。日々の生活とか、人間関係とか。・・・自分の思うように出来ない部分が多い、という反論が聞こえてきそうです。だったら、思うようにならないことにも対応できるような身体・精神の状態を保つ必要が出てくる。かつかつにスケジュールを決めることはせず、自分を冷徹なまでに客観視する数十時間。そういう訓練が出来ていないと、僅かな時間の試合など対処できないんじゃないでしょうか。私にとって「試合の準備時間」とは、一番狙う試合だと72〜48時間前からでした。準備の内容(休むか、とか少し動いとくか、とか)は、毎回違いましたが。いつも臨戦状態でいるのはしんどいので、練習の中でシミュレーションしながらってのりです。

 こんなことを考えるようになったきっかけは、高校時に怪我をして1年間棒に振ったシーズン中、すさまじく精神状態が荒んだのですが、そんなある日通学の電車の中で周りの同世代の高校生の会話が一斉に聞こえてきて、それがことごとく「〜はムカつく」ばっかりだったわけですよ。我に返りました。あまりの不毛さに。憂さを晴らすことを否定はしません。でも解決にはならない。他人に託すことも出来ない。他のことに転嫁することも出来ない。「直接」解決する以外に方法はない。怪我にいらつくなら、怪我を治す以外に術はなく、記録が出なくていたたまれないなら、記録を出す以外に解決法はない。残念ながら、当たり前のことです。やけ食いしても、そこら辺の奴に喧嘩を売っても、二十歳越えて盗んだバイクで〜って歌ってる奴に思いを託しても、どうにもならないのです。いつもそれで納得できるわけではないから、「ここぞ」という勝負時だけ、感情を殺して冷徹に、客観的に、自己を第三者の目線で見つめる。それさえもいつも出来るとは限らないから、そこそこに訓練していく。そんなことを考えたのでした。憂さを晴らせる仲間などいなかったというのもあります。

・・・中学生には酷なことを言っているでしょうか。


5/1(火)

 私の大学時代の後輩で、高校時代のベストが57m(やり)で、大学3年には70mを越えた者がいます。彼の言葉です(強引にまとめています)。

「自分が伸びること、勝つことを信じて『全く』疑わなかったから、本当に伸びたのだと思います。」

 この言葉が発せられるまでの経緯を、私は同じ時期、同じ場所で競技をしていた故に、充分なほど知っています。そしてこの言葉が魂を削るが如く発せられたものであることも。周囲の我々に対する痛烈な皮肉であったことも。

 

 須河さん、三橋さん、和田君、西川君、谷岡さん。そして中田周作。秋田さん、今日見えていた方は誰でしょう?(宮井さんですよー by アキタ)

 サッカーでアップをしました。私はサッカーが苦手です。

 砲丸3人(西川君は入ってません)は、県選手権に備えての練習です。須河さんは10m、三橋さんは9mくらい行きそうです。和田君は投げで体が開き気味(だから突き出しが短く見えるのか)。これらすべて伝聞。谷岡さんと西川君には、メディシンボールのドリルを重点的に。スネークモーションと後方回旋・頭上前方投げ(以下、回旋投げと略す)が今日のメインです。

 スネークモーションは、最初は足裏での前後の重心移動、次に膝を前後に動かす、その次が腰を前後に動かす、その次が体幹を前後に大きく振る、最後に腕を後ろから前に大きく振る。つまり、蛇の如くしなる動きは、上に行くにつれて振り幅が大きくなっていく。ついでに言うなら速度も上がっていく。優先順位は、まず動きの連続性。次に可動域。で、初心者においてまず大きな障害となるのが、肩の可動域です。動きの連続性ばかりにとらわれると、腕の動きをコンパクトにしがちです。具体的に言うと、身体の前ばかりで動くようになる。そこで、次のようなことを試みる。「スネークモーションで真上に投げる。」動きを身体の前でさばくと、ボールは斜め前方に飛んでしまう。肩が入らないとそもそも投げることも出来ない。胸の中央が真上から吊るされた紐で引っ張られるような動き・・・って、こういう説明を西川君は苦手としています。彼もリアリストの一人です。

 回旋投げは、今回は「右足に重心が乗っている状態から体幹の起こし回転を使ってリリースの直前まで持っていく」、あたりの局面を重視してみました。膝に余裕を持たせて、大きく下から後方にボールを運ぶ。このとき両手ごと真後ろを向く感じ。右膝、右腰を回内させつつ、上半身は真上を向く(ここが大変だ)。右膝、右腰が正面を向くときに体幹の前への起こし回転が完了するように、重心を前方へ移動させる。・・・何を言ってるのかわからない。イメージは丹羽コーチの砲丸に近いと思うんですけどね。回旋投げは、フィンランド人のようにあらかじめ嫌ってほどしなりを作っておく方法、ドイツ人のようにしなりを作らず身体の起こし回転のみを重視する方法、イギリス人のように肩関節の柔軟性を高めておいた上で、単に身体を横向きから正面に90度スピード豊かに回転させるだけの方法など、投げのスタイルで具体的なやり方が変わってくる傾向があるように感じられます。10年ほど前の中国人女子選手だと、やたら投擲物の下にもぐりこむことを強調していたり。ちなみに、私は体幹の後傾をほとんどせずに、左股関節の上で骨盤ごと体幹を振り回す、という感じでしてました。日本で広く伝わっているのはフィンランド式だと思われます。でもこの方法には落とし穴があります。動きの局面の形に対する意識ばかりが目立っている点です。高校生で、連続写真をパラパラ漫画のようにつなげているかのようなギクシャクとした動きで回旋投げをしている者をよく見かけます。結局、「投げ」は最後の腕での振り切りだけです。前半の動きに何の意味もありません。今日の2人はとりあえず、最初に述べたやり方です。西川君は違和感なさそうです。谷岡さんは、保持からリリースポイント直前までの、投げ前半の身体の使い方を改善したいので、ここはがんばってもらいたい。

 練習がマニアックすぎるか。


4/28(土)

 好物は、蒸すか茹でるかした、塩味のもの全般です。味の濃いものは好きではありません、ってか、あまり味が感じられない。醤油、ソースの類はほとんどつけません。酒は30前から一切飲まなくなりました。昔はビールが好きでした。安いもので簡単に自炊できるもの。仕事以外の時間は、本を読むか機械いじって遊んでます。外に遊びに行くときは植物園に行きます。いつも一人。

 「『好物は?』って訊かれたら『お前だ』、『普段何してるの?』って訊かれたら『お前のことを考えている』と言えばいいんだ」某コーチにそんなことを言われましたが、冗談にしろ本気にしろ、中学生相手に口走ると捕まってしまいかねない年齢なので。

 須河さん、三橋さん、東浦さん、和田君。いまいち体調が優れないので、休もうかと思ってました。今日は静かにしています。西川君も体調がいまいち。多分、水曜以降、涼しくなったここ数日も窓を開けて寝たせいでしょう。練習は今日はちょっと動くのみ。

 須河さんは昨日の練習で左肩甲骨下あたりが張っています。やりの初心者が胸を張って投げることを覚える時期によくなります。今日も「押す」ことを思い出すための課題を淡々と。

 三橋さんは昨日の練習で大腿前面筋肉痛。多分両足ジャンプ。砲丸もそこそこ投げれて、11m目前まで投げられたようです。今日はどっぷり痛みます。修学旅行明けであることも含め、今日はこんなもんでいいと思います。

 東浦さんはいい感じに見えますが、飛距離が伴ってはいません。いつも通りです。よく動いているのでいいでしょう。

 和田君はそこそこ動いています。工夫も感じられます。でもこの前の試合で、彼はこもち田中に負けてしまったのでした。砲丸専門としては、2度目は決して許されませんね。結果はおのずからついてくるでしょう。

 谷岡さんの動きがよくなっています。やり投げも、「後ろにやりを大きく引く」ことを積極的に試しているようです。自分なりの工夫もいろいろしています。次の段階に自ら進みつつあります。

 35に見えるらしいです。22日で39になりました。年齢相応の見た目です。


4/26(木)

 須河さんと西川君。

 2人とも自分の課題に苦しんでいます。詳細は書きません。「んなこと言われてもできない」という世界です。言葉で表現されることのどこまでが例えなのか、どこからがマジ話なのか。今出来ないことは、単に未熟だから出来ないのか、理論だけの机上の空論だから出来ないのか。2人とも、自分の身体の肩幅50〜60cmと戦っています。そこから各々が導き出すであろう答えは、個人の対処法であって、一般論とかけ離れたものになるだろうことが予想できます。そんな練習はとても静かです。


4/24(火)

 沖縄は雨。

 須河さん、東浦さん、谷岡さん、田中

 須河さんは「押せ」と言われてノーグライド11mリバース付き。東浦さんは今日もフックでノーグライド11m。田中は好調(本人談)。

 谷岡さんは足も肩も痛い。まずは下腿のストレッチ。肩の柔軟。WTは斜め突き出しとスナッチのみ。ハンドボール2-hand overthrowを20/3。2kgメディシンボールで壁際で肩のリバウンド30/3。ハンドボール1-hand overthrow20/5。保持走、助走〜クロス。

 終わり。


4/21(土)

 陸上競技のフィールドは試技は一人で行います。基本的に邪魔するのは、場内コンディションと悪意のある運営くらいなものです。でもたまに、「ルールに抵触していない」程度で、わざと他の競技者の邪魔をする奴がいます。集中しているときに音を意図的に立てる奴、ピットを間違えたふりして横切る奴。など。でも、競技者はこれくらいで心を乱してはいけません。それは集中が足りない、とハンマーの室伏氏も言ってたぞ。では、邪魔をする連中は許されるのか?いや、決して許されない。許したつもりなどない。みんな君達を軽蔑しかしていないから。許されてると思ってるのは君達だけだ。誰も相手にしていないだけだ。でも、はっきり言っても悪くはあるまい。君達みたいな奴は競技をとっととやめてしまえ。

 明日はみんな試合に出るので、練習は各々違います。

 須河さんは、食べすぎでおなかが痛いです。今日は投げをメインに。突き出しの不正確さを修正すべく、「ライナーで」投げようとしていますが、上手くいきません。投げの角度のコントロールをもはや腕では行っていないこと、構えから突き出す寸前に一瞬動きのコントロールがなくなる時があること、が原因でしょう。現在この方が抱えている問題点は3つ。

1.右足の引き込み
2.左足の接地
3.突き出しの不正確さ

 右足の接地は、以前よりできるようになっているのですが、完全ではない。突き出しの不正確さは、腕で砲丸をコントロールしなくなってきたことによるもの。そう考えると、後者2つは投げのレベルが変わってきたことによるもので、過渡期ならではの不具合、とみなすことが出来ます。すると優先順位は1が最優先にして最重要。明日は割り切って右足の引き込みだけを考えた方がいいと思います。

 東浦さんは、明日は当日参加で4kgを投げる予定。今日の練習の投げにおける最優先事項が突き出しの力強さ。持ち味を生かす方向です。練習でも4kgを投げます。そういうわけで、前々回のグライドの改善が今回も生きているかどうか、の確認は出来ません。ただ、4kgでの出場理由が「人数がいっぱいだから」というのは、理解できません。なぜなら、通信大会はもっとたくさんの出場数だから。試合運びの練習は、試合でしか出来ません。「試合は競技者最優先でセッティングされて然るべきだ」という発想は、世間知らずもはなはだしい甘さです。そういう意味で、「人数がいっぱいだから」というのが理由なのだとしたら、残念と言うしかありません。今日の投げは、4kgと重いせいか、2.7kgで体が動いていないときと同じです。ステップの少ないフック。それでも飛距離はグライド無しで10m弱。強いですね。グライドはどうするつもりなのでしょう。それでも10mという距離を褒めるべきなのか。明日の結果で考えます。でも私が考えたところでどうなるのかな。

 三橋さんは、昨日の練習で11mを2回越えています。この人の課題で重要なものは3つ。

1.構えたときに重心を後方に残す
2.左足を早く着く
3.左足を開いて着く

「開いて」というのは誤解の多い表現ですが、大腿を回外させる、あれです。どうも最近2が自然に出来てきているようで、着目点を足ではなく、突き出しそのものに変えています。つまり、「速く突き出す」。今日はそれがよく出来ています。低くてあまりいいとは言えませんが、初速が速い。後半、右肩甲骨の下のほうに張りを訴えていました。ああこの人もここが疲れるようになったのか。胸を張って大きく使えているということじゃないか。大した進歩です。明日に注目しましょう。

 和田君は、投げの後半の動きが小さい。右肩が前に出て行かないのです。「腕、短い?」と訊いてしまいました。今まで、体が使えていないから突き出しが短いと思っていましたが、もっと単純に、突き出し動作が小さいだけなのかもしれない。それでも、明日は10m56?というベスト記録くらいは更新できると思います。更新しろ。11m投げろ。ここは気合で投げておかないといけない時期です。心身を「全開にする」習慣を思い出す。それが、シーズンに入って大人の競技者がまずしておかなければならないことです。

 西川君は今日ハンマー投げで高校陸上デビュー。35m。砲丸の技術修正は、ちゃんと自分でしています。しかし難しそうです。正面から見ると、投げ動作が以前よりも狭い幅で行われているのがわかります。ぶれずに、かつ力強く下半身を使わないといけません。楽は出来ません。明日は砲丸に出ます。12mを着実に越えたらいいんではないかと思います。13mはまだ厳しいか。


4/19(木)

 須河さんただ一人です。メニューA。避けられているのでしょうか。おそらくそうだな。

 前回言われたことを、西川君は覚えているでしょうし、自分で何とかしようとするでしょう。こちらがあえて指摘するのは余計なお世話だと思います。では東浦さんはどうでしょう。前回言われたことを覚えているでしょうか?今回も出来るでしょうか?私は、「覚えているかどうかは半々、今回も出来るかどうかは2・8くらい」と予想しました。三橋さんはどうでしょう?「覚えているかどうかは2・8。言われて思い出せるかどうかは微妙」。誰も来てないので確かめられません。3人が前回、丹羽コーチに何を指摘されたのか、確認済みです。東浦さんと三橋さんには、必ず次に訊きます。

 須河さんと私の1対1の練習になると、丹羽コーチに言われていることを”感覚的に”確かめる作業になります。それなりに新しい発見をしてくれるのが、私としては喜ばしい。ただ、この作業は毎回かなり悪戦苦闘します。須河さんも私も。余裕のかけらもないです。この須河さんの孤軍奮闘をきちんと見せておきたいんですけどね(誰に、かはあえて言いません)。

 今回のポイントは3つ。

1.右足の上に体重を残せているかどうか。
2.左股関節、左膝を開いて接地できているかどうか。
3.左膝を”抜く”ことが出来ているかどうか。

 1と2は以前から出来ています。で、3が前回指摘されたことらしいです。細かい話はかなり長くなりそうなので割愛しますが、3をノーグライドからしてもらうことにしました。すると、自分でもコントロールできないくらい身体がスムーズに前に流れる。怖くなるくらいに。ただ、いつまでも前に流れ続け、そのままつぶれそうになる、ということです。このイメージでどうやってリバースをすればいいのだろう?リバースは本当はとても難しいのじゃないのか?というのが、今日の須河さん自身の感想です。それをどうすればいいのか、どういう練習にすればいいのか、丹羽コーチに相談する・・・のを忘れました。明日伝えます。

 谷岡さんに、爪先を上げて歩く(前脛骨筋強化)と、爪先を上げての前傾ストレッチをさせてます。シンスプリントになってからでは遅いのかもしれませんが。で、自分で脛骨沿いにマッサージすることを教えて、インナーマッスル強化のための腕・肩周りの補強を3種類教えて。このあたりの練習は、これらがなぜ効果があるのか、自分なりに道筋を見出せていないとあまり意味がないように思うので、細かいことを教えてません。考えて、感じて、気付いてくれることを望みます。


4/17(火)

 ぱっとしません。

 メニューBは、
・WT(重)
・コーンジャンプ
・Throw
・MedicineBall
・30m/5、50m/3

メニューCは、
・50mH(shuttle)/2
・WT(circuit)
・Throw
・補強(ハンドバウンディング、腹筋、MedicineBall真上)

 今日はC。砲丸の解説は丹羽コーチから聞いたことを基にしている。

 須河さん、三橋さん、東浦さん、西川君、谷岡さん、こもち田中

 西川君は、顔を左にそむける癖があって、それを修正する。13m飛んだものがある。この癖は、左腕の使い方が横から入るため、らしい。わかりますか、西川君。そういうことだそうですよ。

 須河さんは右足の入りがぼろぼろ。「よく捻挫しないな」と丹羽コーチに言わしめるほどの乱れっぷり。強引というか、乱暴というか。じゃあ、どうすれば丁寧な投げになるのか、と言われたら、どうでしょう。どうもしっくりきません。改めて本人から話を聞いてみようと思います。

 東浦さんの左足が修正される。グライドに入るときの準備を大きく、グライド時の蹴りを思いっきり。見違えるように砲丸投げらしくなる。ただ、これまでこの動きが全く出来なかったのかというと、そうではないような気がする。ファールせずに止まる、ということを気にかけては、動きが小さくなることを繰り返しているのではないか。まあ、大きな進歩であったのは事実。

 今日一番見違える動きになったのが三橋さん。左足が着く遅さがかなり改善されている。それでも、右足の引き込みが弱く、グライドで右足がサークル真ん中まで運ばれていない。それが出来ればまだ伸びるだろう。って言うか、具体的にどんな指摘を受けたんだろう。丹羽コーチに訊いてみて、本人からも訊いてみよう。木曜日、三橋さんは自分が言われたことをどれだけ覚えているだろうか?

 こもち田中は今日も腰高。

 谷岡さんは、今日は最初からやり投げ。走る代わりに下腿のストレッチを数種目、WT。突き刺しをして、1歩クロスからの投げをして、肩周りのストレッチと補強、メディシンボール。シンスプリントおよび利き腕の疲労があるので、そんなに追い込んでない。まだまだいじり甲斐があります。特に腕の使い方。「振り切り」が出来るようにしてみよう。

 頭が回りません。


4/14(土)

 ただ動いてりゃそれだけで練習になると思ってる者。練習の出来具合を、その日の調子でしか判断しない者。陸上競技って、そんな奴多くないか?

 13日に奈良教育大学に練習に行った須河さん、谷岡さんは丹念にやりを投げ込んで疲労をためて使い物になりません。そういうわけで、谷岡さんのやりの補強はなしです。

 須河さん、三橋さん、東浦さん、西川君、堀田さん。メニューB。

 須河さんについては何もコメントなし。何kgの砲丸を投げてるのか、と思いました。三橋さんは最初からハイテンションで、何か嫌な予感がしていたら、途中でおなかが痛くなりました。東浦さんは最初からしゃべりっぱなしです。

 堀田さんには、投げる腕に力を加えることを教えてみました。今までは流れを重視し、最近は補強やWTも中学生と同じことをさせて、ついに「投げの力」に言及します。思えば去年の今頃は、バックプレスもできないほど肩が固かったのだった。満足していただけているでしょうか。

 今日は西川君の調子が回復してきて、なかなかエクセレントな投げをしてくれました。グライドがまさに地面を滑っていく。

 そう思いませんでしたか?女子砲丸3人。まさか「気付きませんでした」などとほざくことはないですよね。集中して自分のことしか見えていなかったから・・・なんてことは、今日に限っては絶対ありませんよね。それとも「いや、今日の西川君の出来はそれほどでもないと思います!」とでも言ってくれるのか?是非とも詳しく聞きたいねぇ。

 冒頭に述べたような”練習”を、週15時間未満しかしていない者。絶望的だな。だったら、何を変える?自分の身体を劇的に変化させるために、練習の何を変える必要がある?


4/12(木)

 今日の練習はAです。

・w-up
・コーンダッシュ3種類
・w-circuit
・throw
・補強(bounding、腹筋)
・down

 須河さん、三橋さん、東浦さん、西川君、後半に谷岡さんがこっそり補強。

 なんだかみんな調子が良いです。須河さんは、最後のスナップが上手くいかないように言ってましたが、肘の高さを上げることで解消したと思います。手首のスナップは、肘が向いてる方向で一番素直にできます。それ以外の方向は通常「ひねる」と表現されます。三橋さんは、ずっと前に「公認で10m越えたらスローイングシューズを買ってやろう」という、安易な約束を私がしてまして、その約束の試合で彼女は 10m60(推定)をファールしたわけです。その次の試合で10m17を公認で残したのですが、その約束のことは一言も出さず、「ああ高い理想を持つようになったのだな」と思っていたら、「今日の練習でファール無しで10m50飛んだら買ってくれ」と、のたまう訳ですわ(ちなみに、前回12日にファールをして11m目前を投げてます)。今日も、腰を入れる、目線を後ろに保つ、高く投げる、などの複数の課題を一気にしようとしては、投げるたびに着実に何かを忘れ、後半ぼろぼろになっていった次第ですが、最後あと3投あたりで、きわどいのを投げました。・・・計ってみたら、10m50でした。いくら普段指導してるっても、10000円前後するものを、赤の他人のおっさんが15歳になろうかという娘に買い与えるというのは、どうかと思うんだよ。親御さんならそう思うだろ?って言ったら、「うちのお母さんが、頑張れーって。」はいはいはいはい。東浦さんの投げをまじめに解説してみようと思います。いわゆる、フックです。ボクシングのパンチで実は一番威力があると言われているもの(一番手軽に全力で放てるもの、という方が正しいと思う)。この感じが強く出たとき、よく飛びます。今日はまさしくそんな日です。よく飛んでいます。勢いも高さもあります。以前も少しだけ触れましたが、人体は「直線的に」動くようにできているわけではない。直線的に力を加えるためには、人体は「直線的でない」動きを組み合わせなければならない。だから、ボクシングのストレート、打撃系格闘技における直突き、まっすぐに物を投げること・・・これらは自然な動きなどとは程遠い、人知の詰まった高度な動作なのだと思います。直線的な動作の利点は、力を加え続けられる、ということです。重量が重いものを投げる場合、力積を稼がなくてはなりませんが、一瞬に力を加えるのではなく、ずーっと力を加え続ける方が結果的によく飛びます。その点で、直線的な動作の方が砲丸投げには向いている、と思います、個人的に。フックの動作は、一瞬にすべてをかけるようなものです。動作の軌跡が直線ではないので、じわーと力を加え続けると無駄が増えます。力積は、力のピークを高めることで稼ぐ。わかりやすく言ってしまうと、「力任せ」です、まさしく。ですから、砲丸投げだと、グライドから構えに至るまで、すべて突き出しの準備。突き出しの要素ではない。また、フックは身体の中心に巻きつくように収束するから、リリースの瞬間からその後も腕が伸びきることもない。だから、リバースは基本的にいらない。下半身は、踏ん張るために使う。・・・大雑把なイメージを連ねてみました。丹羽コーチの考える投げが下半身に負担のかかる投げなら、こちらは上半身(肩周り)に負担のかかる投げです。さて、どうしよう。どちらがいいとか悪いとか言う問題ではないです。あえて言うなら、重量が増したときどちらの技術が通用するか・・・という観点になります。砲丸はやはり「重い」ということから離れられません。西川君は、やりの専門性を高めたフレンチプレス(北欧の練習で見かける、むしろスネークモーションで上に跳ね上げる動作に近いもの)を試しています。背中で腕を跳ね上げる感じを身につけて欲しいものです。余談ですが、今日もあまり眠れていないと言ってます。

 長いので終わり。


4/10(火)

 私が自らの競技生活を振り返るときの心情は、自分が振られて別れた女性のことを思い出すのに酷似しています。いい思い出もあるが、最終的にはすべて後悔になってしまう。自分は嫌いじゃないのに、すべてがかみ合わなくなっていく。あれだけ真剣に考えてやめる(≒別れる)ことを決意したのだから、下手に復帰しよう(≒よりを戻そう)と思ってはいけない、と自分を抑え続ける。それでも、甘美な思い出に惑わされて現役復帰(≒再び連絡を取ろうとする)しようものなら、自分だけでなくいろんな人が不愉快な思いをして、痛い目に遭う(≒ストーカーとして訴えられる)。敗れた者には、最初からいなかったかのように黙っていることしか許されていません。

 須河さん、三橋さん、東浦さん、西川君。後半に谷岡さん。西川君の走練習に丹羽コーチが付き合う。絶対に丹羽コーチは何かを企んで体を絞りなおしています。

 須河さんが構えのときの背中の緊張をなくすよう指示をされ、その後の投げが力みのないものになりました。腰痛もここら辺が原因だったのかもしれません。三橋さんがグライド付き・リバースなしで11mまであと数cmまで迫りました。右足の引き込みと左腕のリードの仕方、目線の位置。このあたりの改善で、高さも出るようになるでしょう。投げてる間も拾っているときも、とにかく嬉しいのか微妙に半笑いです。東浦さんの良い時の投げの特徴は、まだ確実にはわかってませんが、その代わりに気付いたことが一つあります。「スムーズに直線的に突き出せたとき、飛ばない。」なぜでしょうね。飛ぶときの突き出しは明らかに違うのです。でもまだわからない。ところで以前から感じているのですが、東浦父の練習が何を目指しているのかわかりません(今日は高いハードル2台だけ跳んで、砲丸投げて・・・)。でも理由は訊かないので、話さないで下さい。西川君は着々と体力回復に努めています。最近寝不足だそうです。なぜ若い人たちは、そこに何かすばらしいことが待っているかのように、好んで夜更かしをする時期が来るのでしょう。谷岡さんは丹羽コーチが投げを変えるべく奮闘しています。自分の力不足を感じます。

 今日は昨日に引き続き大阪インカレがありました。十種競技に出場したこもち田中クン、投擲の結果だけおめでとう。

 A田コーチ、Y岡コーチ、K原コーチと焼肉を食べるはずが、駐車場を探しているときに所要ができて(連絡があった)、帰る羽目になりました。今日車で来てなかったら帰らずに済んだのに。で、帰ったら10時半。恐るべきことにこの時間、短距離の衣笠さんは既に熟睡しているらしいです。大変ですね、何かと。


4/8(日)

 今日は投げました。須河さん、三橋さん、東浦親子、西川君、和田君。

 丹羽コーチの投げを一番わかっているのが西川君で、彼と丹羽コーチのやり取りは時々私には意味がわからないことがあります。理屈ではわかっているがどうしようもないところに追い込まれているのが和田君。砲丸の重さが妨げになっている部分がきっとあると思います。体が先行して、理解が後追いになっているのが須河さん。理解のきっかけが必ずしも結果ではなく、怪我をして痛い目にあって気付くところもある、というのがリスク大です。独自の道を進む東浦さん。投げが良い時の特徴が今日、何となく見えてきたような。これをどうにかして練習手段にしていかなければならないってことなのだろうか。そして、今一番「順調に」練習をこなしているのが、三橋さんだと思います。思っているのが私だけかもしれないが。その理由は、今のあなたの状態が一番わかりやすいから。つまり、あなたは「ただ努力すればいい」ところにいるから。あなたはこれを読んでほめられていないとへこむのか、それとも実は自分がとてもラッキーな状態であることに気付くのか、私には確信がもてません。

 ところで、三橋さんが円盤でジュニアオリンピックに出ることができる確率はかなり低い。でも、試合に出て25mくらいの公認記録は残して欲しいと思います。言ってるのは私だけですが。

 自分がもう競技から離れて、多大なものを喪失したまま今に至っていることを再確認した一日でした。


4/7(土)

 陸上競技は奥が深く、難しいです。他人の理論も完全にはわからないし、自分の経験も完全には伝えられないし、経験の伴わない知識は肥大するばかりで、自らの経験は肉体の衰えと共に消えていきます。

 記録会がありまして、三橋さんは10m17。東浦さんは11m30なんぼ。谷岡さんは29m後半。三橋さんの内容は悪くありません。10m50〜60は出しておきたかったところです。でも公認で10mを越え、明らかな失敗は2投のみ。自分なりにいろいろ考えることもあるでしょう。それがとても大事。人の評価を素直に聞くのも大事ですが、自分で考え自分なりに評価する習慣が当たり前になれば、もはや初心者ではありません。東浦さんは試合毎の課題が絞りきれてないと言うか、何か狙いの見えにくい試合運びです。記録は体調のバロメータ、ではないです。記録ってのは、体調に関係なく出さねばならないものだからです。そうでなければ、陸上競技の競技者は「いつも体力測定をしてる人」に過ぎなくなってしまうから。そう思ってる人、多くないですか?谷岡さんの投げの質がいいです。今日の記録は前回の3月22日よりほんの少し上回る程度ですが、やりの勢い、跳び方、どれも断然に良いです。本当のところを言うと、今日は結果を残しておきたかった。モチベーションが下がってしまいますね。あと、生駒高校津村さんはやりを引くとき、体の横から引くような動きをしますが、実はここで腕が肩の上から外れます。一般に肘が下がる癖のある人は、「横からやりを引く」動きが多いように思います。

 練習は、試合の疲れをとるアクティブレストみたいなものにしました。試合に出なかった須河さん、西川君、和田君にはそれぞれ別メニュー。須河さんのメインメニューはダッシュとジャンプ。西川君は長めのダッシュと脚系のWT。和田君は体側と股関節を苛める補強・WT。女子砲丸3人は最後に地味な腹筋をしてみました。中学生には(谷岡さんを除いて)腹筋で苛め倒す、というのをしてません。ほんと、一度しゃべるのが苦痛になるほど腹筋パンパンにしてやろうか。腹筋がつって飯が食えないほどに。明日は晴れるらしいので、全員明日来る、ということを確認したうえで、今日は練習量を落としました。まあ珍しい。

 車が壊れかけているので、昨日から電車&自転車で通勤です。今日は朝から晴れていたので、自転車で来てみました。1時間半で来れます。すると昼から雨が降りました。旧姓N山コーチに「慣れないことするから雨が降った」と、半分マジ(?)で怒られました。同じ理由で、今日の試合で肉離れをしたF田コーチも叱られてました。我々のせいで雨が降ったようです。帰りは走行中に前輪のブレーキが切れて飛びました。でも、原チャリで左右両ブレーキが同時に切れて左折車に激突した過去がある私には、その程度のことは屁でもありません。


4/5(木)

 須河さん、東浦さん、西川君。谷岡さん後半。懐かしい顔新村元コーチは見に来ただけ。新メニューですがどれなのか忘れました。そのうちまとめてアップします。

 須河さんは疲労から回復してません。右股関節と体側ががちがちです。それでも13m弱は飛ぶのですが。西川君も、下半身を恐る恐る使っている状況です。この2人を見ていると、丹羽コーチの教える投げはリバースをしない段階では両足で地面を押し、右足が前に出る、という動作はあまり出ないという印象です。左脚〜左体側に「軸」を作る、という発想がないのですね。あまり彼の口から出てこない言葉のような気がします。違うかもしれませんが。その観点から東浦さんを見ると、右足の上に乗り直して、軽く踏み出した左足を「軸」にする。ぶっちゃけ、古くからある伝統的なイメージです。このイメージの最大の特徴は、「砲丸の重さを考慮していない」という点に尽きる、と私は思っています。長くなるのでやめましょう。さて、この投げ方でどうやって止まればいいんでしょうか。私も昔悩んだことが少しだけあります。その答えは「砲丸投げなどしない」でした。

 谷岡さんはフレンチプレスによる上腕三頭筋補強。そろそろ背中の補強を入れたほうが、この人の身体前面の強さを生かせられるかも知れません。

 小学生コーチのK原クンが、佐藤多佳子著『一瞬の風になれ』(全3巻)にはまっているようです。映画・ドラマ・漫画・小説・・・あらゆるメディアで名作の少ない陸上競技ですが、近年珍しく評判は悪くない。時間のある方はどうぞ。


4/3(火)

 地味に女子円盤で日本記録が出ています。出した本人が驚いてます(ブログより)。

3/31

 北和記録会が長引いたので、30分、体力づくり的なメニューを外周で。須河さん、三橋さん、東浦親子、堀田さん、西川君、和田君。それから投げました。堀田さんの練習は、以前より総合的な内容になりつつあります。マッチョになれるでしょうか。なまじ体がよく動くと、投げに入る寸前まで身体がフルに動いて、肝心の投げが間延びして、意外と飛ばないという現象が起こります。そういう時は、少し投げを「詰まらせて」みる。伝わるかな、これ。

4/1

 奈良県強化記録会。東浦さん11m70なんぼ。円盤は22mなんぼ。W-UPを拝見して、少し思うところがあるのですが、もう少し練習と比較してからにします。ちなみに、現在の奈良県の女子中学円盤投げでは、確実に30mを越えてくる者が2人。25m〜30mは無数にうごめく。

そして4/3

 須河さん、三橋さん、東浦さん、西川君、久しぶりこもち田中、城陽中学卒川辺君(砲丸中学ランク40位)。谷岡さんが後半合流。メニューは変更されたのですが、そのメニューを丹羽コーチが忘れたので今日は従来のまま(でもどれかわからない)。男子は別メニュー。東浦さんを除いた女子2人は、この2日間、完全休養になっているはずです。上手く休めていれば、動きはそこそこ良いでしょう。須河さんは12m50前後を連発した後、13mを越えました。力みが少なくなってます。三橋さんも10を越えてきています。砲丸の滞空時間が長く、初速も抜群に速くなっています。突き出しがスムーズなので、左腕の使い方が上手く兼ね合って良い感じです。彼女もようやくスローイングシューズを手に入れました(丹羽コーチのお下がり)。ところで、左腕がうまく使えているから突き出しがスムーズになった・・・と思いがちですが、案外そうとも言い切れません。フィニッシュが決まって初めて全体が整う。投擲にはしばしばそんなことが起こります。東浦さんはリバースを試みましたが、確かにあれは少し怖い。工夫が必要です。西川君と川辺君の火花の散らし合いが、見ている者には結構楽しめました。そしてこもち田中、また怪我をする(笑)。笑うよ、悪いけど。最近、奈良教育大生は怪我が多くないか?

 3/31の記録会では、大阪・京都の投げを存分に見ることができました。いつもながら、なかなか参考になります。年末に自分が関わった高校生が自己ベストなんか出したりして。

 4/1。奈良県。言うべきことは何もない。きっと4/7は、「奈良も捨てたもんじゃない」と今度こそ思うことでしょう、きっと。多分。おそらく。もしかしたら。ひょっとして。

 大学時代、当時練習を一緒にしていた先輩が「50mなんざ技術も体力もいらねぇ」って、目の前でアンダースローとサイドスローで男子やりを50m以上飛ばすのを見せつけられたことがあるのです。ホント、恥ずかしかったですわ。自分の低レベルさが。本質を見極められない自分の無能さが。「悔しいってのがどういうことか、わかってるか?」とも言われたことがある。惨めであるのとは違うのだ、と。

 長くなったのでこの辺で。


3/29(木)

 27日に踏切板を顔面にぶつけました。鼻血は出てませんが、鼻骨右側のきわめて狭い範囲が激烈に痛いです。その痛みがそのまま額にまで広がって変な頭痛に。既に鼻は曲がってるので(いつ曲げたのか思い当たらない)、ただじっとしてる以外にすることはありません。

 順を追って書きましょう。

26日月曜

 奈良教育大に須河さん、谷岡さん、三橋さん。聞いたところによると、嬉々として「うひゃひゃひゃ」と哄笑しながら、宇津木監督ばりの速射砲ノックを3人にぶちかました人がいる。心当たりのある人は手を挙げて。珍しく練習は投げ込みになったようです。須河さんのやりは30m前後。三橋さんの砲丸はあまり調子が良くない。

 

27日火曜

 須河さん、三橋さん。西川君(別メニュー)。三橋さんの走りがすごく良くなっています。明らかに体力も上がっていることがわかります。でも、そういうタイミングでシンスプリントは発症します。2人とも、右腕の使い方が変です。26日に何をしたのか問うて見ると、どうも原因はノック。三橋さんはいろいろ考えながら投げています。シンスプリントの影響で、右足を充分に蹴らずにすぐ地面から離れるのが目立ちます。本人はいまいち気付いていないようですが、これは言ったところで対処しにくいので言いませんでした。須河さんは、動かずすぐ開く上半身のつけが手首に出ているように見えます。今の少し悪いイメージを、練習を休まずに変えることができるか。

 

28日水曜

 休み。この日に充分休むことができなかったら、木曜の投げを減らそうかと考えてました。

 

29日木曜

 須河さん、三橋さん、東浦さん、西川君、和田君、天理高校溝内さん。溝内さんは腰痛がかなり悪いと聞いてましたので、今日は一人独自メニューです。須河さん、三橋さん、和田君は特に変化なし。三橋さんのシンスプリントです、気がかりなのは。どうなんだろう。毎日練習してるわけではないから、充分「適度に休養をはさんだ」練習になっているっつうたらなっている。ケアの仕方をいろいろ言いましたけど、実行しているのだろうか。東浦さんが13mに迫っています(2.7kg)。この人は基本的に学校でも練習している。練習量は多いはず・・・だな。多分。この人の投げは丹羽コーチのリバースと同じ地平にありません。丹羽コーチの考えるリバースは「投げきる」ための技術であって、ただ止まるためのものではない。だから、投げの動きと技術体系が一緒です。投げが異なる者にはそりゃ教えることもないでしょう。いろいろ言いたいことはありますが、この話はこれ以上しません。

 シンスプリントは、土踏まずノアーチが落ちてしまうときに、よく起こるという

印象が私にはあります。アーチを保つ下腿の深いところの筋を鍛えるのが正論なのでしょうけど、それができないからシンスプリントになるわけで。だったら、特に根拠はないが、足のアーチをリラックスさせ、強化するようにすればいいのでは?だから、青竹踏みとか、やたら硬い健康サンダルを普段から裸足で履くとか、そういうことはよくしてました。あと、タオルギャザリング(床の上のタオルを足の指でひたすらひきつける)とか、足の指を全部開いて畳を握る、つかむ努力をするとか。健康サンダルが一番効果がありましたね、個人的には。

 溝内さんは、左股関節がすさまじく硬いので、投げのときに左股関節に向かって体幹が収束するような体の使い方をしているようです。腰痛の原因はこれじゃないか、と。だから、ひたすら股割りです。練習風景が陸上競技のそれじゃないですね。あと、やり投げは投げの感覚≠筋の疲労なので、物を投げる動作は、どんな軽いものでもいいから実際に何か投げて、投げる感覚を常に忘れないようにする必要があると思います。彼女は、深い後傾から高い角度で投げ出すタイプなので、全力で投げなくても、壁に向かって軽く高く投げ出すことを繰り返すだけでも、かなり良い練習になるはずです。


3/24(土)

 今回の更新は大分先になるだろうが、憤懣やるかたない気持ちがあるうちに書いておく。

 指導する立場の者は覚悟をする、と以前ここでも書いた。では、教わる側の真剣さ、思い入れはどこに現れる?今日の前半のような練習は、私は決して許さない。試合が終わって落ち込んだり凹んだり、泣いたりしている姿を見るために教えているんじゃない。そういう姿に激しく心が痛むなどと書いても、誰一人信じないだろうが、それを見ずに済むなら、いくらでも嫌われてやる。

 須河さん、三橋さん、東浦さん、西川君。メニューB。西川君は独自メニュー。

 須河さんの腰痛は、筋肉痛と同類なものと判断しています。三橋さんのシンスプリントは正直、かなり心配ですが、練習後に「必ず」冷やすことで対処してもらいたいと思います。東浦さんの足首も同様です。て言うかこの人、冷やすなりの処置をしてるんでしょうか。動くのが痛いなら、最初のアップも動かないで欲しいものです。

 西川君、まだ脚筋力が弱っちいです。

 怪我は確かに休めば治るのですが、元の状態に戻る、というのが正しいところだと思います。だから、同じことを繰り返す。さらに、怪我をする者は、怪我している自分に安住する。甘える。競技者なら、怪我をした事実にも、怪我が治っていない現在にも、恥を感じるようになって欲しいです。とりあえずね、シンスプリントと捻挫。これらは痛みがあるうちはこまめに冷やす。それだけで劇的に治るのが早くなるのよ。

 投げのコメントは後日。


3/22(木)

 昨日の結果。

須河さん、12m半ば。後半3投までエンジンがかからない。
三橋さん、10m60をファール。公認9m98。
谷岡さん、28m台で、30mに届かない。
和田君、10m台前半。以前よりアベレージは上がっている。

 この際、誰も褒めないでおきましょう。

 今日の参加者は、須河さん、三橋さん、東浦さん、西川君。場所は外周。メニューは今日は特別。

 今日の練習で主にしたこと。「グライドの姿勢で右足片足ジャンプ」。体幹を起こさないように。

 須河さんの課題は右足の引き込みですので、上記の動作のほかに、右足の蹴りそのものを強くすることを主眼に置きました。

 三橋さんには、この動作で得た地面からの力を投げにつなげることを自覚してもらいたかったので、さらに真上に投げてもらいます。あと、とにかく素早く動いてもらう目的で、連続投げをしてみました。

 東浦さんはこの動作ができません。できなさすぎです。覚悟してください。ついでにひねってもらいます。体幹をしなやかに使えない者は、股関節でひねり動作を作ることを覚えてもらいたいものです。

 西川君はWT。あせらずに。

 思い描いていたことの6割くらいはできました。三橋さんのシンスプリントが悪化するかもしれませんが。須河さんの腰痛には何の配慮もしてません。東浦さんの足首も同様。


3/20(火)

 毎日仕事もプライベートも充実しています。将来に向かって希望と野望に満ちた、エキサイティングな日々を過ごしています。オフは心身ともにリラックスした、心地よい時間を過ごせてます。

 全部嘘です。

 須河さん、三橋さん、東浦さん。メニューA。若干違うことをしているが。

 明日試合に出る人のために、試合を想定した投げになりました。須河さんは集中の仕方が上手いです。東浦さんは動きが良いです。でも3kgで、明日は出ません。三橋さんは日曜日、全般的に動きが良かったとコーチの間では話題にしてましたが、どうもシンスプリント再発の気配です。三橋さんには、今後スピード重視のWT・補強を嫌ってほどさせることになると思います。

 谷岡さんが野球のボールでクロスから投げをしました。いつの間にか上手くなっています。谷岡さんは明日、やりに出ます。

 今日は都合で来れなかった和田君も、明日出ます。「人間には自然治癒力があるから、怪我や病気は休んでりゃ治る。」これは悪質な詭弁です。無駄に健康な奴だけがこんなことをほざきます。


3/17(土)

 さむ。

 須河さん、三橋さん、東浦さん、和田君。メニューC。なぜだろう。和田君は事前に1時間弱の動的な補強を入れました。私がおよそ3年、アップとしてしていたメニューをベースにしたものです。一応自分でも試してからさせて見ました。結構しんどい。こんなこと3年も休まず毎日してたのか、

 須河さんと谷岡さんは昨日やりを30mほど投げてるようです。で、須河さんはその疲労で、左脚の内転筋と外側の広い範囲に痛みがあるとのこと。手首の痛みがまだあって、最後の一押しができないので、右足を引き込んでから突き出すまでの動作を「もう一押し増やす」ようにしてるようです。なかなかどうして。素晴らしいじゃないか。

 三橋さんは昨日リバースを教わりました。詳細は知りませんが、いっぱいいっぱいになってたようです。丹羽コーチ曰く、「あいつは自分のできる範囲でしかものをしない」。含蓄含みまくりですね。で、今日の動きなんですが、体幹がすぐ起きてしまう癖のある彼女に、体幹を起こさず寝かしておくように指示すると、右足接地から左足接地のリズムが極端に間延びするという、もう一つの悪い癖が出てしまいます。体幹が起きてしまうのは、このリズムを速くしようとした結果とも言えます。ただし、リバース(止まるための減速技術ではなく、より前方でリリースするための体側入れ替え技術)を完成させたら、これらの欠点は一気に解消するかもしれません。私はそう思ってます。だから、少々突っ込もうが構わず投げ続けたらきっと結果が出るはず・・・と思っていたら、寒くなって彼女のテンションはスイッチを切ったように消滅してしまいました。暖かかったら、そこそこ良い結果が出たのではと思います。

 東浦さん。「足首が完治していないので、まだ3kgで投げます。」・・・意味がわかりません。どこにも理由が見当たりません。で、結局腰高のその投げを続ける、と。ふーん。そういうことでしたら、目線の高さで投げる砲丸を目指すという風に解釈しておきます。

 和田君は、投げでは軽いものから入ってもらいました。今の彼に必要なのは、目一杯動いて、現在の殻を破るきっかけを見つけることだと思います。一回の練習で、「動ききったぞ」という感触を必ず得るようにする。そのためには、動かす習慣のなかった部位を積極的に動かす。それも大きく動かす。今回の練習は、それをかなり意識したものになっているはずです。負荷の割にはかなりきつい。まだまだ股関節と体側が硬いです。

 「地面反力を利用する」という言い草は、自分の体を苛めて鍛えることに倦んできた輩の、体の良い言い訳としてもよく使われます。大体だな、(〜説明は省略だ〜)、地面反力を得る秘訣は、自分の質量をバウンドさせる身体姿勢と、その直前の「速い」動きにある。だから、動きのとろい奴が地面反力云々とほざくのは百万年早い。自分の体の重さに苦労してるようなレベルの者が口にできる代物ではない。自分の体の重さを、重力に任せて自由落下させる。これがわからないなら、無心に毎日ヒンズースクワット100回してるほうがよっぽど意味があると思うぞ。


3/15(木)

 須河さん、三橋さん、東浦さん。

 メニューA・・・?

 須河さんの手首の痛みが取れません。イメージが悪くなっていますので、投げを減らします。久々に短いダッシュを後半に入れました。三橋さんはノーグライドでもグライドでも9m半ば。少しイメージ悪いです。多分俺のせい。明日丹羽コーチに修正してもらってください。東浦さんには右脚のフルスクワットな補強をいくつか。浅いスクワットなんざ体重の2.5倍〜3倍できても何の足しにもならないので。

 砲丸のことを考えるとわけがわからないのでこの辺で。


3/13(火)

 喋るのが億劫だ。

 須河さん、三橋さん、東浦さん。メニューC。昨日休んで、このくそ寒いのにみんな動きが軽快。

 須河さんはリバースをつけて12m手前。ファール有りだと12m60。ポイントは上体が立ってしまうかどうか、だけ。良く動く。手首の痛みを長引かせたくないですね。

 三橋さんは快調。9mはいつでも投げられるが、グライドをつけるとこの人も上体が立ってしまう。でも総合的に見て、今日は良く動く。特に凹むこともなく帰っていきました。腰が痛いのは何故でしょう。

 東浦さんには、右膝の低い屈曲から立ち上がって体幹を起こす動作を覚えてもらいます。どんな投げの技術をしようが、覚えてもらいます。膝が痛くなること必至だが、もう黙って傍観している場合でもなくなってきましたので。今日の動きは悪くない(と言うよりは、予想以上に良い)ですが、やっぱり左足首が気になる様です。そろそろ正規の重量で投げてもいいと思います。


3/11(日)

 痛くて苦しい。

 開放日。須河さん、三橋さん、東浦さん。メニューB。今日は抜く。そして明日しっかり休んでくれ。

 須河さん、手首が痛い。昨日から。三橋さん、8m50はいつでも投げられる。でも、最初に体幹を倒すこと、体重移動をすることをすぐに忘れる。投げる前にポイントを確認しよう。東浦さん、痛めているのは本当に足首だけなのか。膝もじゃないのか。さらに、あれだけ体幹がすぐに立ってから突き出しをするというのは、痛めていないはずの右脚を痛めているからでは、と思うのは私だけか。でも3kgで10mをノーグライドで投げられる。

 三橋さんに、脚の屈伸と蹴りを生かした体重移動をどうしても教えたいのだが、わからない。体重移動は重みの移動だけではないんだ、ということをわからせたいんだが、上手くできない。

 東浦さんは、深くしゃがんで立つことだけができるようになれば、たぶん体幹の使い方もうまくいく。でもここぞ、という時期に下半身の怪我が続いて、試す機会がない。

 鼻炎薬やら痛み止めやら風邪薬やらを飲みすぎて、いろんな副作用が出ている(詳細略)。


3/10(土)

 今、まさしく生活のあらゆる場面でアウェー。

 須河さん、三橋さん、和田君、堀田さん。事前のWTは、私の都合で中止です。メニューは多分A。

 砲丸3人は全員いつもより1m上。見ているのは丹羽コーチ須河さんが13m、三橋さんが10m、和田君が10m。三橋さんは昨日の練習で既に「結構良いです」と丹羽コーチが申しております。映像を見る限りでも悪くない。相変わらず右→左足のリズムが遅いですが。和田君は、今日は目一杯動くことを重視して、少々上下動があっても良いからグライドで大きく跳ぶことにしたのだそうです。須河さんは今日はよく見てないし、本人とも話してません。

「やっぱり指導者が違うからかしら」・・・それ言っちゃおしまいです。堀田さん。立ち直れません。これでも気にしてるのです。

 堀田さんには、今日も主に1クロスからの突き刺しをしてもらいました。半年前までは助走を軸にした全体の流れを中心に練習。今は、クロスから投げのリズムを軸にした練習。リラックスしてスピードを上げて、リズムを高めて投げに一気に力を上乗せする。後半の部分が今の練習です。弾性に富んだ、強靭な振り切りを目指します。準備はできてるはず。難しい練習をしているとは思いますよ、確かに。

 今日は砲丸3人が実に充実した面持ちでございました。ああ楽しそう。


3/8(木)

 どうすればあの帽子を地毛と間違えるんだ。

 参加者は須河さん、三橋さん、東浦さん、和田君。メニューC。須河さんと三橋さんは筋肉痛です。なぜかしら。

 須河さんの練習に、「攻める」感じがなくなっているように思えるのは気のせいか。今の良いイメージのさらに上を目指すくらいでないと・・・と思います。

 東浦さんはWTを倍にして、投げの合間に突き出しのアイソメトリックを入れてみました。でも本人は気付いているのでしょうか。足首を痛めてから最も動きが減ったところは、体幹の起こし回転であるということを。今こそ、体重を右足から左足に完全に移動しないと体幹を起こせない(それは起こせないのと同じだ)という欠点をどうにかするチャンスだと思うのだが。正直、難しいことなので、何も言ってません。体重を移動しきってからは何をしてもさほど意味はない、と思ってるのは私だけかもしれない。

 三橋さんには疲労が見られます。体重移動がない。押さずに脊椎を中心に体幹を回している。砲丸の持ち方にも違和感があって、持ち方は須河さんに教わってもらいました(私の持ち方は自己流で、ちょっと特殊です)。股関節は相変わらず硬いので、股割りを少ししてから投げます。投げの合間には体重移動を意識してもらうためにサイドステップをしてもらったのですが、どうもこちらが考えているようにいかない。速く動いているんですけどね、「速くない」のですよ。

 どうも、これまでサイドステップを教えた者にはない要素があるようです。「サイドステップを地面すれすれに”速く”」という指示を出すと、多くの人は1歩1歩が間延びして、なおかつ上に跳ぶ傾向があります。だから「地面すれすれに」、「前足に重心をかけるように」という指示を出します。1歩1歩そのものを速くさせるためです。三橋さんの場合、最初から細かく刻んで動きます。1つ1つの動作はすごく途中で終わっている感じがするのですが、全体で見ると速い。予想外でした。今改めて考えると、この動作イメージは「一流に見えないバスケットボール選手」に対して私が抱いている印象そのものです。動ききらずに動き続ける。NBAになると印象はがらっと変わるのですが。一部の球技経験者には、陸上競技のフィールドのような「動ききる」運動というのがすごくやりにくいものなのかもしれない。そういえば、東浦さんもバスケットボール出身です。まあ、この話は今思いついたことで、確証できることは何もありません。

 和田君は、投げの合間にサイドベントをしつつ、体重を曲げた側と反対方向に大きくシフトしてもらう、って何言ってるかわかりませんね。そんなことをしてみました。投げのイメージがいまいちなので、6kgの軽い砲丸での投げを交えます。

 さて、土曜日の3時半から、またもやWTをします。各々自腹で。今のところ参加者は和田君だけです。正直、終わってからさらに2時間練習するわけだから、中学生には勧めません。堀田さんにも連絡はしません。多分とんでもないことになってしまいます。通常の2時間でみっちりする予定です。須河さんと三橋さん、谷岡さんは明日、丹羽コーチにしごかれてください。そして皆さん、日曜もありますよ。


3/6(火)

 はるか上空までぬけるような青い空。まだまだ肌を刺すような冷たい風に乗って流れる雲。そして全身を包むおだやかな陽光と目に見えない花粉。

 須河さん、三橋さん、東浦さん。メニューB。

 須河さんの奮闘は続く。他人の目には順風満帆に見えるかもしれないが、実際はそうでもない。結果は突発的に、堰を切ったように現れるので、滞り、悩み、「わからない」と言っている時間の方が圧倒的に長い。今日は12m30が2本。完成度はかなり低いまま。

 東浦さんの怪我が長引く。だが、完治するのを待っている余裕は彼女にはない。本人がそれを自覚しているかどうかは知らない。技術よりも、運動してエネルギー代謝をする、ということが、この人に最も欠けている要素ではないか、と最近思う。

 三橋さんが丹羽コーチに投げを教わる。(西川君も須河さんも、かつて一つ一つの動作を懇切丁寧に教わったと聞いている)股関節が硬いので、股割りとストレッチを改めて教える。今日の収穫は、スネークモーションができるようになったこと。年明けに走りが良くなっていたらしい、ということと合わせて、方向性がおぼろげながら見えてきたような見えてこないような。

 で、明日は三橋さんが須河さんちまで行って、円盤を投げるとか。学校の違う女子中学生が、申し合わせて電車で移動して待ち合わせて、投擲の練習をする図。さすがにそれに萌える野郎はいないだろう。


3/1(木)

 3月1日は豚の日だそうです。

 参加者は須河さん。メニューC。いつも塾に余裕かまして遅刻している須河さんが、今日は早々と切り上げて塾に向かいます。

 「骨盤の横回転を強調しない投げ」が、新たな段階に入りつつあります。今はまだ、グライドの勢いを利用しないと万全な動きにはならない。ノーグライドでの動きは??なところがまだあります。しかし、これは本人にも話してありますが、この先1ヶ月以内に、ノーグライドでの動きの精度が上がって、グライドでの動きが極端に悪くなる時期が必ず来ると思います。幸いにも、年度変わりの時期で練習時間はたくさんある。これを乗り越えたら、完全にニューバージョンです。

 テスト明けで久しぶりに須河さんのことを見るであろう他の中学生たち、ショックを受けないように。大分先に行っちゃいました。

 土曜は夕方からです。


2/27(火)

 さて今日は・・・仏壇の日、新撰組の日、ドミニカ共和国独立記念日。前者2つは誰が決めたのだろうか。

 須河さん、おなじみ田中君、堀田さん。メニューB。堀田さんにはやりを投げてもらいます。残り2人は丹羽コーチにお任せ。

 堀田さんは、運動の継続ができていなかったこともあり、体力が落ち気味です。練習は、メニューBの流れに則った上で、投げはやりの突き刺しをメインに置きます。ただ、以前は助走からのよどみない流れを重視していましたが、今回からは「投げる腕」の作り直しも兼ねて、ラスト3歩からの力強い振り切りを軸に投げを組み立てていこうかと。まあ、助走・クロスもしますけど。前と同じくらいには。さらに、肋骨を痛めた反省から、体幹の使い方に触れる必要性を感じています。今日も腰にきたようなことを言っていましたが、骨盤の前傾・後傾を意識できるようにはしてもらいます。腸腰筋(いわゆるヒレ肉)は、加齢と共に衰えること間違い無しの筋ですし、こいつを鍛えて日常生活を楽に送ることができれば、私達も言うことありません。

 私の大学時代の恩師のさらに恩師が言ったこと(概要)。「競技者の生涯スポーツ?んなもん現役続行だろうが。」私の言いたいことのほとんどが、この言葉に集約されています。


2/24(土)

 今日2月24日は、月光仮面の日、鉄道ストの日、地雷を考える日、そしてクロスカントリーの日。1977年にイギリスで、クロスカントリーの統一ルールによる大会が開催された日だそうです。・・・統一ルールって何でしょう?

 須河さん、和田君、東浦さん。特例でやりが投げられるようになったのに堀田さんが見えません。メニューA。プライオメトリックなジャンプを追加。投げを45分にして、トレーニング場を借りてWTをしてみます。

 須河さんが「よく蹴れてる」と言うときは、「よく弾んでいる」感覚に近いものがあるようです。足が地面に居ついてしまうようなときは、体調に関係なく、地面をこねてしまう。試合のアップの方法の示唆になるでしょう。

 和田君が投げの早々に脇腹を痛めました。もともと、体側や大胸筋を大きく伸ばす感じが少ないのですが、それがもろに影響していると思います。今日は、以前から計画していた、「高負荷なWT」を導入してみようと思います。もともと彼を練習で苛め倒すために計画していたことです。

 東浦さんは回復してません。しばらくかかるでしょう。

 WTは、SQ、ラットマシン+BackP、BP+DL、Rowing.。最初なので、思ったようにはできませんでした。気付いたことは追々書きます。和田君はまずまずの追い込み。須河さんはこの後、家の近くでジャベリック投げ込みを谷岡さんとする予定なので、追い込んでません。東浦さんは、普段のWTが抜き過ぎであることが判明です。

 トレーニング場でのWTは無料ではないので、今後も希望者しか実施しません。


2/22(木)

 2月22日は猫の日。そして食器洗い乾燥機の日。

 参加者は須河さん。メニューC。ハンドバウンディングの相手ができそうにないので、ハンドボールのキャッチボールに変更。

 どうも良くありません。「左足を開いて着く」ように、というのがどうもしっくりきていないようです。股割りをさせてみると、爪先は開いて接地できても、膝は開かないので、膝を開くように大腿を回外させると、骨盤が一緒についてくる。つまり「体が開く」。では回外を意識させると、足をその場でこねるような動きになってしまう。今までは意識しなかったことを、1投1投確認しながらの投げになりました。

 新しいことは何もしていない。これまでは、特に意識してなくてもできていたことです。今までは無意識に上手くできていたことが、調子を崩すことによって、その部分を対象化して対処せざるを得なくなる。だから、再び動きが良くなったとき、それまでとは違って、自分の体の動きの把握が深く、繊細なものになっているはず。そう期待しよう。

 てな具合で練習してましたが、今日来ていないほかの中2に、同じのりで練習させられるか、すごく不安になってきました。何が正解なのかさっぱりわかりません。


2/20(火)

 軽いボディーブローを打ち続けられ、最後に顎の先端をピンポイントで打ち抜かれて、カウントするまでもなくKO負け宣言。そんな1週間でした。この1週間で食らったダメージはしばらく続きます。

 西川君が入試明け。結果は如何に。須河さんが疲れも抜けてピンピン。メニューB。

 改めて見ると、西川君はやっぱり上手いのでした。でも夏と比べると・・・ではありますが。須河さんが西川君の動きのレベルに達すると、全国入賞ってなことになるのかもしれない。右足の引き込みと、リバース時の上体の突っ込み。この2点は課題だらけです。


2/18(日)

 スポーツの良さを次世代に伝える、というのは、どういう風にすればいいんでしょうね。

 私は実は野球がそんなに好きではありませんでした。その理由は、同世代の関西人なら同じ理由の者もいると思います。「○神ファン」が鬱陶しいのです。この際詳細は述べない。大学進学後、ミスター万歳な「○人ファン」が鬱陶しい、という理由で、野球が嫌いになった者にたくさん会いました。「純真という言葉の意味を知っているのか」という憤りで、高校野球が大嫌いな人にも会いました。ついでに言うと、ラグビーも嫌いです。小学校の恩師が、それはそれはラグビー好きで、何かあればラグビーを讃える。サッカーやバスケットボールといちいち比較して、ラグビーがいかに優れているかを語る。だから嫌になりました。残念ながら、うちの親父は昔からラグビーが大好きです。親戚は高校野球が大好きです。もちろん例外なく○神ファンです。スポーツが嫌いになるきっかけとして、”猛”練習で嫌になったというのはよく聞く話です。だから、楽しくすればいいんだ、という理屈が、案外抵抗なくまかり通っています。だが、自分のあふれんばかりの愛情を強調することで、それを嫌う人間を密かに増やしている、という危惧を抱いたことはありませんか?10数年勤めた塾講師の時代、そんなことを毎日考えていました。受験勉強なんて、大学入試レベルでも「学問」と呼べる代物ではない。すごくいびつで、労力と相反する「トップレベルの低さ」。ついていけない者をあぶりだすことはできても、2〜3年に一度の秀才程度もろくに見つけられないシステム。今苦労して身につけている「教養」まがいのものに道筋を示して、人類の英知の最先端に行けるかも知れない、と思わせるにはどうすればよいのか。結論はいまだに出ません。最近、また考えるようになりました。

 須河さん、和田君。東浦さんが親子で別メニュー。とりあえずA。最初の遠投がパス回しになって、後半の補強がキャッチボールになって。

 えー、見事に昨日からの疲労を残しています。大腿四頭筋ではなくハムストリングスというのは想定範囲内ですが、フレンチプレスで上腕三頭筋が張ってるというのは想定外。丹羽コーチ曰く、須河さん「すぐ上体が立ってしまう。右足の引き込みができない。」和田君「投げの方向があってない(砲丸の下にもぐりこめないから)。目線が下を向く。」など。須河さんは投げの後半でリバース練習をした後に、上体を起こさずにグライドができるようになって、突き出す距離が抜群に伸びました。和田君が砲丸の下にもぐりこめないのは、重さ負けしているからですが、投げの姿勢で体幹が大きく弓なりになるのと無関係ではないのかもしれません。もう少し考えます。

 なぜか衣笠さんにハンドボール投げを教えることになりました。肩の位置を身体の真後ろに。肘の高さを肩より下げない。掌は上に向けて、無理にボールを握ろうとはしない。手首を少し返してロックして、スナップを利かせず、少し左方向に引っ掛けるつもりで投げる。右斜め上に抜けたら失敗。・・・実はこれ、ドッジボールの投げ方なのです。これで体幹を倒しながら腕の軌道を縦にできたら完成。サッカーのゴールキーパーの投げ方、でもあります。ドイツのやり投げが、こんな動作をベースにしているような気がします(R.Hecht,B.Henryとか)。アメリカの民間警備会社のマニュアルにあった「手榴弾投げ」もこれに似ていました。「放り投げる」、そんな言葉がぴったりです。ハンドボールをしっかり握れない女子には、これが一番手っ取り早いと思います。うまくいけば22mくらいかな。頑張って下さい。


2/17(土)

 誰も記録会に出やしねぇので、奈良に帰ってきて8年目、奈良市の記録会の審判をホント久々に欠席です。まあ、今年はしないことが多くなるでしょう。

 須河さん、和田君、君、津村さん。堀田さんは来てませんが、やり投げの件は競技場サイドでいまだに結論が出ていないようです。

 冬らしい、追い込む練習をしてみるか、ということで、やりも投げられないことだし、ここは一発「投げない」日。

・w-up
・WT
 HC+J_SQ+SN(SNができる重さで10/2)
 膝を伸ばしてDL(シンスプリント、肉離れを防ぐためのハムストリングストレッチ)
 J_SQ 3種類
 SQ-BackPress
 SideRange
 FrenchPress
 どれも2セットずつ。
・バドミントンのハイクリア+ハンドボールのキャッチボール

 WTを上肢、体幹、下肢とバランスよく配置して行うのは、練習頻度が高いからこそ活きてくることだと思うので、あまりしてなさそうな人たちには、1時間かけて下肢のみをWTだけで追い込んでみようと思います。どの種目も最大負荷の6割未満だろうから、セット間のインターバルは脈拍が8割回復する程度にして、種目間のインターバルをほとんど空けない。考え方は、厳密なサーキットトレーニングと同じです。種目選択は、動的なものを選んで、かつバリエーションを増やす。飽きないためです。動きの専門性を要求しないなら、こういうやり方で練習すると、二度と同じ練習になることのない、刺激的な練習になります。WTなんて工夫次第です。正直、今回は見ていていろんな発見がありました。動かんもんだねぇ、案外。

 バドミントンのハイクリアは、かつて私が好んでしていた練習です。下手なりに汗だくになってしてました。体幹の後傾と、後ろから上に力を抜く練習。・・・私が予想していたのとは全く異なる光景がそこに。

 明日は投げましょう。


2/15(木)

 中学生って、忙しくて波乱万丈で、楽しそうだねぇ。でも「それがいい思い出になる。若いうちの悩みなど、人生の中では些細なことに過ぎない」などとは決して言ってあげません。そんなの、大嘘だからです。

 須河さん、三橋さん、途中から谷岡さん。練習メニューはC。途中でジリ貧になったので、投げの途中で切り上げてWTになってます。

 須河さんは自覚しているように、下半身のキレがありません。「病み上がり+寒さ」ならではの状態です。しきりに800mを走りたがってましたが、気持ちはわからんでもない。今、体が求めているのが、そんな追い込み。でも残念ながら、まだ早い。もう少し、動くようになってからしましょう。今の状態では疲れるだけで、故障するかもしれません。

 三橋さんは途中から動かなくなりました。今日は許してあげよう。寒いから。

 谷岡さんがひそかに砲丸が上手くなっています。右足加重から右膝で体を押し上げて、後傾した体幹を起こす動作は、やり投げにきっと活きてくるでしょう。

 近い将来、若さゆえの安易さ、愚かさ、その場しのぎの無計画さを後悔するときがきっと来ます。その積み重ねで、いつの間にか、人生で知り得たことよりもわからなかったことのほうが多いという現実に直面することになるのです。


2/13(火)

 奈良教育大に行ったら、学生がいなくて器具庫も鍵が閉まっていた。最初は丹羽コーチがノック(?)。須河さんと谷岡さんはやりを投げた。三橋さんは延々とボールを投げた。投げ終わったらジャンプをして腕立て伏せをした。・・・シンプルな練習だ。

 谷岡さんにやりを初めて教えたとき、身体前面の筋力が顕著でしたので、「高い保持から腕を振り下ろす」という動作をベースにすることを考えました。ですから後方へのやりの残し、身体後傾から起こし回転などは、今教わってしています。技術の優先順位も、リリースから遡るという構造になっています。

 須河さんの場合、やり以外のものを投げる習慣が既にあったため、やり投げは「既にある投動作の改良」というかたちになります。具体的には、「テイクバックにおいて肘から先の動作が制限される」という、やり投げの最大の特徴を身につけることです。もっと簡単に言ってしまうと、投擲物(やり)をいかに固定するか、ということですが。この2人は投げの技術階層構造が根本的に異なります。同じことをしてはいないのです。

 三橋さんの場合、この2人とも異なる投げをします。と言うよりは「各々の身体の基本イメージの違いがそのまま投げに表れている」というのが正しい。須河さんのような、一昔前の日本男児(誰もが野球をしている)な投動作でもなく、谷岡さんのような、筋力のすべてが身体前面で発揮されるような投動作でもない。身長もあることだし、重心を上下にコントロールするような身体イメージと投げができてくれたらいいな・・・ということで、谷岡さんとは全く逆のアプローチ、「ものを後ろから高く投げる」動作をベースにできないか」と考えています。この動作をベースにする根拠はもう一つあって、砲丸投げにつなげたい、というのがあるのです。あくまでも最初から上に投げる。具体的には、胸を張って、肩甲骨を背骨の方向に締めて、力を上に逃がす。キャッチボールでもロングトスをさせてます。上に逃がすのを失敗すると、右に抜けます。欲張って引っ掛けて、左斜め下に叩きつけることもある。バドミントンのハイクリアなんかいい練習になるんじゃないかな・・・と企んでいます。

 本音を言うなら、三橋さんの運動経験の一つであるバスケットボールの要素をどこかに加えたい。なぜしないのか?わからないからです。バスケットボールが。たとえば東浦さんの場合、バスケットボールの経験は、ピボットターン的な身体半転に表れている。よくよく考えてみると、この人はこの動作がすべての起点になっている。

 さて、三橋さんの動作の起点は何だろう?バスケットボールはどこで生きてくるのだろう??わからないのです。考え中です。もう少し時間を下さい。

 東浦さんは学校で捻挫をしてMRIを撮りに行きました。練習にはしばらく来ない。

 今日は三橋さんが何か知らんが楽しそうです。感情の振り幅がもっぱら陰の方向に偏っている私には、陽の方向に大きい彼女が眩しく見えます。

 今の私のテンションが上がらないのは、夏とは違って、ただ腰が痛すぎるからです。眠ることもできません。そこんとこ、わかってくれるか三橋


2/10(土)

 2月9日は肉の日。毎月29日も肉の日。その9日から右腰の激痛で目が醒めて、痛くない姿勢が全くない状態が続いています。右の下半身は全部痛いです。肉食うどころじゃありません。天気が悪くなる5分ほど前には痛みがひどくなります。山羊の雨予報よりも使えない天気予報です。寝ても立っても座っても痛いのに、どうやって休めばいいのでしょう。

 堀田さんの御帰還です。別にどこにも行ってたんじゃないですが。いつの間にか、堀田さんの肋骨を折ったのは私、ということになってます。他の参加者は須河さん、東浦親子、和田君。メニューは再びA。

 須河さんは「もう熱が下がった」などと言ってますが、どう見ても病み上がりです。ポイントは右足の引き込みのみ。11m越えは1回だけ。普通に、途中で練習を自ら切り上げました。その須河さんに与えた3月の課題。「21日の試合では6本中4本11mを越えること」。11mというのを100ある力の60で達成できる程度の、レベルの低い次元で達成できるようにしておく。

 東浦娘はあまりいい投げとはいえませんが、それなりの工夫は続いています。今日は以前のイメージが半分くらい出てきています。父親はよくわかりません。

 和田君は体が「流れる」。そうとしか表現できない。まだ時間がかかりそうです。

 堀田さんは様子を見ながらの練習。また折れたら元も子もないですから。競技場で変則的にやりを投げられるようになるかどうかの結論は火曜に出ます。

 今痛くないので、眠ります。


2/8(木)

 堅実なリアリストであれ、大人気ない夢想家であれ、足を踏み出すためには(それが実際に踏み出せるかどうかは別にしても)、「現状の把握」、こいつは欠かせない。現状をきちんと認識せず、思いつきでぺらぺらしゃべることなど、覚悟のできていない、肝の座ってない戯言に過ぎない。決意でも理想でも箴言でも提案でもない。寝言は寝て言え。迷惑だ。あれだ、オリンピックとかの後に性懲りもなく出てくるあほな意見、「日本人はパワーが足りない」、「精神論・根性論だけでは通用しない」・・・あれと同じだ。だから、いい年をした大人は、ちょっとした決意表明にしても、現状を真摯に把握しつつ、覚悟を持たねばならない。ましてや他人を引っ張ろうものなら、その現状把握と覚悟を、引っ張っていく者たちにも持ってもらうようにしなければならない。間違ってるか?で、機は熟した、と思う。改めて言っておくぞ。

 中学生は全員、全国大会と名のついたものに行く。連れて行く、などとおこがましいことは言わない。行くんだよ。仙台で牛タンを食べて、横浜でシュウマイを食べるのよ。

 ああ、言ってしまったよ・・・

 メニューはA、のはず。東浦さんだけです。須河さんは風邪をひきました。

 ここんところ、いい感じなのです。今回は3つ試してみました。

1.突き出しの姿勢から逆再生するように動きを戻して構えの姿勢になって、そこから反動を使わず一気に投げてみる。左脚のアクションが、平行移動しない高い重心を作ってるように見えましたので、そいつを封じ込めるというのが第一の目的。第二の目的は、突き出す角度をあらかじめイメージにインプットさせる、ということです。これが、見事にはまりました。

2.グライドの移動距離を80%くらいにしてみる。平行移動できないから投げが間延びする。だったら、間延びできない距離でしてみよう。投げ動作も80%縮小というイメージになる。ここは突き出しも真上のイメージで行う。今できる範囲で投げ動作を全うする。最近こればっかりですね、私は。成功率は半分。本人も目指していることが見えてきたように思います。

3.2の動作で距離を狙ってみる。こいつはどうかな・・・と思ったのですが、「(足留めに向かって)一点に力が集中していく感じ」だそうです。投げ終わった後、左足を踏み出す躍動感は以前にはなかったものです。とりあえず、飛距離は久々の11m(3kg)。今度はサークルいっぱい使って今の動きをできるように持っていかねばならんのですが。できたら13mだ。3kgで。

 さあ、次は誰だ?


2/6(火)

 メニューC。

 須河さん、東浦さん、田中君。

 暖かいのでそれなりの動き。練習時間は短め。コメントは特にありません。

 こういう暖かい日は、体調が上向きになっていると信じて、動いてみて、「あ、しまった」と思う人がいるものです。予想通り、「うちもうやばい。だめ。」と言ってきた人がいました。発した言葉まで予想通りでした。よく冷やしておいてください。痛いところだけじゃなく、シンスプリントの方も。わかりましたね。


2/3(土)

 中学生には全員全国へ行って貰おう。高校生はとりあえず全員近畿だ。そうなると、男子やりは6人全員私が少しでも関わった者たちになってしまう。夢みたいな話だな。女子やりも2人がトップ3の牙城を崩そうものなら、そりゃもう笑いが止まらん。しかし誰一人として、直接の指導者は私じゃないんだが。

 須河さん、東浦さん、三橋さん、和田君。メニューB。

 須河さんは谷岡さん共々、疲労をためています。昨日もあまり芳しくない練習だったようです。疲労などによって投げを制限するとき、投げ動作の一部分をカットすることはできるだけせず、現時点でできる強度で投げ動作を「完全に」行わせるようにしています。今の腰の疲労は、体幹をあおる動作ができてきたことによるもので、この動作を失わせずに疲労を抜きたい。

 東浦さんはグライドを地面に平行に行うのではなく、10度くらいの角度で上げていくようにしてもらいました。投射角を上げるために、投げ動作そのものに角度をつけます。グライドの最初の重心を低くするという狙いもあります。最初の姿勢を低くして、斜め上にグライドする動作ができれば、おそらくその時点で体幹の起こし回転ができている・・・はず。その上で、突き出す腕を45度以上にできて初めて高い投射・滞空時間の長い投げができる・・・・・・はず。おそらく、膝・腰の負担が今以上に増えます。そして試練が待っていることでしょう。

 三橋さんは、とりあえず、よどみなく動き続けることができるようになったばかりです。次は「スピードの上乗せ」。具体的には、左足への体重のかけ方、グライド動作、リバースの方法・・・これらがすべて含まれます。本人も既にわかっているでしょうが、ここで壁にぶつかること間違いなしです。しかし、目先のことにあせって、今できていることをないがしろにするのは避けたい。で、やっぱり大腿裏の痛みが戻ってきてます。おそらく、肉離れと同系統の痛みです。律儀に冷やしているようなので(感心感心・・)、悪化はしないと信じたい。

 和田君は、最後のピースがどうやら「グライド直後の支持脚の引き込み」でほぼ決まりです。いかに左脚(左利き)を身体の真下に正確に引き込めるか。これですべてが劇的に変わる予感がします。そういうことで、技術の優先順位を変える必要がありそうです。彼には再来週以降、土曜の午後の時間にWTをトレーニングルームで別に行おうか(200円払って)、という計画を考えています。ついでに私も。今のところ、参加者は他にいません。

 私は自らの実践でも指導でも、レベルが高いわけではないが競技志向が強い。「楽しさは目的の達成と自己実現の中だけにある」。この姿勢はもう包み隠さないことにします。


2/1(木)

 今から、思っていることを率直に書く。これを読んで、自分が嫌われている、叱られていると思うならば、勝手に思ってもらいたい。その程度のことしか思えないような者には、次の言葉を投げかけておいてあげよう。古来より、多くの人々によって語られている言葉である。

曰く、

「人は、自分が見たいものしか見ないし、聞きたいことしか聞かない。」

 メニューはA。須河さん、東浦さん、三橋さん。

 寒くなって3人ともどうしようにもない状態です。まあ、そういうこともあるんだが。

 須河さんは、腰に疲労をためました。グライドもできないし、左足に体重をかけることもできない。投げ以前に、走る動作からして腰痛が見え見えです。だから、今日は練習を早く切り上げます。まあ、この人はいいんだ。練習中の会話で伝わることが多いから。

 東浦さん。あなたは高くなんか投げていない。左腕だけの操作で、投げの角度が上がると思ったら大間違いです。左足で地面の反動をしっかり伝えても、角度なんかできません。砲丸投げは、他の投擲種目よりも顕著に、最初から投射角度を作ってあげない限り、「絶対に」高く飛んでいかない。なぜだかわかりますか?砲丸投げは「突き出し」だからです。円盤投げのように、空気による揚力は発生しないし、やり投げのように、投げ動作の中に投擲物をリフトする要素が含まれているわけでもない。腕を突き出す角度よりも、低い角度でしか砲丸は飛んでいかない。当然、ご存知ですよね?だから、砲丸投げは最初から、地球の重力と真向勝負するつもりで角度をつけないと、まず投げが成立しないのです。あなたは、昨年の秋頃の、調子が良かったイメージを引き摺ってはいないか?調子が悪いときには、調子が良かった頃のことを繰り返していれば、調子が戻ってくるなんて、本気で思ってはいないか?それとも、ひたむきにがむしゃらに、無心に何も考えずに、ただ投げ続けていれば、結果がついてくるなんて虫のいいことを夢見てはいないか?中学生のあなたにここまで言うのは酷だろう。が、あなたが高校生なら、「真面目にしてるのか?」となじります。学生・一般なら何も言わず、鼻でせせら笑います。どんな投げを目指しているのか、正直私には見えていない。しかし、「高く投げる」つもりなら、同じことを繰り返すのではなく、工夫してください。していないこと、できないことは、「考えていない」のと同じなのですよ。競技者の立場では。

 三橋さん。私はあなたには、あくまでも「初心者」として接しています。まず、その点を忘れないように。それでも、初心者という言い訳がどこまで通用するのか、疑問を感じずにはいられない。私も丹羽コーチも、あなたにはずっと同じことを繰り返して伝えようとしていることをわかっていますか?ただ、「高く投げろ」としか言ってないのです。言われたことがすぐできるなら、指導者なんて要らない。それは認めよう。あなたに「足の角度が云々・・・」という類の説明をすると、混乱してしまうことも知っている。それでも、あなたは過去2回だけ、こちらの説明が見事にはまって、予想を上回る結果を出したことがある。「跳んで投げろ」と言ったときと、「真上に投げろ」と言ったとき(この前)です。あなたはその結果を、自分なりに振り返り、解釈しなおす努力をしていますか?していたら、うまくいかなかったとき、過去にうまくいったときのことを思い返して、その過程をもう一度辿り直す、くらいのことはできて当然ですよね?この前の、「真上に投げろ」という指示がはまったのは、足が痛くて重心を前に移動できない状況があったからできたことで、今日のように、足の痛みが少し治まった状況では、以前の悪い状態に戻ってしまうことも、予想できるはずだ。なぜ、なぜしない?中学生のあなたにここまで言うのは酷だろう。が、あなたが高校生なら、「競技をなめてる?」と責める。学生・一般なら、もう競技者とはみなさない。私があなたに細かい指示を出すのをためらってしまうのは、あなたが真摯にこちらの言うことを自分で考え直す努力をするつもりがあるのだろうか、と感じることがしばしばあるからです。意地悪な言い方をすれば「目先のことで喜びたいだけか?」と思う。今の自分ができることだけしか耳を傾けないなら、今のレベルからは永久に上がることはありませんよ。ずっと初心者のままです。

 文章にするとキツいですが、以前から言ってることです。もっと練習中にはっきり言ってしまってよかったですか?


1/30(火)

 すぐ近所でノロウィルスが蔓延していることが判明した。

 須河さん、三橋さん、田中君。メニューC。

 須河さんは2回12mを超えました。本人曰く「丹羽コーチの日は調子がいいことが多い」とな。三橋さんは、上向いた調子を丹羽コーチに見せる初めての機会になります。「全国出場も狙える」と言われて、ハイテンションも5割増です。田中君はいいイメージです。

 にしても、三橋さん、体硬すぎです。

 他人を安易に褒めない理由は以前にも一度書きましたが、もうひとつ、個人的な理由があります。すぐ他人を褒める人間は信用できないのです。個人的にも社会的にも。「んな程度のことで褒めんなよ」とか、「何を企んでるんだ」とか思ってしまいます。考え直してもいい時期なのかもしれませんが。

 頭がごちゃごちゃして、練習中にどんなことを言ったかよく思い出せなくなってきました。


1/28(日)

 多分、誰の目にも具合が悪そうに見えてるんだろうな。原因は単に「粗食」。昔の人は偉大だ。

 須河さん、東浦さん、三橋さん、和田君。メニューB。

 距離のラインをしばしば読み違える。素で間違える。

 冬期練習が実際に身になっているかの目安は、2月です。だから、各々あせる気持ちが出てきて当然。でも中学生は7月くらいにピークが来るように仕向けても何の問題もないんですが。しかし学生や一般は、5〜6月に一度大きなピークを持ってこないといけない。それが日本の陸上競技スケジュール。

 須河さんの12mは現実的なものになりつつあります。ちなみにやりも30m程飛んでいるようです。どうするよ、奈良の高校生よぉ。東浦さんはもしかしたら今年は一般用しか投げないつもりなのだろうか?だったら納得できる練習の流れです。三橋さんは足が痛いことで「上に投げる」ことがスムーズにできるようになりました。これぞ怪我の功名。ただ、あせらないこと。今はこれがすべてです。和田君はリバースを工夫する必要があるように思います。そこまで一連の動きにしてしまうほうがいいんじゃないか。

 誰か、私がいつも巻いてる黒のベルト以外に、色鮮やかなベルトを巻いているのを見たことがありますか。「ある!」と力説して止まない人が1人います。私本人が「持っていない」と言ってるのに。その確信はどこに根拠があるんだ。


1/27(土)

 年を越えてから体調が全く戻らない。平熱が人より低い私は、調子が悪い時はさらに熱が下がる。昨日、小康状態の時に体温を測ると35度2分。頭痛がひどい時は多分これよりかなり低いのだろう。冷静に考えると、この数値は異常だ。冬眠でもするつもりだろうか。今年は熊でも冬眠しないのに。で、ふと思いついた。市販の風邪薬は、一般に体温を「下げる」ように作用するが、私が飲むには危険ってことだろうか?

 須河さんと和田君。短距離をリタイヤしてきた三橋さん。メニューA 。後半の補強は省略。

 須河さんはリバースがいい形でできるように奮闘中。和田君は16ポンドの重量で前回のイメージができるか奮闘中。三橋さんは満身創痍。でもハイテンション。

 三橋さんのハムストリングスは、レッグランジによる筋疲労です。痛みは軽い肉離れに近いものがあるようです。そういう時は冷やしましょう。痛みが落ち着いたら、今日教えたPNFもどきな補強2種類を気の向いたときにでもしていただければ。シンスプリントは、骨と筋の境目を足先から体に向かう方向で指で軽くなぞる程度のマッサージ(と呼べるかどうか)をしてください。骨と筋の境目に指が入って、骨の裏を触れるくらいになれば良し、です。くれぐれも、どちらも「無理やり」しないこと。痛ければやめる。

 もう既に日曜の朝なんですが、既に体が悲鳴を上げている。


1/25(木)

 通常、人間は脳内で「言語化して」思考する、と言われている。テキストがすごい速さでスクロールするのか、実際に音に起こせばすさまじい早送りでしゃべっているのか、個人差はあれど、とにかく頭の中で誰もが雄弁に言語を駆使している。ということは、思考はその人が通常用いるネイティブ・ランゲージの影響をもろに受ける、というよりも、ネイティブ・ランゲージの構造でしかかたちづくられない、はずだ。それを前提に、2つのことを試みよう。

 1.まとまっていない、漠然とした感覚を、無理にでも言語化することによって、感覚にかたちをつけてみる。

 今日の参加者は須河さんと東浦さんで、メニューはC。投げの最中に無差別に技術的な質問を投げかけてみる。

 曰く、
「砲丸に高さ、角度は必要か」
「高さ、悪度は具体的にどのようにつけるのか」
「左腕はどのように使うのか、その意義は」
「下半身を使うとは具体的に何を指すのか」・・・・

 その結果、それはそれは興味深い答えが2人から返って来ました。

 さらっとまとめると、須河さんは、モデルとなるイメージが明白で、そのための手段にも迷いがなく、ミスマッチもありません。ただし、それは完全というわけではなく、イメージがあやふやなところ=今できないこと、という、見事なまでの一致があります。言うなれば彼女はリアリストで、着実に命令をこなそうとする兵士の様でもあります。ただ、モデルのイメージはすごく現実的なレベルでしか設定されていません。高々12m。リアリストは下手な夢を見ない。つまり、指導者は常に新たなモデルを提示する義務を負う。丹羽コーチに対する信頼がなせる業ですが、独りで練習している者にはまず見られませんね、こんなタイプは。

 東浦さんは、ミスマッチです。まず、モデルとなるイメージに具体性がない。すごく教科書的な答えを出す。が、「どのように」という問いかけにほとんど答えられない。つまり、漠然としたまま。おそらく、モデルとなるイメージのレベルがすさまじく高い。それ自体は悪いことではなく、むしろ高い志と言えよう。その次だが、具体的な方法が、言ってることとしていることにとてつもない乖離(かいり)がある。聞いていて不安になるほどに。断じて言う。それは「努力が足りないから」でもなければ「まだまだ未熟だから」でもない。「言っていること=自分で認識していること」にまず自覚できていない矛盾があり、していることにも自己をきちんと把握できていないがための誤りがある。

 

 言い方がきついかもしれませんが、2人とも所詮中2と言うか。須河さんは、指導者がモデルを提示し続けない限り、前に進めない。彼女の体力レベルが以前よりはるかに上がっているのに、飛距離もそれなりに伸びているのに、なぜ今これほどまでに技術の混乱に陥っているのか。彼女は次元の上がった自分をいまいちイメージできない。なぜならばできないことはイメージできないから。東浦さんは、あまりにも自分をわかっていない。自分をすべてにおいて未熟、と評するのは、自分を見つめる努力を放棄しているだけで、謙虚でも何でもない。ただし、彼女は須河さんよりも自分にあったイメージを自分で見つけ出す可能性が高いと思います。問題は、それがいつ起こるのか、ということなのです。

 両極端です。結局、いつものところに戻ってくるのですね。実は他にも感じたことはあったのですが、それはまたそのうちに。

 で、

 2.言語化されて固まってしまったイメージを、頭の中から言語を遠ざけることによって、感覚を「ダイレクトに」捉えてみる。

 いわゆる、「考えるな、感じろ」です。身体運動をする者が必ず通る道。これも別の機会にしましょう。


1/23(火)

 体調が悪いどころの騒ぎではなく、朝は「今日は仕事の途中で帰らせてもらおう」と思っていたし、昼は「今日は仕事が終わったらすぐ帰ろう」と思っていた。仮眠をとって練習に来たものの、すぐに「来なきゃ良かった」と後悔した。とにかく頭痛がひどい。さらに、骨盤の左右両端に鋭い痛みがある。背骨の骨棘ができてるところはピンポイントで折れそうな痛みがある。眼球が「凝っていて」、あまり照準が合わない。もう細かいことを考えられない。ところで、風邪とインフルエンザの違いがよくわかりません。

 須河さんと東浦さん。メニューは今度こそB。須河さんの現状と、これからさせようとしている修正について、丹羽コーチに確認を取りました。私が思っていたことと大きなずれはなかったようです。ついでに丹羽コーチの考える技術についての確認も。この話はまたの機会に。

 須河さんは52.5kgでクリーン。筋力は確実に上がってるんですが、悩んでますねぇ。

 東浦さんには1つだけ「はっきり」問いたいことがある。「技術、磨きたいですか?」今のままで距離が伸びてくると思うんなら、別に何も言いません。

 門前の小僧云々という諺が示すように、脇で聞いていることがすんなり頭に入ってくる、という現象があります。これは、自分に対して直に教わっていることでなくても、他人が受けている指導を聞いていても自分のためになることが多い、ということです。だから、自分が直接指導されてないからといって、他人が指導されてるのを注目せずに聞き流す、というのは、教わる者としての心構えに疑問を感じます。


1/20(土)

 共通一次の時代からセンター試験の今に至るまで、なぜかその冬一番の寒波&悪天候になることが多いこの日、朝はそこそこ寒くなりました。でも昼間だ。暖冬だ。本来ならば投げるしかあるまい。しかし外周しか使えない。こんな日に限って、多種目・幅の広い年齢層の参加者になってしまったりします。

 須河さん、和田君、君、津村さん。

 須河さんは前日の奈良教育大での練習(やり投げ)時に今日の練習の指示が出ています。ちなみに奈良教育大には谷岡さんも行ってます。しかしすぐすべる土のグラウンドってのは、やり投げの習得に向いてない気がします。芝生が案外いいんですけどね。

 須河さんの練習メニューはBで、後半の走るメニューを短距離に合流して。投げはメディシンボールをすべて倍の10回。さらにメディシンボールのスネークモーションでの真上投げを加える。横から突き出す動作を矯正するために、縦回転を強調した真上投げをメインに組む。中学女子はメディシンボールの重量が正規の投擲物の重量と変わらないので楽です。

 他の3人は短距離に合流せず、個々にバリエーションを加えます。

 和田君は例の縦回転の習得を目指すのですが、グライドして前足がついて、体重移動して、そこから縦回転をしているように見えます。ですから、動作の開始時には既に肩が上がらない横回転が開始されていて、そこから無理やり縦に起こしている、軌道修正している。だったら、初めから縦にしか動けない状況を作り出せばいいのでは?というわけで、須河さんの縦回転真上投げに、和田君用バリエーションが加わります。

1.前足が接地する前に真上に投げてしまう。前足は空中の台上にあるかのように。
2.前足は接地するが加重しない。角度は真上より若干前。重量は1よりも軽いもの。前足が接地している分、体幹の角度は1より起きることになるが、投げる方向はまだ真上に近いのでそれ以上起こすことはない。
3.2の動作に幅を狭めたグライドを加える。前足への加重は嫌でも生じるが、積極的に乗せていくことはしない。重量は2よりもさらに軽いもの。
4.普通にグライドをつけて投げる。

 横回転が生じてしまうと、引っ張るor抜ける方向に飛んでいきます。うまくいったかいかなかったかの目安はそこ。砲丸の重みでばらつく体の動きを押さえ込むのではなく、軽い重量でばらつかない体の動きを習得することを目指す。だから、突き出しは最大努力で行ってもらわないと困る。彼の投げに「何かが足りない」と思っていた私の、私なりの答えが今日の練習です。

 君、津村さんには、投げの最初の段階で下半身〜体幹の重みを前にぶつけていくような入りをしてもらいたい・・・ということで、

1.スネークモーション
 実はここで思ったほどできませんでした。スネークモーションで前&真上をできるだけしてみようと思ったのですが、そんなに難しいか?そんなことではバサロとかバタフライとかできないぞって、言ってみたいんですが(要するに類似イメージがそのあたりだ)。
2.体幹を真正面に向けてのメディシンボール両手突き出し(体幹はひねる)。
 両手で突き出す目的は、開いて流れるのを防ぐこと。90度未満の骨盤の回転にどれだけ力を込められるかが鍵。
3.1の動作を2歩歩行から。体幹は最初から若干後傾して(膝に余裕を持たせて膝から上を後傾させるように。腰で体幹を折り曲げない)。
4.後方回旋オーバーヘッド投げ。
 後方の動作も投げ出しもリリース後の踏み出しも、すべて自分の肩幅のライン内で行うように。これより狭い幅でイメージすると、引っ張る動作が出てしまいます。
5.1-handオーバースロー。
 ボールを用いるときのの留意点は、ボールに正確なバックスピンがかかるように。
6.5にクロスをつけて。

 この2人は腕の振りに関してはかなりいいものを持っています。しかもこの冬で洗練された節がある。相変わらず土台が少し脆弱な感じはしますが。今日の練習は、土台を鍛える上での方向性を提示したつもりです。

 イメージ重視な練習でしたので、今日は余計なことをせずにそのイメージを持って帰ってもらいましょう、ということで、補強も走練習もなし。生駒高校の2人は、今日も腹筋を300回させられると思っていたようです。そういう日もある。ただし多分今日だけだ。


1/18(木)

 メーラーの改行設定をデフォルトのままにしていたら、ここの文章が不思議な段落分けになることがある。だから、田中君。

「別に憤懣やるかたなくもなければ失望もしてません。誤解ですってば。」

 須河さんだけでメニューA。一人なので多少省略。

 実はここ最近、ずっと同じことを練習中に訴えてきます。今日はそれに加えて、少し八つ当たりっぽいボヤキが入ってきています。いずれも練習・技術に関わることですが、さばさばした様子であっけらかんと話そうが、かなりストレスになっているように感じられます。そういうことは信頼できる人に相談しましょう。というわけで、練習後に丹羽コーチの元に行きましたとさ。

 疲れています。


1/16(火)

 まずは15日。

 須河さんと谷岡さんが丹羽コーチと共に奈良教育大学に行ってます。私は行ってませんので須河さんから聞いた範囲で。須河さんは「やりの尻が向こう側に落ちるように投げる」練習をしたら、体幹の起こす感じが何となくつかめた・・・とか何とか。私はこの練習をしたことがありません。興味深いですが、生理的に受け付けない感じもする。とても考えさせられます。いまだにまとまりきれてませんが。

 16日。

 須河さん、三橋さん、田中君(こう書くと一瞬誰だ?と思う)。

 メニューC。

 須河さんはもっぱら修正に始終。

 三橋さんはハイテンション。

 今日も一番いい動きをしたときに限って「違う!」と言う田中君。正直、憤懣やるかたない気分だし、とてつもなく失望もしている。その詳細を述べるつもりはない。

 だが一方で、私は自分が教えている(つもりの)やり投げで、実は密かに「これが一番いい投げ」と思っていることを誰にも教えていない。正確には、話したことはあるが指導したことはない。裏切り、騙し、面白がっていると言われても反論できない。

 そういうわけで、今日は技術の話は書きません。


1/13(土)

 帽子は帰ってきません。

 まず12日(金)。須河さん、谷岡さん、三橋さんの3人で、競技場外周にて投擲の練習をしました。主にメディシンボールを投げるメニューです。奈良教育大で丹羽コーチ、の予定が、二転三転して競技場外周にて私。

 須河さんは狂いまくってる砲丸のイメージの矯正、谷岡さんはとにかく1-handオーバースローの数を稼ぐ、三橋さんは円盤投げの導入。地面からの力を上に伝える、ということをどうにかメニューに組み込みたかったんですが、残念ながら奴らはみんな中2だった。欲張っているのは私だけだ。まあいいか。

 今日13日(土)。須河さん、谷岡さん、東浦さん、和田君。メニューはB。

 谷岡さんのWTにBackPressを加えました。Throwは砲丸のノーグライドの合間に、ロープを引っ張っての肩入れ+棒を押しての肩入れ+軽いプレートを持ってのイミテーションスロー+ハンドボール投げを入れます。「やりをリフトできる腕」に取り組んでみようかと。

 中学生にこのようなドリル系の運動をさせても、疲労度は低いし退屈だし・・・な雰囲気を漂わせる者が多いのですが、そんな練習で疲労困憊になることができるようなレベルに引き上げるのは、指導者としては至難の業です。それまでに飽きられてしまうのは残念すぎる。どうしたものかな。

 須河さんの技術の混乱は多分、誰の目にも明らかなものになっています。原因もおそらく本人が把握している通りです。ただ、あまり観念的な方向に進み過ぎないようにしないと、悟りを開いたかのように振舞うすかしたくそ坊主みたいに、屁理屈こねて自己満足してしまいかねないので、実際に体を動かすことを第一にするように誘導しなければ、と思ってます。

 東浦さんは今日も元気が今ひとつ。

 和田君は、実際のところよく動いていると思います。ただ、昨年から取り組んでいることを完全にものにするには、あと1つ何かが足りないような気がする。たったひとつ、しかし重要なリンクとなる何かが、あからさまに足りない。そういう印象を受けます。それが何かわかりゃ苦労はしません。

 どんな分野のいかなるレベルの者であれ、今自分がしていることの延長上に、世界の最先端だとか究極の境地がつながっていることをイメージできたら、それは自分が間違っていない、自分が世界とつながっている、望まれていることを踏み外すことなくしている、といったような、充実感という類の喜びとなる、と思うのです。まるではるか地平線のかなたまで道が続いているのが一望できるような。

 ただし、道の状態が荒れているのか、きれいに舗装されているのか、急な坂道なのか、バスが走っているのかとかいうことは、実際に道を歩いてみないとわからない。

 指導者の役割は、できるだけ遠くまで道の存在を示すこと、だと思います。例えるなら道標のようなもの。道しるべは、ここがどこであるかだけでなく、この先はどこに向かうのかも示してくれなければ意味がない。でも道標はそこにあるだけで、先導はしない。歩けそうな範囲までしか道を示さないのは、道標などではない。単なる甘やかし、おせっかいに過ぎないんじゃないのか。

 誤解を恐れず(でもできるだけされずに)語ってみたいことは山ほどある。でも、私の言葉が「生きた言葉」として発せられる期間は、残り少ない。世間の老人を敵に回すだろうが、「老いる」ということはそういうことなのだと思う。言葉がただの板書に成り下がっていく感じ。時間がない。切実にそう思う。


1/11(木)

 明日奈良教育大に練習しに行く人たち、そして奈良教育大の学生の方々、私は9日(火)におそらくグラウンドに黒(正確にはネイビー)のニット帽(コーナンで398円で買った)を忘れてきています。泥まみれになっているでしょうが、見つけたら拾っておいてくれませんでしょうか。見返りは私からの「海よりも深い愛」って嘘です、冗談です。でも探しているのは本当です。お願いします。頼んでばっかりだ。

 須河さん、三橋さん、東浦さん。

 メニューはA。

 私は激しい頭痛(眠れば眠るほどひどくなる)でナチュラルハイです。やたらしゃべってました。

 須河さんは学校での長距離の疲れが大腿四頭筋に。いますね、長距離でなぜか筋肉痛になったり乳酸ためたりする人。循環系よりも先に筋が疲れてしまう人。それと、やり投げのイメージが濃すぎて砲丸投げの縦の起こし回転が甘くなってます。イメージがひどく混乱している。そんな悪いイメージでも11mを超えるものが何本か。荒い投げでも飛距離が出るようになりました。でも今の状態はかなり厳しい試練になると思います。救いは、現状をよく把握し、目的もはっきりしていて、手段を冷静に考えられる今を「とても充実している」と思ってくれていることです。調子とは関係なく、やりがいを感じることが出来る。こんな教え子に恵まれると、指導者冥利に尽きます。

 東浦さんはやはり自分の持ち味を理解してなかったようです。まあ、いろいろ思うことがあったようですが、自分の精神状態で乱れる技術など脆弱以外の何者でもない。私が言えるのはここまでです。今は最大の持ち味である突き出しのシャープさを一刻も早く元に戻すように。技術は各々が持つ長所に肉付けするかたちで構成されていきます。自分の持ち味を把握できないようでは身につくものも身につきません。

 さて三橋さん。私が知る限り、円盤投げは相当非力な者でもそこそこ投げられるようになります。腹筋が弱くても、腕立て伏せが苦手でも、懸垂ができなくても。それは、おそらく円盤が「軽い」から。やり投げよりも「簡単」だから。望みはかなりあります。ただし、みんなそう思ってます。一人一人がそれぞれの思い入れを持って、それこそドラマになるようなストーリーを背負って、競技に取り組んでるわけです。結果は理不尽です。思い入れが強い者が勝つ、わけではありません。時間をかけた者が勝つ、わけでもありません。あなたが足を踏み入れようとしているところは、そういう世界です。技術的なことに関しては、左足を踏ん張って、左膝を崩さずに、ものに力を加えることができるかどうか。あなたが大化けするかどうかはおそらくこのあたりにかかっています。以前にも述べましたが、あなたは多分「腰を入れる」感覚を知らない。下半身の使い方が、地面に平行に力を「滑らせる」レベルにとどまっている。地面をうまく捉えると、地面からの反動があって、それを上なり横なり方向転換させることによって、走ることができたりものが投げれたりするわけです。それがわかるかどうか。とりあえず、左脚に体重を預けつつ、左膝を崩さない。それを砲丸投げでできるようになれば、少しはわかるはずです。実は、「跳んで投げる」がうまくできているときが、今書いたことができているときです。さあ、書きました。こんな漠然としたこと、読んだだけでわかりますか?私はとんでもなく難しいパスを出したと思ってます。このパスからあなたがゴールを決めようものなら、あなたも私もすごい人です。

 今日の仕事も明日に回してずるずるずるずる・・・・。出勤まであと7時間しかねぇ。


1/9(火)

 いつの間にか職場で独身が一人だけです。最年長なのに。何か幸せ一杯な雰囲気の中で働いてます。

 それって素敵やん。

 ・・・このフレーズを活字で見てみたいがだけの前振りでした。

 奈良教育大に行きました。須河さん、谷岡さん、三橋さん、東浦さん。

・jog
・コーンジャンプ
・throw
・jump(両足+レッグランジ+片足+交互)

 須河さんは砲丸とやりとハンマー。東浦さんは砲丸と円盤。三橋さんは円盤。谷岡さんはやり。

 三橋さんは円盤に挑戦です。まずは慣れましょう。大いなる志を持って。いろんな種目に挑戦してますが、現時点で一番キツいのはやりです。砲丸はかなりうまくなってます。円盤は、砲丸ほど筋力に依存せず、やりほどセンスに依存しない、と思うので、案外うまくいくかも知れません。円盤がどんな具合だったのか、後半は丹羽コーチしか知らない。

 東浦さんは円盤のターンがうまいように見えました。後は丹羽コーチしか知らない。

 谷岡さんは昨日、わざわざ須河さんの住んでるところまで電車で行って、ジャベリックの練習を2人でしたそうな。中学生って面白いな。

 で、須河さん、疲労で腕が振れません。上体ばかり突っ込んでます。個人的には、上体を突っ込む動作は嫌いではありませんが、大概それをする人は腕が振れないからしてます。

 私が考える「上体を突っ込んだ投げ」とは、腰から上が全部腕で、大きく振り回す上体で肩から先全部にスナップを効かせて、投げ終わったら指先のすぐ先に地面が、みたいな投げです。

 それから、須河さんのハンマーは怖すぎます。土の上で1回目のターンからいきなり加速するのは何とも言えません。

 谷岡さんはうまくなりました。1クロスからの投げがスムーズです。ようやく助走からの投げへの見通しがついてきました。本人曰く、年末の東大寺学園での合同練習がいい経験になったらしい。ちなみにやりを担当していたのは私(技術指導は京都橘高校の先生にお願いする形になりました)。今年は「まっすぐ投げる」をテーマに、莫大な時間と量の投げ込みと助走練習と補強をぶちかましてみました。女子やりの参加者のレベルが高かったので、谷岡さんにはいい勉強になったことでしょう。ただ、この方も腕が振れなくなると体が開いて手投げになりやすいです。振れなくても肩前面の筋力を振り絞って引っ張ってくる、ということができるのは、早い話が利き腕の筋力に自信があるからです。欠点というものは、えてして長所のすぐそばにあります。

 やり投げは「まっすぐ引いてまっすぐ構えてまっすぐ投げる」という指導をよく耳にしますが、これは、さまざまな個性あふれる投げを包括しうるうまいやり方だと、最近感じます。悪く言えば、大雑把過ぎます。これは基本ではありません。概論です。

 しかしこのことは、人体は自然に物をまっすぐ投げられるようにはできていない(意識し工夫しない限り)、ということの証でもある。ですから、ここからは個人個人の創意工夫の世界です。かなり前に書いたことですが、「胸鎖関節から鎖骨を前に押し出すように投げる」イメージが、ようやく具体化してきました。私なりの「まっすぐ」の答えです。ただ、日のあたる場所で開花することはまずない。最近は、どうやって競技に今度こそけりをつけようか、そればかり考えます。

 でしゃばらず、黙り込んで、存在感を消していけば、みんな幸せになって、万事うまくいく。

 ずっと前にも書いたな、これ。結局、ここに戻ってくるのか。


1/6(木)

 新年明けました。個人的にめでたいことなど何もない。今年は30代最後の年。まさに日本の不景気に合わせた不毛な失われた10年。今年はこのネタで引っ張ろう。

 まず、2日前からの私的なお願いに応えてくださった皆様、どうもありがとうございました。いや、本当に。どんなことだったのかは掲示板を見ればわかります。

 さて、雨が降ってます。1週間はまったく動いてない人もいるでしょうから、のんびりした練習でもしましょうか。

 参加者は、西川君、須河さん、東浦さん。今日はWT三昧です。

・w-up
・Jump:交互10段/3、片足10段/1/RL、両足10段/2
・WT:HC/10/5+SN/10/5+MedicineBall真上投げ/15、SQ-J(リバウンド/10/3+リバウンド2深く1/9/3+深く /10/5)、(BP/10+斜め突き出し/15+V字腹筋/10)/3

 インターバルは長めにとってます。最初に大きな力が必要だが動きの幅の小さいものをして、動きの大きな種目に変えていく。インターバルも徐々に短くしていく。逆では?という気もしますが、最初に動きの大きなものをすると、いきなりフルスロットルで動いて痛めてしまうこともあるだろうから、という観点からの組み立てです。

 今回は挙上回数・挙上総重量をこなすのが目的でしたので、とりあえず動くことを第一に考えて、このような組み立てになりました。

 パワートレーニングを時間をかけてこなす疲労を味わっていただけたでしょうか。ただし、動き一つ一つの質は低くなってしまいます。今日はまあいいや。

 学生時代の同級生(女性)から、年末に「相変わらずrolling stoneな人生を送っているのね」と言われました。某大物バンドの名前にもなっているこの言葉の由来は、"A *rolling stone*gathers no moss."。2種類の解釈ができる、と言われています。受験生なら、義務教育を終えているなら、当然わかるよな???